ツワブキの黄色の花

木枯し一号が吹き、初霜や初氷の便りを聞く時期はツワブキの花の咲く時期でもあ
ります。 通りすがりの家の庭に朝日を浴びて黄金色に輝くツワブキの花、また樹木
の暗い陰の中から、はっと驚くような明るい色を見せてくれるツワブキの花が目立つ
ようになりました。 晩秋から初冬の代表的な身の廻りの花ですね。

 ツワブキは海岸等に好んで群生し、日当りの良い場所を好む植物ですが、日陰の場
所でも良く育ち、秋から冬にかけて庭の片隅に黄色い灯をともしたかのように、周囲
をぱっと明るくしてくれる花です。

     わが庭の日陰の石路(つわ)に金の花
         咲きなむ季(とき)を私(ひそ)かに待ち居つ    中村 柊花

 ツワブキは1958年、NHKと植物友の会が全国から募集した「新花ごよみ」で
十二月の花に選定されただけあり、玄関前や庭の植え込みの陰で、初冬、木枯しが吹
き庭の樹木の葉が落ちる頃になると、黄色の花とともに目立ってくる植物です。

 ツワブキの名称の由来は葉の形がフキに似て光沢があることから艶蕗(ツヤフキ)
、艶葉蕗(ツヤハフキ)はどの言葉がツワブキに転じたと、ものの本にはは紹介され
ています。

 昔からのお茶受けに食されていた「きゃらぶき」はこのツワブキの若い茎が原料で
あることも、かつて、この会議室で皆さんと共に勉強して知りました。

 暑い暑いと言っていたのがついこの間なのに、早いもので、もうツワブキが話題に
なる季節になってしまいました。

     今年また冬近づきてつわぶきの
          花にさす日の光(かげ)弱るかも      岡 麓

                           うめだ よしはる

   サルビア
   花ヤツデ
   ハナスベリビユ
   ドウダンツツジ

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