OZ's電影中心(2001) |
電影中心1999 電影中心2000 電影中心2001 昔観た映画
まず、マギー・チャンのチャイナ・ドレスの華やかさに圧倒された。 シーンが変わるごとに、ほぼ異なる柄でマギー・チャンが登場する。 なかには、伝統的な?花柄だけでなく、チェック柄など、一見チャイナ・ドレス っぽくないものもある。
そして、柄のバラエティもさることながら、ドレスがフィットしたボディの ラインに引き付けられてしまう。
いっぽう、トニー・レオンは、終始、物静かな「大人の男」を演じている。 派手なアクションをしたり、強い自己主張をしたりするわけではない。
そういえば、私が見た作品のトニー・レオンは、「恋する惑星」をはじめとする ウォン・カーウァイ作品はもとより、「悲情城市」など、マッチョではない役回り が多い。こういう「男の魅力」もいいと思う。
ソ・ガンホが、常に冷静沈着、「男の中の男」の北朝鮮軍士官 オ・ギョン ヒルを演じている。
たとえば、オ・ギョンヒルと、イ・ビョンホン演じる韓国軍兵士 イ・スヒョクが 取り調べで相対したときに、ギョンヒルは、「北」の軍人の「模範的」な態度で 感情的に「南」を罵倒する。
一見、結局はイデオロギーに支配されてしまっていると感じさせられる シーンである。しかし、ラスト近くで、ギョンヒルがとった言動から、 これは、ギョンヒルがスヒョクをかばうための配慮だったと分かる。
そんなギョンヒルに対して、スヒョクは、ずっと「兄貴」として慕い つつも、劣等感(というか、わだかまり)を持ち続けていたのではないか?
命を助けてもらった出会いのときに、「情けない姿」をギョンヒルに さらけだしてしまったし、その後も、事あるごとに、「男らしさ」を 見せつけられる。
ウジンに対して8発も銃弾を打ち込んでしまったのは、恐怖心からだけでなく そのわだかまりを吹き飛ばすためだったのではないだろうか?
ところで、全編に渡って謎解きのガイド役である、韓国人の血を引いたスイス 軍女性将校 ソフィー・チャンを演じるイ・ヨンエが、理知的でかっこいい。
もっと青い海と空を期待していたのだが、雨模様のシーンが多くて、ちょっと残念。
レスリー演じるジミーの相棒役・ボーのヴィンセント・コックがいい味を出している。
ジェニー(フェイ・ウォン)が居候しているアパートの住人・カリ(樋口明日嘉)の部屋で、 レスリーも交えて3人で食事をしているシーンには和んでしまったし、 一緒になったボーとカリがトラックで一緒に去って行くシーンもいい感じだ。
また、レオン・カーファイが、ジミー(レスリー・チャン)を捕まえることに夢中になって、 恋人(ジジ・ライ)を日本人ヤクザ・サトウ(加藤雅也)に取られてしまう、 コミカルな役を演じていて、コメディの雰囲気を盛り上げている。
ただ、レオン・カーファイが、誘拐と勘違いして加藤雅也のところへ乗り込んで いくところは、ちょっと物足りなかった。
派手なアクション、あるいは、笑わせるギャグがあれば、ラストに近い ハイライトらしくなって、メリハリがついたんじゃないか、と思います。