■直美編■
5日目【7月25日】


 
 
 今日は大変だったなぁ。
 さあ、とりあえず帰ろう。
 夕食に遅れると姉貴に何言われるかわかったもんじゃない。俺はビジターセンターの駐車場を横切り、国道の歩道に続く遊歩道を歩いた。

 途中、ちょっとしたベンチがあり公園になっている部分がある。そこを何気なしに見た俺は人影を見つけた。こちらに背を向けて夜の海を眺めているその人は、よく見ると直美さんだった。

 「……」

 直美さん、もしかして泣いてるのか?

 「直美さん。こんな所にいたのか?一緒に帰ろう」
 「あっ、まこと君……ごめん。今は一人でいたの」

 振り返り、一呼吸おいて穏やかな口調でいう彼女だが、無理に笑顔を浮かべてるのがわかる。