今日は大変だったなぁ。
さあ、とりあえず帰ろう。
夕食に遅れると姉貴に何言われるかわかったもんじゃない。俺はビジターセンターの駐車場を横切り、国道の歩道に続く遊歩道を歩いた。
途中、ちょっとしたベンチがあり公園になっている部分がある。そこを何気なしに見た俺は人影を見つけた。こちらに背を向けて夜の海を眺めているその人は、よく見ると直美さんだった。
「……」
直美さん、もしかして泣いてるのか?
「直美さん。こんな所にいたのか?一緒に帰ろう」
「あっ、まこと君……ごめん。今は一人でいたの」
振り返り、一呼吸おいて穏やかな口調でいう彼女だが、無理に笑顔を浮かべてるのがわかる。
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