ゲームについて考えることは喜びである

連載『ザ・ゲームパワー』
第一章=社会の中のゲーム<第11回>


 オープニングイベントがいくつか用意されている中に、“MMBライブ”
というのがあった。
 「まろん・めろん・びとら」って言わなけりゃ誰もわからんぞ(笑)。
 つーことで「新宿ジョイポリス」。ここはセガが運営する施設ではあるが、
厳密にいうとゲーセンではない。「アミューズメントテーマパーク」である。
 そのテーマパークぶりが、端的に表れているのが入場料。
 「ジョイセット7券¥3,200・ジョイセット5券¥2,600・入場券¥300」
 まるでディズニーランドか後楽園ゆうえんちである。
 中に入ってみると、大きなアトラクションあり、カーニバル&テーブルゲ
ームあり。まさにゲーセンとテーマパークの悪魔合体((C)アトラス)である。
 もっとも、店内の雰囲気はそのどちらとも違う。お台場のジョイポリスと
同じく、テクノでポップでバーチャルでサイバーだ(<よくわからん)。
 ゲーセンとテーマパークの融合ぶりが、いちばんよく表れていたのが、ア
トラクションの一つ、「セガラリースペシャルステージ」。昔懐かしいセガ
体感筐体の雰囲気をもつアトラクションである。私が見たときは、1時間15
分待ちの大行列ができていた。
 その横には、今日行われたマスコミ対抗バーチャファイター3トーナメン
トの結果が貼り出されていた。優勝は覇王マガジン。ファミ通はブンブン丸
選手と羽田選手を擁していたが、準決勝で敗退。1回戦で居酒屋力ゲ選手&
明石屋サンマン選手のセガサターンマガジンチームに勝ったところで、力を
使い果たしてしまったのだろうか?
 その向こうに並ぶ自動販売機。ここのゴミ箱にゴミを入れると・・・?
 さらに向こうにあるのが「ショッキングメイズ」。その実体は「炎のチャ
レンジャー」の「イライラ棒」である。
 ショッキングメイズの向かい側に、珍しいものがあった。
 すいてるプリクラ!
 この後にもプリクラは数か所あったが、なぜかどれも人がいない。
 反対に、どこも埋まっていたのが、2人用のベンチ。レバー操作で上下に
動くのがウリ。セガはカップルの心をつかむのがホントにうまい。
 エスカレーターで下の階(10F)に移動する。いきなり正面に「パワー
スレッド」。これも体感筐体の流れを汲むアトラクションである。
 「パワースレッド」はボブスレーものだが、ほかにもこの一画には、レー
スものの筐体が集まっている。まさに“ハイスピード&ワイワイガヤガヤジ
ャンキー御用達コーナー”なんである。
(誤解のないように一応いっておくが、これはセガ公認の名称ではない)
 「ミッションQ」というアトラクションの名前は、1年弱で解散したアイ
ドルグループと一緒で不吉だ(PC−FXの女子プロレスゲームに出ていたが)。
 疲れたらカフェで一服。向かい側にあるのは、バーチャル水槽峰竜太邸風。
 あと、セガだから『バーチャファイター3』が、さぞ並んでいるだろうと
期待していたが、なぜか上下階合わせて8台しかなかった。
 ひととおり回り終えた私は上の階に戻った。目当ては入り口近くの、案外
すいてるバーチャ。スポット21では勝てなくても、ここでなら勝てるかもし
れない。200円入れてプレイを始める。
 ・・・誰も乱入しない。
 新宿であるにもかかわらず、ここにはまだ「乱入対戦」という文化は根づ
いていないようだ。
 それならそれで楽しめるのがバーチャの強み。私は対COM戦を満喫した。
 のどが渇いた。
 マジになってバーチャをやると、なぜか異様にのどが渇く。
 思う存分楽しんだし、そろそろ帰ろう。私は出口へと向かった。
 そしてこのとき初めて、出口にアイスクリーム屋がある理由に気づいた。
 「うまい商売だ」と思いながらも、渇いたのどを潤すために、私はモカア
イスを注文していた。(続く)


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