「直美さん。そんなこと言わずに一緒に帰ろう。こんな所にいたって仕方ないよ」
「だから、一人で帰ってよっ!私は誰とも話したくないのっ!」
直美さんがそう叫ぶ。俺は驚いてその後の言葉を飲み込んだ。
「ごめん…私、今、気が立ってるからさ、まこと君にみっともない所、見られたくないの…お願い」
俯いて静かに言う彼女。
ちょっと心配だけど、あんまりしつこくするのもいけないな。
「わかった。あんまり気にするなよ…それじゃぁ」
直美さん大丈夫だろうか?
でも、いま俺が彼女にしてやれる事はない。自分で立ち直ってもらわないといけないんだ。それが彼女の為でもあると思う。
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