可視総合光線療法


可視総合光線療法の多彩な作用






1光化学作用 可視総合光線(紫外線)が皮膚内の他の物質に作用し、
 生体中に種々の新しい物質を産生する作用。皮膚内に存在する
 7−デヒドロコレステロールをビタミンDに変換す。ビタミンDは
 腸からカルシウムの吸収を始め、カルシウム代謝を介して生体の
 細胞機能の恒常性維持に重要な作用がある。

2深部温熱 生体への浸透力の大きな長波長の可視線(赤色)と
 波長の赤外線(近赤外線)は、光線照射局所に充血を起こし血
 流を増加させ、患部の血行を改善する。

3生体リズム調整 光のエネルギー(可視線)は眼を通過し網膜に達し、
 その刺激は視神経を介し脳神経に到達する。光刺激は脳の中心付近に
 ある松果体に作用し、メラトニン  (松果体ホルモン)の分泌を調
 節する。メラトニンは脳下垂体に作用し、生体リズム、からだの成熟、
 性腺の周期的活動、高血圧、免疫機能、抗酸化作用など多くの機能に
 作用する。

4鎮痛 深部温熱作用により患部の血流を改善し、プロスタグランジン、
 ヒスタミン、ブラジキニンなどの発痛原因物質をすみやかに除去し、
 鎮痛とともに痛みの原因も改善し、炎症を鎮める作用を発揮する。また、
 痛みの調節機構を刺激して、痛みの閾値を上げる作用によっても鎮痛効
 果をもたらす。

5免疫調節 可視総合光線にはビタミンD、カルシウム代謝を介する免疫調節
 作用がある。多くの原因不明の疾患には免疫異常が関与していることから、
 光線による免疫調節作用の応用範囲は広い。

6消炎(腫脹吸収) 可視総合光線には、鎮痛効果と同時に強い
 抗炎症作用がある。

7肉芽発生 可視総合光線は、創傷部の血行改善とともに創傷部の治癒過程
 をすみやかに進め、種々の細胞を呼び寄せて強靭な肉芽の形成を促し、あ
 らゆる創傷の回復を早める。

8殺菌 可視総合光線(紫外線)は、免疫調節作用に加えて白血球の遊走能、
 食菌能を強化することから感染防御機構を介して細菌感染症の治療、予防
 に効果がある。

9睡眠 可視総合光線は、血行改善と自律神経、内分泌、松果体ホルモンの働き
 を調整し自然な眠りをもたらす。

10食欲・便通 可視総合光線による皮膚、内臓の血行改善とヒスタミン
 などの光産成物質の作用により、消化管の働きが活発になり食欲を増進し、
 便通を良好にする。

11解毒 可視(青色領域)光線は、血中に増加した脂溶性のビリルビンを
 水溶性のビリルビンへ変化させる作用があり、新生児重症黄疸にも利用
 されている。可視総合光線は肝臓、腎臓の機能を活性化し解毒作用を発揮する。

12コレステロール低下 可視総合光線には、脂質代謝を改善し、コレステ
 ロールや中性脂肪を下げる働きがある。

13消痒 可視総合光線は皮膚病によるかゆみだけでなく、種々の疾患による
 かゆみに有効。

14利尿 可視総合光線は新陳代謝を盛んにし、皮下で光産生物質の生成を高め、
 血行と腎臓機能を改善し、特に尿量を増す効果がある。

15筋力・運動機能向上 可視総合光線は、自律神経系、ビタミンD産生を介して、
 副腎皮質ホルモン分泌を促進し、筋力、運動機能を向上させる。

16呼吸機能改善 可視総合光線は、血液循環調節作用と去痰さようにより呼吸
 機能を改善させる。

17神経機能改善 可視総合光線は、光化学作用と温熱作用により神経機能を
 改善させる。

(上記は 「可視総合光線療法 理論と治験」 黒田一明著 
 平成24年2月1日 第8刷、財団法人 光線研究所発行、P4〜P5からの引用です)