サルビアの赤が冴える頃

サルビアの名で呼ばれている花壇の赤い花は日本名をヒゴロモソウ(緋衣草)のこ
とで、花冠も苞も萼も総てが鮮烈な紅色、昼と夜の温度差が激しくなる今日、この
頃では、その色がひときわ冴えて奇麗な赤を呈してきます。 それに反して庭の草
木は次第に衰えて行くのが対照的です。

      すがれゆくこの狭き庭サルビアの
              立ち残りつつ紅ふかむ     宮 柊二

      サルビアの絢爛として野山錆ぶ         暮 雪

北海道は札幌の大通り公園の花壇のサルビアは昼夜の温度差の激しい地域であるた
めか、とりわけ色がきれいだとされています。 またサルビアは「花壇をはじめ、
博覧会場などの庭づくりをするのに、この花を中心としてこしらえると、何といっ
てもひきたつ。 この紅い色をしのぐ花はない。」といわれるほどに公園の花壇や
ロータリーや道路の分離帯の花壇に多く用いられ、馴染みの深い花です。

最近ではブルーサルビアが園芸種としてもてはやされるようになりましたが、紅い
サルビアがブラジル原産であるのに対してブルーサルビアはメキシコ原産で、日本
へは昭和のはじめに入った比較的新しいものとされています。 庭にプアランター
に植えてブルーサルビアを栽培してみましたが、朝夕に冷え込みが厳しくなった今
では、紅色のサルビアの色が引き立ち、サルビアは紅い種類に軍配が上がります。

皆様のお庭や、お住いの地域の花壇などに見られるサルビアですが、これからの時
期が鮮やかな紅色の見所になりますので、朝お出かけの折りには、ちょっと眼にと
めてあげてください。 9月、10月に咲いていた色に比べて深みのある鮮紅色に
輝いていると思います。

                            うめだ よしはる

   花ヤツデ
   ハナスベリビユ
   ツワブキ
   ドウダンツツジ

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