大蟻食研究室


この研究室は佐藤亜紀さんの熱烈ファンを自負しております私J.Paulが大蟻食文学の魅力に迫ります。

新刊情報

佐藤亜紀エセー集第一弾
「でも私は幽霊が怖い」
佐藤亜紀・著
四谷ラウンド
¥1600円(税別)
ISBN4-946515-35-6

第二弾【音楽・映画篇】九月刊行予定
第三弾【書評篇】十一月刊行予定

現在、大蟻食さんは、19世紀オーストリアの外務大臣メッテルニヒ(後に宰相)の伝記を準備中です。既に350枚書いたそうで、最終的には千枚を超える大作になるとのことです。メッテルニヒといえば保守反動の為政者としてあまり評判のいい人物ではありません。例えばベートーヴェンも、彼の治世下で歌劇の題材の検閲を受けたり、私的演奏会を監視されたりしています。しかし、あまり知られていないプライベートでの彼は、なかなか興味深いエピソードを残しているようです。「会議は踊る」で有名なウィーン会議の最中も恋愛中で、毎日のように恋文を書いていたそうです。もっとも作品ではほとんどウィーン会議は描かないそうですが。これも面白い趣向です。どんな傑作ができあがるんでしょう。

「小説家の時間」文句のある奴は前に出ろ 渋谷の周辺2KMしか電波の届かないFM RADIO STATION XP (88mhz)の公開生放送を聞いてきました。大蟻食さんと評論家小池真理さんのトークでしたが、夜中の10時半にスタートして終電のなくなる時間までの第一部が終わっても居残る熱心な聴衆を前にして、お二人は二本目の赤ワインに突入。第二ラウンドは、ドストエフスキーの「悪霊」論や笠井潔批判などの後、ついには筆者にも飛び入り質問のご指名がかかり、大蟻食党首に「私のファンクラブの会長のジャン・ポールさん」と紹介されてしまいました。次作として伝記を執筆中の「メッテルニヒは、めめしい男だから好き」という話から、「モンタイユー」(アナール派)の歴史観を自作に反映させてみたかったという執筆動機を語り、次いで「プライベート・ライアン」とホメロスの描いた戦闘シーンの比較をきっかけにお得意の戦争論へと話がすすみました。続いて、小池さんの訴訟の顛末が小一時間続き、最後に現代文学論に話が及びました。現代の小説には我々の現実をとらえる力は残念ながらなく、また、現実をとらえきれない人材だけが小説に流れこんできている、とのことです。例として、司馬遼太郎氏や阿部氏の「インディビジュアル・プロジェクション」を挙げていました。実に4時間の長丁場でした。(98/11/3〜4)

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