Genesis y:25.4 言い訳
"A situation in a context"


バタン

「「あ」」
「おはよう」
「「‥‥‥‥‥」」
「二人とも、どしたの?」
「お、おはよ」
「お、おはよ ‥‥」
「‥‥ あのさ、いまさらアスカが碇君家から出て来た位じゃ驚かないけど」
「そう言うだろうと思ったわ、ったく。 このバカシンジの宿題に付き合ってたのよ」
「‥‥ ついこないだまで同棲してたんでしょ?」
「ち、違うよ、綾波 ‥‥、昨夜さ、教えて、って言ったんだけど、朝やろって」
「真夜中よ、真夜中。襲われちゃうわ」
「どんくらいの人が信じると思う?」
「綾波は信じてくれるといいな ‥‥」
「ふうん」
「な、何 ?」
「成長したのねぇ、お母さんは嬉しいわ、なでなで」
「え、えと、綾波」
「なにバカやってんのよ、行くわよっ!」
「あ、まってよアスカ!」

パタパタパタパタ ‥‥


二人がシンジに少し先行して小声で。

「アスカ」
「なによ。誤解だって分かったんでしょ?」
「私は別にね。がんばって説得してまわってね」
「誰を?」
「クラスのみんな。洞木さんとか」
「なんで他の連中が知ってんのよ」
「私が教えてまわるから」
「‥‥ レイ」
「買いもの付き合ってね。あ、別に、出して、なんて言わないから」
「言ってんじゃない ‥‥」
「でも、なんで今さら、って気も、やっぱりするんだけどな」
「‥‥ そういうのとは、やっぱり気分も意味も違うのよ」
「そうなんだ」

── ある水曜日の、学校までの路での出来事。


作者コメント。 言葉にも態度にも出ない、いろいろと複雑なものもある。多分。
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