戦ってみよう

第二回「T-シャツで戦う」

第三段階

では実際にやってみましょう。今回はラバーシートを使って制作してみます。プリントするT-シャツはたまたまポリエステル100%のものになりましたが、初心者には綿素材のものをおすすめします。失敗しても雑巾になるからです。

ではやってみましょう。

(1) まず図柄を考えます。さきほど第一段階で例示したものはめんどくさいのでやめました。一枚のシートがA4サイズなので、その枠内に入る大きさにします。
(2)  その図柄をきちんと描いてみます。文字部分はパソコンで作ってみました。
(3) もちろんKDFのロゴも作ります。これは左袖に入れることにします。
(4) 清書した図柄にトレーシングペーパーをのせ、鉛筆か濃い目のシャーペンでなぞり写します。
(5) これが今回使う熱転写ラバーシートです。これを裏返してください。
(6) トレーシングペーパーでなぞった面を下にして、裏返しておいたシートにのせます。この段階で元の図柄は左右反転しているはずです。してませんか? そういう人は適性がないのでT-シャツ作りはやめた方がいいです。さて、そのトレーシングペーパーを今度は上からなぞって下面の鉛筆線をシートに転写させていきます。意味がわかりませんか? そういう方も適性がないのでT-シャツ作りはやめた方がいいです。
(7) ちょっと見にくいですが、ほらこのとおり。なんでこんなめんどくさいことをするかというと、シートに直接図柄を描くのが技術的にも素材的にも難しいからなのですが「わしゃあそげんちんまいこつぁやっとれんけんのう。そんシートやらいうもんにじかにかけばええんじゃ」という方は(4)から(6)までを省いてもけっこうです。
(8) 転写した、あるいは描き込んだ線にそってカッターで不要部分を切り剥がしていきます。あまり強く切るとシートの保護透明フィルムまで切り剥がしてしまうので注意。
(9) いらないところを全部剥がしてみました。
(10) シートをひっくり返すと、ほらこのとおり。
(11) 文字部分もほらこのとおり。
(12) プリント作業に入る前にシートをT-シャツにのせて見てみます。これは完成型を確認し、プリントする位置を決めるためです。
(13) プリントする位置にシートを合わせ、保護フィルムの上から中温でアイロンをかけます。プリント箇所が複数の場合は小さい部分から先にやります。ですから今回は袖からです。何故かというと、失敗したら袖ごと切り取ってノースリーブにすればすむからです。今回はアイロン台がなかったので代りに段ボールを袖に突っ込んでありますが、これはあくまでも臨時措置なので真似しないように。
(14) アイロンがけしたシートが完全に冷めるのを待ってから、保護フィルムを剥がします。ラバーが一緒に剥がれてきてしまったら、剥がすのをやめてもう一度アイロンがけしておきましょう。
(15) ほらこのとおり。
(16) さて、ではいよいよ胸の部分です。位置が決まったらアイロンがけ。
(17) 今回はかっこつけて2色使いましたが、初心者にはおすすめしません。ラバーは熱に弱く、保護フィルムから剥がしてしまうと高温で溶けてしまうからです。つまり同じ部分に別々にアイロンをかけられない、ということです。どうしても2色以上使いたいのならこのように一度のアイロンがけですむようにしましょう。胸と背中にプリントするような場合でも同じです。後からアイロンがけした熱で先にプリントしたラバーが溶けてしまいます。そういう場合にはアイロンがけする部分とプリント済みの部分に断熱材をはさむなどして熱が伝わらないようにして下さい。
(18) アイロンは中温で15秒くらい。こすらずに上から押さえるように。
(19) ほらこのとおり。
(20) プリント部分の着心地も悪くありません。モデルさんの乳首が透けていますが気にしないで下さい。
(21)ついでにこんなのも作ってみました。
(22)こうなっている。これだけのものになると文字を写して切り出すのに半日がかり。
(23)首のうしろにも。

できましたか? 人前に着ていって恥ずかしくなければそれであなたも立派な手作りT-シャツ職人。てづTマスターでもTTSでもお好きなように名のってけっっこうです。

(次回予告)
「冷蔵庫消臭剤で戦う」


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