格安温泉宿チェーン・三階級制覇への道

 貧乏人の友、格安温泉宿。
 そんな中でも、関東を中心に格安温泉宿を展開する三大チェーンがあるという。
 おおるりチェーン、伊東園チェーン、大江戸温泉物語チェーンという。
 この三大チェーン、いくつかの共通点がある。
 たとえば温泉宿の新築は行わず、経営破綻に陥ったホテルや整理対象のかんぽの宿などを買い取って経営していること。
 コストカットを進め、浴衣はチェックイン時に渡し、布団はあらかじめ敷いておいて居室への案内を行わないこと。
 夕食と朝食はバイキング食べ放題であること。
 むろんチェーンによって違う点もある。
 おおるりと伊東園は首都圏から宿までの送迎バスを用意しているが(時期や宿によって有料だったり無料だったりする)、大江戸は基本的にない(東京から送迎バスが出のは2014年末で日光霧降と塩原のみ)。
 おおるりと伊東園は夕食にビール等の飲み放題がついているが、大江戸は酒類有料。
 おおるりと大江戸は休前日やひとり客は割高になるが、伊東園はひとりでも休前日でも同一料金。
 伊東園と大江戸はフロントの横に漫画コーナーがあって福本伸行のカイジシリーズが並んでいるが、おおるりは本棚がなかった。
 そんな宿を経営する三大チェーンをそれぞれ経験してみました。

その実態

2014.4.27 伊東園ホテル浅間の湯

2014.7.8 鬼怒川ホテルニューおおるり

2014.9.28 大江戸温泉物語石和温泉ホテル新光


 それぞれの宿の精算がこれ。私が実際に支払った料金なので、利用人数やキャンペーンの有無、時期や曜日により変わってくることをお断りしておく。

その勘定

伊東園ホテル浅間の湯
 交通費 無料
 宿泊費 7,344円
 入湯税 150円
 合計 7,494円
 (1人宿泊料金)

鬼怒川ホテルニューおおるり
 交通費 1,000円
 宿泊費 6,750円
 入湯税 150円
 合計 7,900円
 (1人宿泊料金)

大江戸温泉物語石和温泉ホテル新光
 交通費 JR特急使用 8,060円
 宿泊費 8,300円(1部屋2人宿泊の1人分)
 飲み放題 1,300円(クーポン使用で200円引き)
 入湯税 150円
 合計 17,810円
 (2人宿泊の1人分料金)

 こうしてみると、大江戸が他の倍以上に高い。
 もっともこれは半分くらいが交通費だ。
 大江戸でもニュー塩原や日光霧降では、東京から往復2千円の往復送迎バスが出ているので、そちらを利用すれば料金は1万2千円くらいに抑えることができる。
 それだって他2つより5千円も高いじゃないか、と怒る人がいるかもしれない。
 しかし夕食の質を考えるとその差は縮まってくる。
 正直、伊東園とおおるりは、やや欲求不満を感じる夕食だった。
 結局食い直しに街に出たのだが、その費用を考えると5千円の差がなくなってくるのかもしれない。
 まあ私は、浅間温泉でも鬼怒川でも、面白い酒場を見つけたから満足なんだけどね。

 この3大格安温泉宿チェーン、それぞれニーズと客層を考えて利用するのがいいのかもしれない。
 伊東園は一人宿泊でも土日でも割り増しにならない。これを利用して週末のひとり旅が適しているようだ。もっとも私は週末のバイキングを経験したことがないので、どれほどの混雑、どれほどの修羅場になるかは知らない。
 おおるりはチェックアウトが早いが、そのあと大衆演劇が見られる。元気なジジババのグループ旅行に向いているのではないか。
 大江戸は多くの場合、首都圏からの送迎バスがないため、マイカー利用がいいかもしれない。車なら飲み放題つけなくてもいいし。マイカーとなると家族旅行か。子連れではどっちにしろ飲んだくれる余裕もないだろう。


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