西南海観光鉄道
私説・乗工社盛衰記

・米型ナロー(04/03/07修正)
 一方で、乗工社はこの時期、75年創刊の新しい鉄道模型雑誌「とれいん」誌との関係を深めます。とれいん誌は外国型鉄道模型の紹介にも力を入れており、同誌81年8月号の乗工社広告には、米国・ロッキー山脈のナローゲージラインの車両を模した「リオ・グランデ ミニランドシリーズ」の発売が発表されています。ミニランドシリーズは同時期のTMS誌では触れられていません。ミニランドもPUを利用したACCシリーズで、彼の地の派手なペインティングを再現したデカールも発売されます。「JOE WORKS DESIGN OFFICE」の名で、ミニランドシリーズの工作や米国のナローゲージモデリング事情などを取り上げた連載記事をとれいん誌に掲載したのもこの頃でした。これに先がけ米国のモデラーの団体・NMRAの総会にも出展してミニランドシリーズをアピールしています。同シリーズは、米誌「Narrow gauge & Short Line Gazette」にも好意的に取り上げられていました(同誌掲載記事についてはこちらを参照してください)。

 さて、こうしてとれいん誌との蜜月状態が続いた後、今度は84年に創刊された「レイルマガジン」誌との関係を深めます。同誌創刊号(84年2月号)には編集顧問として乗工社の関係者の名前が見られます。創刊号の「表3」にはカラーの全面広告を打ち、草軽電鉄のデキ12などの発売を予告。また、「JOE WORKS DESIGN OFFICE」の名前でアメリカン・ナローの紹介記事も出ています。3月号には乗工社の名前で、「草軽の車輌達」と題し、草軽電鉄の実物車輌を紹介する記事もありました。現在、確認している29号(86年5月号)まではカラー広告が出稿されています。また、販売方法として郵送や電話で注文を受け付ける「直販システム」の採用が告知されます。一部の広告には小売店向けに卸も受け付ける旨の記載もありました。


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