プルルルルルル ‥‥ カチャ
「うー、もしもし?」
『シンジ? 外見て! ベランダの外!』
「外? 眠いからあとにして ‥‥」
『あんたまだ寝てたの? あとにできないの! ほら、早くして!』
「うー、分かったよぉ ‥‥」
「わ、あ ‥‥」
「ね、綺麗でしょ?」
「うん、二重の虹なんて、はじめて見た ‥‥」
「起きて来て、よかったでしょ?」
「うん ‥‥ あれ、綾波は?」
「あの娘、いま本部なの。だから、見らんないわね」
「そうなんだ ‥‥」
── ある日曜日の朝、まだ寝ていたい頃の出来事。
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作者コメント。 春眠暁を覚えず、ただ、知らなければ後悔もできないと自分に言い聞かせて。