白いツキミソウの花が咲きました

庭に花としてサツキばかりが目立つ時期ですが、3年前に種を分けていただいて育
ててきたツキミソウが今年も白い花を夕方から咲かせています。

 ものの本によるとツキミソウは北アメリカ原産で薄暗くなってから花を開くのでこ
の名があるとされています。 江戸時代に日本へ入ってきたものですが、今ではすっ
かり減ってしまい野性では見ることが出来なくなったとあります。 また、牧野博士
によると「・・この品世間に多からず、また自生の姿を呈することなし。 花しぼめ
べばすなわち花弁紅色を呈す。・・・」とあり、植物図鑑でも「月見草の意味で花弁
が白く、夕方に開花するもので、これを夕月にたとえて呼んだのである」と記してあ
ります。

 一般にツキミソウというと、北アメリカ原産のオオマツヨウグサをさすことが多く
、これは明治の中頃にに日本へ入って来たもので海岸や河原などの地を好み、大きな
黄色の花を咲かせ、ぽっかりと闇に浮かんで見応えがあるとされています。 

    まてどくららせどこぬひとを
    宵待草のやるせなさ
    こよひは月もでぬそうな

は、よく知られた竹下夢二の「宵待草」の歌であり、宵待草は、この大きな黄色の花
を付けるオオマツヨイグサのことだといわれています。 しかし、この花も今では殆
ど見られなくなり、代わって明治時代に北アメリカから渡来し、やや小ぶりの花をつ
けるアレチマツヨイグサが全盛を誇っています。

 話しをツキミソウに戻しますと、夕方咲いた白い花も朝になると花を閉じるにつれ
て紅色をさし始め、正午過ぎには花を閉じて薄紅色を呈しています。 こんな花の色
の変化を小平市でツキミソウを20年も育てている方が、

      月見草昨夜(よべ)には白く咲きたるが
            花がら紅にはやかはりたる      高中 静美

と詠んでいますが、良く観察をされて良い短歌と思い紹介させていただきました。

                            うめだ よしはる

   ツユクサとオオボウシバナ
   雨に映える花々
   キョウガノコ
   純白のシャクナゲ

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