旅行日 '95/12,'98/12
左は能「黒塚」より、老女が糸繰り車を回しながら世のはかなさを嘆く場面
時は移り、現世の安達ヶ原。阿武隈川を挟み、東側を貫くのは東北新幹線。時速二百何十キロだかでアッという間に駆け抜けてゆく。西側を通り越すのは国道4号。クルマ、トラックが轟音と排気ガスを残して走り去って行く。日本どこでも見慣れた光景とはいえ、この騒々しさ、このせわしなさ・・。
見上げれば、安達太良の山を越えてきた不気味な黒雲が、伝説の原野の上空をゆるりゆるりと流れてゆきます。こればかりは昔も今も変わらず。
さて安達ヶ原を歩いてみましょう。杉の木と石碑の立つ小高い丘は黒塚で鬼婆の墓と伝えられる所。
黒塚のすぐ東隣が観世寺。境内には鬼婆が潜んでいたと伝えられる岩屋(←)など、鬼婆に関するものがいろいろと。説明板と賽銭箱の数多し。
『奥の細道』本文中、安達ヶ原についての記述は「二本松より右にきれて、黒塚の岩屋を一見し…」と、これだけです。「伝説の地なんて…」と芭蕉さんも足早に去っていったのでは、と私は勝手に思ってしまいました。
観世寺のすぐ裏に第三セクターの立派な施設が出来ました。日本全国、テーマパークは掃いて捨てるほどあれど「オニババ」のテーマパークとは・・・。
鬼ばばの里 安達ヶ原ふるさと村
二本松駅よりバス10分
営業時間:AM9:00〜PM5:00 年中無休
料金:大人1000円
園内には鬼婆伝説をロボット(人形?)で再現する「黒塚劇場」ほか、移築された民家とかあるので、興味のある方はどうぞ。それなりに面白いかも。
←土産物屋で売っている、バッピーちゃん人形・・・。
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