2007/10/07更新
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「自然朴の会」山行記録

常念縦走(2日目)
常念岳・蝶ヶ岳(三角点)
(2857m)(2664.3m)

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山行記録

2007年09月22日(土)  快晴のち薄曇り

コース 大天荘 5:20 → 5:39 日の出 → 6:21 東天井岳下廃道標識 → 8:00 常念小屋 8:18 → 9:30 前常念分岐 → 9:43 常念岳 9:57 → 10:51 最低鞍部 → 13:45 蝶槍 → 13:58 蝶ヶ岳三角点 → 14:35 蝶ヶ岳ヒュッテ(泊)


 大天井荘の朝食は5時からだったので、小屋で朝食を食べてから5時25分に小屋を出発する。 急いで出発したのは、早立ちも当然だが5時半過ぎの日の出を稜線から眺める事と槍ヶ岳が日の出の太陽でモルゲンロートに輝くのを見るためなのだ、見通しの良い東天井手前の2832ピークの先まで急いで移動する。 ベストポイントに到着すると日の出のドラマが始まり、太陽が雲海から顔を出して輝き始め雲海から殆ど顔を出した所で槍ヶ岳の先端から徐々に穂高への稜線にのかけて赤く染まり始める、これを見るのが今回の山行の目的の一つだった。 各々目に焼き付けたり写真を撮ったりしていると、小屋を先に出て小屋の近くで日の出を見ていたツアーの一行が追い付いて着た、私らの場所からの眺めが良い事を知り改めて眺め始めたので、私らは先に行かせてもらう様に出発する。 横通岳のトラバースにかかる所まではほぼ水平の道が続く、正面に「廃道」通行止の表示があり、左に向って「常念小屋方面」の標識が有るのでそこから左に東天井岳をトラバースして行く道に入る。 トラバース道は東天井岳の山腹を巻きながら100mほど標高を落とす様に下って行く、その後水平な道になり横通岳をトラバースして行く途中に昔の小屋の跡と思われ石組みが登山道脇に残っていた。 目の前に常念岳が大きく迫ってくると、足元に常念乗越に建つ常念小屋の赤い屋根が見え200mほどの下りが始まる、目には常念岳山頂までの標高差400mの登りがいやでも入ってくる。 常念小屋で常念岳のバッチを購入し小屋前のベンチで登りにそなえて休憩と腹ごしらえをする。 15分ほど休んでいるとツアー一向が常念乗越に到着し休憩する様なので先に出発する事にした。 常念の登りの取り掛かりから上を見上げるとさすがに中腹までしか見えない、ここが本日一番の頑張り所なので気合を入れて(入れたつもり)登り始める、見た目の傾斜は急だが登山道はジグザグについているので歩きにくさはない、息が切れないペースで歩を進めるが徐々に足が重くなってくる、上方に見える岩の部分は偽ピークだ、その先には前常念との分岐がありその先が山頂のはずだ。 YMZは快調なペースで登って行くが間が徐々に開き始める、先頭が待つと後ろは安心してペースを余計に落とすので姿が見え隠れする微妙な間隔で後ろを引っ張る。 何とか1時間20分ほどで全員山頂に到着した、山頂からは薄くガスが出始めているが槍穂高連邦のパノラマが目の前に広がっている、雲で隠れる前に記念の写真を撮る。 山頂で昼食と考えていたが山頂部は岩稜で狭く腰を落ち着ける場所も無いので、下ってから昼食にする事にして腰を上げる。 蝶ヶ岳方面への下りはゴロゴロした岩場の下りとなり、常念小屋からの登りに比べ神経を使う、登りと同じ標高差を下るのだが長く感じた、こちら側を登りにしなくて良かったと思う。 最低鞍部まで下った所で昼食にする、槍ヶ岳稜線を見るとガスが薄くなって来て再び顔を出してくれていた、それを眺めながらの贅沢な昼食になった。 ここから今日の行程で残すところのポイントは蝶槍までの200m程の2回の登り返しになる、それとここからはシラビソの樹林帯の道になってくる、登りにかかると昨日からの疲れからか足取りが重くペースも落ちてくる、休みも多くなるが蝶槍までの辛抱と思い一歩づつ歩を進める。 最初の200mを登ったところで腰を下ろして休憩をとる、後から単独の若者が登って来た、WTNが声を掛けると「仙台からですか」と帰ってきた、なぜ判ったかと聞くと名古屋から来たのだけれど仙台出身で実家が仙台との事で、話しかけられたイントネーションでそう思ったとの事だった、少し話をすると昨夜は常念乗越でテント泊したが寒くて良く眠れなかったとの事、今日は蝶ヶ岳泊と言っているので私らが泊るヒュッテに遊びに来るようにと言って別れる。 残す200mの登りを黙々と歩を進め蝶槍に到着する、生憎とガスで周囲の展望は無いがこれで大きな登りがもう無いのでほっとして笑みが出る。 展望も無いので蝶ヶ岳ヒュッテに向う、途中でヒュッテから蝶槍まで散歩に来た人とすれ違い始める、途中の登山道脇(10mほど横)に三角点が有る、気がつかずに素通りする人もいるようだ、この三角点が山頂と言われていた時期も有った様だが今はヒュッテの先の高台が三角点より高い事から今はそちらに山頂の標識がある。 横尾へ下る分岐を右に分け先に進むと方位盤に付く、晴れていればここから槍穂高連峰の山座同定が出来るのだろうが生憎とガスで展望が無い。 方位盤の直ぐ下がヒュッテだ、展望も無いのでヒュッテに入って宿泊手続きを取る、受付で混み具合を聞くと今日は結構混むと言う事なので奮発して個室が空いていれば個室を取ることにする、個室が取れたので案内してもらう、新館の2階奥角部屋で8畳ほどの畳部屋でまだ新しくきれいな部屋だ。 部屋に腰を落ち着けた所でテント場へ途中で会った若者が居るか見に行ってみた、テントを張り終えて荷物を片付けている所だったので片付いたら部屋に遊びに来るように話す。 トイレを確認し(ヒュッテでは日没後はヒュッテ内のバイオトイレの使用が出来るが、日中は外トイレのみの使用となっている)部屋に戻る、夕食までまだ時間が有るので売店でビールを購入し荷物を片付る、若者がやって来たので皆でビールで乾杯し色々と話しに花を咲かせる。 若者は名古屋の大学に少し長く通っているとの事で、登山も最近テントやシュラフを購入し一人で歩き始めた所で、シュラフも夏用で昨夜は寒くて震えていたとの事、さらにバーナー等はまだ持っていないので食事は乾き物(カロリーメイトなど)を食べていたとの事、今晩も同じだと言うので私らの食料(おむすびやパン)を提供してやる事にした。 夜のテントは今夜も冷える事だろう、幸い私らの部屋は貸切個室なので出来るだけこの部屋で寒さを避けていいよと言う。 夕食が終わり部屋に戻る、窓からは真っ暗な中にぽつぽつと槍ヶ岳山荘と北穂高小屋そして西岳ヒュッテの物と思われる明かりが見えた。 消灯の時間になったので羽毛布団(個室は寝具も良かった)に潜りこみ休むことにした。 


大天荘 出発 日の出
朝5時からの朝食を済ませ5時20分には小屋を出ました 日の出は間もなくです、ビューポイントまで急ぎます 雲海から日が昇ります
朝焼け 朝日を浴びて 朝日を浴びて
常念山脈を越えた朝日が槍ヶ岳を赤く染めます 今回のメインイベントの一つ、朝日に焼ける槍ヶ岳をバックに1枚 もう一枚
廃道分岐 横通岳トラバースから 常念岳が目の前に
稜線を進んで行くと、廃道の標識が有り、常念岳へは左の東天井岳の山腹をトラバースする様に下る 横通岳をトラバースして進むと常念岳が近づいて来たが山腹に雲が上がってきている 常念岳が目の前に迫って来たが雲がまとわり付いている
常念岳の全容 常念を前に今日は調子が良さそう 常念小屋
新常念岳の全容が見えました、眼下の常念乗越に赤い屋根の常念小屋 今日一番の常念岳の登りを前に体調は良い様です 常念小屋前のベンチで休憩、お土産の山バッチも買いました
常念の登り 前常念分岐 常念岳山頂
さあ、今日一番の仕事、常念岳の登りです、標高差で400m見えるテッペンは偽ピークで全体の2/3付近 三俣から前常念経由で来る分岐に到着、ここまで来れば急登はほぼ終わり 常念岳の山頂、岩の山頂でそれほど広くありません
槍ヶ岳が顔を出した 山頂の祠 下りは険しい
雲が飛んで槍ヶ岳が姿を見せてくれました、でも穂先の雲は取れなかった 山頂の祠に別れを告げて先に進みます 蝶ヶ岳に向っての下りは足場が悪く結構疲れました
贅沢な昼食 2回目の登り 休み
鞍部に着いて槍ヶ岳を見ながらの昼食 蝶ヶ岳へは後2つの登りが残っている 1つ目を登り終えて休憩、ここで仙台がふるさとのお兄ちゃんと会う
鞍部の池 蝶ヶ岳三角点 横尾分岐
蝶槍への登りの鞍部に池があった 蝶ヶ岳の三角点、前はここが山頂となっていた ガスの中をヒュッテ目指して、ここ上高地の横尾に下る分岐
蝶ヶ岳ヒュッテ前の方位盤 ヒュッテの個室 夜の槍ヶ岳
ヒュッテの前の方位盤に到着、すぐ下がヒュッテになる ヒュッテは3連休で混むとの事なので奮発して個室を取った、個室料は宿泊費と別に1室15000円、写真右は途中で会った仙台出身の兄ちゃん(いいの君) 部屋の窓からは、槍ヶ岳方面のガスは消えて山荘の明かりが見えていた、中央左の明かりは北穂高小屋、相部屋は相当混んだようだが個室はゆったりな上に羽毛の寝具で快適に眠ることが出来た

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