◆7月24日<昼>◆
『クラスメイト』
「うわぁ! 冷たっ!!」
頬に当たる冷たい感覚に、ビーチで寝ていた俺は驚いて飛び起きる。どうやらよく冷えたジュースを頬に押し当てられたらしい。
「びっくりするじゃないか、真澄ちゃん」
「え?真澄ちゃん?」
予想とは違った声に俺は相手の顔を見る。
「え? …ええ〜! 小野寺さん!? どうしてここに」
俺の前には小野寺美和が屈んで顔を覗いていた。赤いセパレートタイプの水着を着た彼女は凄く魅力的…。
俺の心臓の鼓動は一気に高まった。
「弘と一緒に来てるのよ。海に行こうって話になって、せっかくだから宇佐美君がいるこの砂浜にしようって訳で来たんだけど…ところで真澄ちゃんって?」
立ち上がりながら言う小野寺さん。俺もつられて立ち上がる。
「宇佐美先輩〜! …え?」
真澄ちゃんがジュースを両手にこちらに駆けてくる。小野寺さんの姿を認めて少し驚いたようだ。
なんだか知らないけどタイミング悪いなぁ。
「なんだ。宇佐美君って、彼女いたんだ」
「いや、これは…」
俺は一瞬、ためらう。真澄ちゃんと小野寺さん。別にどちらとつき合ってるっていうのではないし、やましい事なんかない訳だけど…。
|