シュウカイドウの花

 皆様が身の廻りでご覧になられているシュウカイドウ、我が家でも繁茂しています。
「花の色、海棠に似たり、故になづく」といわれているシュウカイドウが玄関からの
日当りが悪くやや湿った道沿いに広がり花を付け始めました。 さしづめ、カバー・
プラントとして雑草が生えるのを防いでくれています。

 ご存知のように、シュウカイドウはベゴニアの仲間で耐寒性が強く、日本の北部で
も越冬出来るただ一つの種類ですので、温室などで管理されている色鮮やかで美しい
花を付けるベゴニアとは区別して和名のシュウカイドウの名で呼ばれています。

 うす緑いろで弱々しい大きな葉をつけるわりには花は小型で可憐、良く佳人に例え
られ、「全形柔軟にして真に美人装いをなせる風姿あり。」などと讃えられています。

 シュウカイドウは漢字では秋海棠、名前からして秋を感じさせる花でもあります。
しかし、昨日、今日の暑さはどうでしょうか。 庭の木の剪定をしていても汗が絶え
間なく流れ、1ー2本の木の手入れをするのが精いっぱいです。 こんな文句も言い
たくなってしまいます。

      さきがけて秋海棠はほの暗き
            道のほとりに咲き秋まだ早し

 増えるのはむかごが地に落ちて芽をだして広がるのですが、球根で越冬した株が翌
年花を付けているようです。 シュウカイドウは葉にも特徴があって、良く見ますと
大きな葉の形は左右が葉の中心線を境にして大小が異り、ほかの植物とは全く違って
います。 こんな葉の形が珍しかったのか、この植物の英名はエレファント・イヤー
直訳すれば(象の耳)になりましょうか。 大きい左右非対称形の葉がよほど印象深
かったのでしょうね。 そんな葉の形からか「秋海棠その葉は何を片思い」と川柳に
詠まれているようです。

 本来ですと、シュウカイドウが咲き始めますと暑い暑いといっても、もう秋の気配
が感じられ、朝夕はめっきりしのぎやすく、涼しくなってくるのでしょうが、まだ咲
き始めたばかりですから、当分は「暑い、暑い」と言って過ごすようです。

      うつくしき秋海棠の茎の間に
           くれなゐさすは涼しくもあるか     尾上篤二郎

 こんな思いには、程遠い暑さです。 今までがやや涼しかっただけに、急な気温の
上昇には、まだ身体がついて行けないようです。

                            うめだ よしはる

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