発行日: '99年11月27日(土)
発行:守山リス研事務局

リス研通信 No.735-6

尾張旭市の小学校への活動 - 6

日時:
1999.11.13 9:30〜14:00
場所:
東谷山
参加:
瑞鳳小学校の子供たちと両親 58人

途中で、リスの巣材用の皮はぎがされた木が固まっている場所を紹介。特にリスの知恵として「枯れたヒノキやスギの木の皮を細く割いてはぎとり巣の一番中に敷く。生木だと湿っているためダニやカビが出やすく枯れ木だと乾燥していて都合よい」ことを知って選択している旨を説明。

最初の給餌台#2の所にゆくために、山側によじ登ってゆく。木につかまりながら、小枝がいっぱい落ちた木々の間を歩く。子供たちはすぐにクルミの殻を発見する。給餌台のクルミはリスにより全て持ち去られていた。さすが冬の前。リスのお気に入りのダイニングを紹介し、爪で枝がつるつるになり爪あとがくっきりしている。おかあさんから「あの頭上の巣箱は使われていますか」と質問ありなかから巣材が見えるので使っていたと思われること。穴が大きくなりムササビがかじった可能性もあることを説明。こどもたちはジャングルに入った雰囲気で大喜び。山側から道に降りる。

給餌台#1の所では、頭上10m程の巣箱の説明で、入り口が前と横にある理由(カラスやヘビに襲われた時の逃げ道として) 。また横側の入り口はムササビにかじられて4倍の大きさになっている事など説明。巣の高さが高ければ高いほど、繁殖率が良いデータがある事 を説明して、8m以上の高さに設置していることを紹介。どうやってのぼるのだろうかと驚いていた。次回は、木に「ぶり縄」で登る術をぜひ経験させたいものだ。相変わらず子供たちは、クルミ殻やエビフライを捜して袋にいっぱい入れていた。

別れ道のところで、グループにキツツキの穴を紹介。どうやって何を食べるために穴をあけるかを紹介。木の穴の下あたりの地面にかたまって散らばっているカナブンやクワガタの固い羽の残骸を紹介して納得。その数の多さにびっくりしていた。

頂上で食事をするため、時間調整もあり、給餌台#3方面に行く。同じように給餌。すべて空である。ここでもクルミの殻をここにもある。ここにもある」と拾う。親の食べたクルミとこどもの食べたクルミの区別が、こどもたちもつきはじめた。「これこどもがかじったんだよね。」とみせながら。給餌台#3の10m西南には巣があり、その方向を指さして「巣があるのがわるかな」ときくと驚いたことに「あそこの黒いかたまり? 」とパッという。さすがセミナーで紹介したり見せた効果が出ていた。「あんなに高いところにね」と母親たちがいう。中が黒く詰まっているので使われている事を説明。人間の家と一緒で使われないと朽ちて光が通り、星が見えるように巣が透いてくることを紹介。下におろすとこれぐらいの大きさと手で説明すると「そんなに大きいんだ」とうなづいていた。

[リスの巣を見上げる]

アカマツのリスの巣を見上げる

階段からは、別の楽しみが始まるしかけ。それはリスの餌となる木の名前を学ぶオリエンテーリングだ。大きな番号がついているのでその近くで見つけるたびに「なんの木だろう?」これは…でないし、…でもない。と消去法で名前をしぼりこんでゆく。そして名前がおちつくとみんなでその木の皮膚に触らせ、どんな実がなるかを紹介。すでに実がなっているものはその実をまじかでみてもらう。番号はバラバラになっている。途中にはリスが貯食したクルミが発芽したものにも番号がついている。真っ赤な実を付けたソヨゴにもついていた。

[樹木の名前当て]

森の中で番号のついた木の名前を探る

階段をのぼりきったところで、前のグループの大きな「わー」という歓声が聞こえた。冗談で「へびでもでたかな? 」といいながら足早に給餌台#9のところにくると「ムササビがでてきて木の上で寝ている。」と声を弾ませながらこどもたちがいう。みんなが上を見上げると。巣箱の上4-5mのところの枝に平らに寝そべっていた。こどもたちも初めて見る野生の動物ムササビにびっくりするやら感動するやらおおはしゃぎであった。後で判ったが第一グループはそっと木をこすったがぐっすり寝ていたせいかでてこず、次のグループがすこし激しく振動したことで、初め顔を出していたが「ニューッと体を乗り出したかと思うと飛び出して近くの枝の上で眠り始めた」と声を弾ませて初めてみたムササビに驚きと喜びの混じった表情で話してくれた。

[ムササビだ!]

ムササビを見て感動するこどもや親たち


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