建築・不動産業界は、非常に分業化・細分化が進んだ業界です。 ここでは、オーナーが直接関わることの多い業者を中心に、チェックすべき点 をまとめました。 |
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●業種別チェックポイント | |
専門業者の選び方 | どの業種でも、最初からコンサルタント料などを取る業者は少ないようです。無料で相談に乗ってくれる業者も多いので、積極的に連絡を取ってみましょう。 その際、担当者の対応が丁寧か、社会的マナーを身につけているか、親身になって考えてくれるか、などもチェックしておきましょう。 |
設計事務所 | 建物の設計や企画、監理業務を行います。 @ 適正なコストに抑えながら、オーナーの要望をいかに実現さ せるか・・・これがこの業種の腕の見せ所です。コストを考え ず、「自分の作品」を押し通す建築家はNGです。 A 工事監理者としての側面も持ちますから、施工業者との距離 間が適正に保たれているかどうかも大切です。 設計・監理者と施工業者との癒着が耐震偽装事件に結びつい たことは、記憶に新しいところです。 また、この事件をきっかけに、各専門分野ごと(意匠、構造 、設備)に建築士の定期講習が義務付けられ、問題のある建 築士は業務を続けることが出来なくなりました。 B 経験値の高いベテラン設計士が所属する設計事務所では、建 物のデザインだけでなく、立地条件の分析やターゲット(入 居者やテナント業種)の選定、収支計画などの不動産企画的 な分野まで検討してくれるところも有ります。 C 新築時の施工監理とは別業務になりますが、テナントの入退 居に伴う改装工事の監理業務も行っている設計事務所であれ ば、信頼に基づいた長いお付き合いができます。 |
不動産 コンサルタント |
土地の有効活用や事業収支、処分など、不動産についての幅広い知識からアドバイスを行う業者です。 特定の業種に特化していることが多いのも特徴です。 @ やはり実績は大事です。どんな建物(テナントビル、マンシ ョン、医療施設など)のコンサルタントなのか、その分野で どれだけの実績があるのかを確認しておきましょう。 A 現場の知識を多く持っていることも大切です。多くのデータ を収集できても、実現性の高い中長期的な視点を持ったプラ ンを提案できなければNGです。 B 技術や法律は常に更新されていきます。常に情報にアンテナ を張っている業者でなければなりません。 |
建設会社 (ゼネコン) |
建物を建てる工事業者です。施工業者とも呼ばれます。 ゼネコンと呼ばれる比較的規模の大きい建設会社では、設計・監理やコンサルティングも行う場合があるようです。 @ 施工(工事)実績の多さは最大の武器です。 施工実績の多い会社は、建設業としてのノウハウだけでなく 、様々なトラブルの処理ノウハウも多く持っています。 近隣関係者とのトラブルなど、何か起こった際の対応手法も 聞いておきましょう。 A 最低限、財務内容は確認しておきましょう。万が一、工事期 間中に建設会社が倒産してしまったら、工事は中断し、支払 った費用も戻ってきません。 B アフターフォロー(設備故障、雨漏り補修等の対応)がしっ かりしているか、素早い対応をしてくれるかも大事です。 (現地から近い会社であれば、尚良しです。) C 企画・設計・施工・監理まで一括で行う場合、安易な企画や 杜撰な設計、施工精度に問題が無いかなど、オーナー側でチ ェックすべき点が多くなります。可能であれば、監理だけは 別の建築士に任せるのも良いでしょう。 |
不動産管理会社 | 建物が完成した後の入居者管理や建物の管理を行います。 不動産仲介業者が兼任する場合も多いようです。 @ 管理内容がクリアでわかりやすいことが大事です。 どの程度まで管理をしてくれるのか、管理料は適正か、管理 報告書は毎月提出されるかなども確認しておきましょう。 A 休日・深夜・緊急時の連絡体制が確立されている、トラブル が起きたときの対応が早いことも大切なチェック項目です。 B オーナーに対して誠意のある、丁寧な対応が出来ていれば、 入居者への対応も問題無いでしょう。 C マンション管理士や一級建築士、工事技術者などの有資格者 の数が多いほど、管理レベルも高くなります。 |
不動産仲介業者 | 入居希望者を募集したり、入退去手続きを行います。
@ 不動産業者間でのコミュニケーションを重視している業者は 、幅広く入居者を募集してくれます。 A インターネットへの情報の載せ方が上手な業者も、多くの入 居希望者を連れてきてくれます。 B 観察力がある業者は、入居希望者の何気ない所作を観察し、 荒っぽい使い方をする人物かどうかまで教えてくれます。 C 社会的マナー(笑顔、挨拶、言葉遣い等)がしっかり身に付 いている業者であれば、来店した入居希望者も好印象を持ち ます。 D 駅至近、或いは急行停車駅に店舗を構えていても、良い業者 とは限りません。店舗の立地や外見で善し悪しを判断しない ようにしましょう。 |