第1回山岳トイレシンポジウムにいってきました
1998.6.18〜19)

山のトイレの現状は思っていたより凄まじい!!
山に登るなら自分で出した汚物を持ち帰る覚悟が必要だね

 トイレシンポジウムってなに?という方のために

人間の生活にとって欠くことのできないのがトイレ
臭いものに蓋をしないで
みんなで快適なトイレ環境を作り出そうと
年に数回、日本トイレ協会などの主催で
いろいろなテーマでトイレに関するシンポジウムが開催されている



第1回の山岳トイレシンポジウムが開かれたのは富士山のお膝下、山梨県の甲府市。登山人口の増加に山の設備が追いつかなくて、山小屋のトイレにはピーク時ともなると、数十人の行列ができる。甲斐駒ヶ岳まで行くつもりがトイレで時間をとったために、千畳敷までしか行けなかったとかいう話があるくらいだ。そして悲しいかな、自然現象はいかんともしがたく、岩陰に隠れて用をすませるということになる。あちこちで糞尿の垂れ流しが横行している。その結果が沢水の汚染と散乱するティッシュペーパー。スライドで雪解け後に散乱するティッシュペーパーを見たが、ちょっと見には残雪のよう。
 
突然ですが、本当にティッシュペーパーは水に溶けないのか、実験してみた。下の写真で分かる通り、右のビーカーのティッシュペーパーはまったくそのまま。ちなみにこれは5時間後。   

   

 
普通のティッシュペーパーは水に溶けません
水洗トイレにも使わないでね

 水に溶けるトイレットペーパーを使えばすむというレベルでこの話を終らせてはいけないと思う。山登りを楽しむ団体から、し尿の持ち帰り運動が提唱されていて、既に一部では実施すみだが、山に入る場合にはそれくらいの覚悟が必要な時代になったと認識を改めた私。
 登山人口が劇的に増えている。トイレを増やせばいいといっても、後処理の簡単な、山にふさわしいトイレを設置することは、並大抵なことではない。国が富士山の下山道に作ったトイレは2億円。山小屋一人でできる仕事ではない。
 し尿の垂れ流しは水の汚染につながる。山で地中深くしみこんだし尿は湧水や水道の元となる川の水に入り込む。もちろん、自然の浄化機能はある。しかし、長期にわたって多量のし尿が垂れ流されたら危ないと、考えた方がいいと思う。
 
この夏、山行きを計画している皆さん、山でトイレに入ったら、自分の排泄物の行方に思いをはせてみてください。もっといいのは、せめてペーパーだけでも自宅まで持ち帰って、生ごみとして処理すること。一番いいのは全部持ち帰ることです。おしっこを固めて持ち帰ることの出来るミニトイレは、ホームセンターなどで売ってます。お値段は300円くらいから。


  トップページへもどる
 

                  
  クレソン栽培へ        デジカメ日記へ          雨水コーナーへ