午後はコンサートなので10時半過ぎに家を出た。新井口から電車に乗って海田市まで30分弱である。安芸区民文化センターに歩いていく途中のホテルの1階に「マクラギ」というレストランがあったのでランチを食べた。720円。さて、コンサートであるが、「あき名曲コンサート、心に残る情景」、ということで、この間のフルートフェスティバルのゲストの小林良子さんが出演する、というので聴いてみようと思ったのである。どうもこのコンサートは毎年やっているようで、運営委員兼出演者にはフルートフェスティバルのコンマスを務めた根石照久氏の名前もあった。ただ、小林良子さんはゲストなので、他にもソプラノやテノールが出演するし、ピアノトリオも入っている。入れ替わり立ち替りで名曲小品を演奏する。入場料も手ごろなせいか、お客さんが多い。殆どがオバサンなのには驚いた。ペア券が安いということもあるのか、ご主人同伴も結構あるし、友達同士で賑やかである。先週のコンサートとの落差が激しい。

      前半はクラシックの小品である。小林良子さんのソプラノは清らかで美しい。シューベルトの「野ばら」、シューマンの「献呈」(クララとの結婚の決意を語ったもの)、ヨハン・シュトラウスの「公爵様、あなたのようなお方は」(「こうもり」から)の3曲だった。「野ばら」の時には近くのおばさんがうなり始めて困ってしまった。よく知っている曲で気持ちが良いので無意識に喉が鳴ってしまうのであろう。「こうもり」からの曲は「あっはっは」という笑い声が高いソプラノで綺麗に響いていて、一番受けていた。演技的な表情も流石にオペラ歌手という感じであった。

      後半は映画音楽であった。ここではもう1人のソプラノの大野内愛さんがなかなか良かった。同じソプラノでも随分声の質が違う。こちらの方が一般的な日本人という感じで、それなりに表現力があって、ポップスには適している。最後の方に「レ・ミゼラブル」からの2曲があって、初めて聴いた。結構深刻な内容の歌と革命歌であった。後半の最初は「マイ・フェア・レディ」から「踊り明かそう」最後は「サウンド・オブ・ミュージックからのメドレー」で、フルートフェスティバルを思い出した。

      根石さんのフルートは特に目立たなかった。無表情に綺麗な音で正確に吹いているだけ、という感じであった。まあ、伴奏だからそれでよいのかもしれない。ところで、パンフレットにあしらわれている椿の絵が素晴らしい。

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