万葉の歌人、山上憶良の
秋の野に咲きたる花を指折りて かき数ふれば七種の花
はぎの花尾花葛花なでしこの花おみなえし また藤袴朝がほの花
の短歌で知られる秋の七草、あさがほの花と詠まれているのはキキョウとする見方が
有力であり、別にはムクゲ説も有力であったとされています。
秋の七草に数えられているキキョウですが、家の近くでは梅雨の終る頃から花が目
立つって多くなり、青紫色の5裂した花をやや上向きに開く姿と出会うようになりま
す。 キキョウは開いた花も美しい姿ですが、いまや開かんとするふくらんだ蕾の姿
は何とも言えない風情があります。 英名は Chinease bell-flower の名で、花が釣
鐘型と読むか、咲きかけの風情と読むかは分れるところでしょう。
朝近きわがかたはらにふくれんと
してしづかなる桔梗一茎 鈴木 幸輔
ふっくらと桔梗の蕾張りもてり
五つに割れん線くきやかに 池尾満喜子
最近では園芸種も増えて白い花を咲かせるキキョウや、早咲きの種類も多いと言わ
れていますので、家の近くで咲いているキキョウは早咲き種類なのかも知れません。
バルーン・フラワーの名は上の短歌に詠われているような蕾の裂片が縁でくっつき
あってふくれ、今にもはじけようとする様子を表したものですが、こんな洒落た名は
私の持っている辞書にはなく確かめようがありません。
画像として開いたキキョウの花を紹介しました。 膨らんだ風船のような蕾の姿も
観察してください。 別な思いで花を観察できましょう。
うめだ よしはる
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