発行日:98年10月3日(土)
発行:守山リス研事務局

リス研通信 No.595


マツノマダラカミキリ

【出典】
原色樹木病虫害虫図鑑
保育社 P145-146
被害
マツ類の樹幹部に幼虫が食入して形成層と材質部を食害する。主として衰弱木・伐倒木に好んで集まり、健全木にはほとんど寄生しない。多発すると一本の樹に非常に多数の幼虫が寄生するため樹勢がいちじるしく低下する。また老熟幼虫が材質部を食害するため、風に対する抵抗力が弱まり、折れやすくなる。夏季羽化した新成虫が新梢部に飛来し針葉や小枝を食害する。本種の被害としては成・幼虫の食害被害も大きいが、それにもましてマツノザイセンチュウを媒介して、樹全体を枯死に至らしめる被害がきわめて大きい。
形態
成虫寸法
長さ20〜30mm
体色
全体赤褐色. 翅鞘には、白色・黄褐色・暗褐色の小斑紋を不規則に装う。
触覚
比較的長く、雌は体長の1.5倍、雄は2〜2.5倍。
長さ3.5mm、紡錘形。
老熟幼虫
長さ40mm,乳白色で円筒形。
生態
年一回発生。幼虫越冬。
4月

樹幹の材質部で越冬した幼虫は樹皮に近い部分で蛹室をつくり蛹化する。

5月中旬〜7月下旬

新成虫は樹皮に約6mmの円形の脱出孔をあけて外部へ飛び出す。新成虫は若い枝を好んで食害する。

雌成虫は羽化後20日ごろより産卵を始める。産卵は樹幹と太い枝に集中し樹皮に傷をつけて内部に産卵する。

ふ化した幼虫は1〜2ヶ月間は樹皮下を食害するが、大きくなると材質部へ食入する。

防除

本種は主として衰弱木に寄生するので、樹勢を強く保つことが成虫の飛来を忌避し、産卵防止効果も高く最も優れた予防法である。

隣接地に枯死木が有る場合は、翌春の成虫密度が高まるため健全木であっても被害を受ける危険性が高いので必ず成虫発生期までに伐倒焼却処分を行う必要がある。

薬品

伐倒木:スミチオン +EDB混合油剤( パインテックス 油剤) の10倍液(白灯油で希釈)を表面積1平米当たり400〜600ccを樹皮上に散布する=羽化脱出する成虫の防除効果が高い

成虫発生期の6-7 月に1 〜2 回、T-7.5 バイエタン 乳剤の50〜100 倍液、パインテックス 乳剤の20倍液を散布。残効性も長く予防効果が高い。

一般害虫用のスミチオン乳剤の1000倍液、デナポン水和剤の500〜1000倍液、オルトラン水和剤1000倍液をマツカレハやアブラムシとの同時防除を兼ねて数回散布することも予防効果がたかい。

寄主植物
アカマツ、クロマツ、オニナワマツ、トウヒ、モミ、スギ、ヒマラヤスギ


山梨県でのリス専用橋

[新聞切抜き、「リスの橋」写真付き]

8月上旬の朝日新聞東京版 東京メンバー Nさんより送付

山梨県大月というのは都留市に近く、今泉 吉晴先生か電波発信器からは、多摩森林総合研究所の林 典子先生の指導がなされているようにも思われますが、実際、

  1. 清水建設がリス専用橋をつくり、それをリスが利用している事
  2. 給餌台を設置、
  3. 分断された林の間を結ぶ「回廊林」つくりをした点

が高く評価されると思われます。この橋が風雪に耐え、耐久性を示せばエゾリス用の歩道橋と共に今後この設計が標準となるのではないかと思われます。(清水建設に確認し詳細の入手を検討します)



インターネット上のシマリス情報

(報告: 9/9/1998)

  1. サポートメンバーのI夫妻は、シマリスを飼っており、自分のウェブサイト(ホームページ)にシマリスのページがあり楽しいものです。夫妻の申し出でリス研のウェッブサイトを来年と言わず、今年から夫妻のウェッブサイトに作成してはとの提案があり、基本的に申し出に甘えて作成する方向で話合いを進めています。

    『しまりすのアリスの国』
    http://www.asahi-net.or.jp/%7Efb4m-iszk/alice/

  2. Iさんの紹介で出会ったホームページのシマリスのページ「あむあむ」として飼い方や、リスの会で学ぶとか病院データバンク、リスのでる本等楽しく作られています。9/9 で12513 人もの人が訪れていました。またおなじ場所に、リスの会で学ぶと題して「リムネット」「守山リス研究会」「エゾリスの会」が紹介されています。

    『シマリスのページ「あむあむ」』
    http://www.alles.or.jp/%7Ehidemy/index.html

【こんな広がり方がいかにもインタ-ネット らしいと思います。ちょうど人間の神経シナプシス がタンパク質と電気エネルギーでどんどん増殖して記憶細胞を創造してゆく様に似ているからです。この情報の増殖は、電報ゲームとは根本的に異なり、「空からあられが」という情報が「からのレンガ」というように変質をすることはないクローンのシステムだからです。】


シダミという地名

【出典】
「自然を守るとはどういうことか」
守山弘著農山漁村文化協会出版
楢(ナラ)のドングリはシダミと呼ばれ、かっては山村で食べられていた。(p.151)

志段未( しだみ) という名古屋市守山区の地名は、このナラ類(コナラ、ミズナラ)のドングリを食する習慣からきているのかもしれない。もしそうならおもしろいことですね。


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