田村セツコ

70年代、子どもがよく目にしたイラストレーターは内藤ルネ・水森亜土・
高橋真琴(リバイバル済)、そして田村セツコがあげられる。
この頃(69年くらいかも)、便せんは縦書きがまだ主流だった。どんな洋風の絵柄でも、だ。
ごていねいに、同じ絵柄でも横書きと縦書きを用意してある商品もあった。
この便せんは、子供向きを意識して行間が広い。なんかかわいい。
便せんは80円、封筒(10枚)は多分50円くらいだったと思う。シリーズ全柄を持っていた。
親からもらう土曜のお昼代(100〜200円くらい)でこれを買っていた。
お腹が空くより、こっちを選んでた。
当時、私は「かぎっ子」だった。(しかも団地)
今なら全然珍しくないが、この頃はクラスに2、3人くらいしかいなくて、
今思えば、かなり偏見があったように思う。
新聞の論調は、少年非行があると、「親は共働きでいなかった」としめくくるのが常だった。
自分では特に寂しいと感じたことはなかったが、この風潮には頭に来ることしばしば。
この便せんを見ていたらそんなことを思い出して、ちょっと切なくなった。

便せん&封筒/コクヨ