北海道天塩郡幌延町北進432番2 |
2001年4月 |
日本原子力研究開発機構(JAEA) |
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地層科学研究 |
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地層処分研究開発 |
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↑名寄駅を午前7時50分に出発するこの列車で今日はスタート。旭川から稚内まで260kmほどを5時間50分かけて1両きりで走る普通列車です。 |
↑列車に乗って2時間40分ほど。幌延駅が近づくと、列車の正面に利尻富士の頭の部分がチラリと見えてきた。 |
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↑さて着いた幌延駅。駅周辺に広がる幌延の市街はさして大きくないのですが、この地方の拠点という事で駅は結構立派です。ここから深地層研究センターへは4kmほど。バスが無い時間帯だったのでタクシーで向かいました。 |
↑これが幌延深地層研究センターの展示施設である「ゆめ地創館」。この塔の高さは50m。研究センターでは地下500mまで掘削する予定でその10分の1の高さにしたとか。また展望台は地上45mにあり、幌延町に北緯45度の緯線が通っていることを象徴したものだそうだ。 |
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↑エスカレーターを昇って、正面入口より入ると、受付があって広いロビーが。観光コースにも入れられている訳でなく、迷惑施設を造る見返りに地元対策として作った巨大なハコモノという臭いがプンプンします。 |
↑VT−500という名のエレベータ。実際には高度差数メートルの1フロア分を下るだけなのだが、わざと2〜3分程時間をかけ、エレベーター内にそれっぽい映像を映したりして、地下500mまでゆくとの設定になっている。ディズニーランドのアトラクションにこんなのがありましたね。 |
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↑地下500m(という事になっているが実際は地上)の展示物。アーチ形になっているのはやはりトンネルをイメージしたのでしょうか。こういう展示施設にいっていつも思う事ですが、原子力発電というもののそもそもが理解できていないと、なかなか分からないと思うのです。 |
↑キャニスターと呼ばれるステンレス製の容器。このなかに高レベル放射性廃棄物を混ぜたガラス溶液を流し込んで冷却・固化します。『ガラス固化体』と呼ばれ、これが地下数百メートルの地底にズラリと埋設される構想になっています。 |
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↑右上で紹介したガラス固化体を包み込む、筒状の鉄(炭素鋼)で『オーバーパック』と呼ばれています。いかにも頑丈な鉄のようですが、地下数百メートルで地下水に触れる状態で埋設され、何百年も何千年もするとやはり腐食するそうです。 |
↑ガラス固化体・オーバーパックをさらに包み込むのが『緩衝材』でベントナイトと呼ばれる粘土が使われます。写真はその模型で、バームクーヘン状の輪が10段重なって、高レベル放射性廃棄物を包み込むとのこと。これはあくまでもプランのひとつで、さらに実験が積み重ねられるそうです。 |
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↑高レベル放射性廃棄物には人が近づけませんから、埋設のための作業は機械操作の元、無人の環境下でなされなければなりません。写真はバームクーヘンならぬ『緩衝材』を釣り上げるための機械で、吸盤が下に並んでいます。 |
↑「深地層研究センター」の完工時の模型。地下には西立坑、東立坑、換気立坑の3本が垂直方向に掘られ、地下500mの深さまで掘削される計画です。 |
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↑高さ50メートルの展望塔から。黄緑の帯、オレンジの帯、ピンクの帯の建物がそれぞれ、西立坑、東立坑、換気立坑で、ここから地下に向けて掘削されています。 |
↑というわけで、ブルーの『つなぎ』を着て、ヘルメットをかぶり完全武装の私。これから東立坑を下って見学です。 |
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↑ということです。繰り返しますが、地下500メートルまで掘削される計画。 |
↑このゴンドラに乗り、地下へ。私は深さ140メートルの地点までゆきました。 |
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↑地下140メートル地点でゴンドラを降り、横坑へ。所々で研究のための機材が見られます。 |
↑このような見学者向けのパネルもあちこちに。ようするにあらゆるものを腐食・浸食してしまう『水』との絶えざる闘いですね。原子力発電所に関してはいろいろ意見がありましょうが、既に日本という国が核のゴミを抱えているのは事実で、その廃棄のための研究がこの北海道の最果ての地でなされていることは知っておくべきでしょう。 |