■直美編■
5日目【7月25日】


 
 

 「直美さん。そんなこと言わずに一緒に帰ろう。こんな所にいたって仕方ないよ」
 「だから、一人で帰ってよっ!私は誰とも話したくないのっ!」

 直美さんがそう叫ぶ。俺は驚いてその後の言葉を飲み込んだ。

 「ごめん…私、今、気が立ってるからさ、まこと君にみっともない所、見られたくないの…お願い」

 俯いて静かに言う彼女。
 ちょっと心配だけど、あんまりしつこくするのもいけないな。

 「わかった。あんまり気にするなよ…それじゃぁ」

 直美さん大丈夫だろうか?
 でも、いま俺が彼女にしてやれる事はない。自分で立ち直ってもらわないといけないんだ。それが彼女の為でもあると思う。