<黒羽1>
(くろばね)栃木県大田原市(旧・那須郡黒羽町)

旅行日 '95/10 '97/7

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 江戸を発って6日目の四月三日(陽暦5月21日)、芭蕉は那珂川河畔の大関氏の城下町、黒羽に到着し、ここでなんと14日間も滞在しています。
 この地で世話をうけたのは翠桃(すいとう)と実兄で大関藩家老の桃雪(とうせつ)。二人とも芭蕉の門人で、師の来訪を並々ならぬ歓待で迎えました。
 芭蕉はこの滞在中、付近の名所を見てまわったり、句会に参席したりしながら時を過ごしています。

 黒羽町役場には無料のレンタサイクル(役場が休みの日も借りられます)が用意してありますから、これを使って芭蕉が滞在中に訪れた箇所を巡ってみてはどうでしょう。
 各所にある句碑を見てまわったり、記念スタンプを蒐集するのも面白いですよ(いい年こいて恥ずかしかったが・・)。役場の観光課で詳しい資料をもらえます。


 以下は『奥の細道』本文より。

 ひとひ郊外に逍遙(しょうよう)して、犬追ものゝ跡を一見し、那すの篠原をわけて、玉藻(たまも)の前の古墳をとふ。 それより八幡宮に詣づ。(中略)
 暮れば、桃翠(とうすい)宅に帰る。
 
修験光明寺(しゅげんこうみょうじ)と云ふ有り。そこに招かれて、行者堂を拝す。
(以下略)

 『奥の細道』関連の資料を集めた「芭蕉の館」の見学も含め、1日あればすべてを見て回れるでしょう。さらに夏から秋にかけては、観光梁(やな)にて鮎料理もご賞味できます!

上地図は国土地理院発行 25,000分の1地形図「大田原」「黒羽田町」を使用





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 黒羽町 芭蕉の館   '97/7現在

『奥の細道』の旅の解説や、黒羽藩主大関氏関連の資料が展示されています。

開館時間:午前9時から午後5時まで
休館日:月曜日(祝日の時は翌日)
    12月28日から1月4日
入館料:300円

続いて、芭蕉の句(↓)へ。



<芭蕉の句>


 夏山に 足駄をおがむ 首途哉

(なつやまに あしだをおがむ かどでかな)


<句意>
遠く連なる初夏の山並みを臨んで、(これからの奥州の山々を思い、行者堂に安置されている役の行者<えんのぎょうじゃ>の)足駄を拝み、(その健脚にあやかりたいと)首途の祈願をすることよ。
 行者堂のあった修験光明寺はすでに廃寺となり、いまでは右の句碑と説明板が木立のなか建つのみです。





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