UP CoffeeBreak(57)
作成日:2004/08/09

第6回ROBO-ONE

何故か夏の恒例になってしまった第6回ROBO-ONEを見に行ってきました。
冬のROBO-ONEには最初の一度しか行ってませんが、夏のROBO-ONEは第2回以降連続3回目ということになります。

8月8日に川崎(川崎市産業振興会館:入場無料)で決勝戦が行われ、1時過ぎに行ったときには、ちょうど決勝の1回戦が終わった休憩時間中でした(これも昨年と一緒?)。
ギャラリーは昨年よりもちょっとだけ立ち見が増えて多めかな。
それよりも今年は対戦表が既に無くなっていたのが痛かった。

■今年はマジンガー

さて今年のROBO-ONEは永井豪先生をゲストに迎え、2台のマジンガーZによるエキシビジョンも行われるというサービス満点の試みも行われ、さぞや永井先生も戸惑われたことでしょう(笑)
これに出場したマジンガアはお馴染みのマシンなんですが、以前よりも機体が小さく感じる...錯覚か?
残念ながらマジンガアは既に敗退していて、マスタースレーブ方式の派手なアクションは少ししか見られませんでした。
マジンガア 右から二人目が永井豪先生
マジンガア マスタースレーブによるアクション(人)

ところで、最初この入力方式を見たときは、「次からはこれだ」と書いた記憶があるんですが、意外と増えてないようです。
やはり操縦よりも機体に金がかかってしまうためか?
まぁ確かに今回のバトルの決め技の一つである前転からの両足キックなんて、マスタースレーブだと入力に無理があるのは確かだけど。

■戦い方の変遷

今年の攻撃で一番目立ったのは「前転からの両足キック」。
これはかなり有効なようで、上位陣ではこの技(相当高度)が使える機体が多かったです。
これはアジア大会の際に韓国勢が使ってから流行っているらしいのですが、ただ、逆に上位陣はこれをくらっても耐える機体も多く、決着がつかない試合もありました。

逆に、単純なパンチ、という試合は少なかった。
やはり機体の体重を載せないと相手が倒れないということか。
腕を振り回す(裏拳?等)、というのは結構有効なようで、特に相手を引き倒す、と裏拳はダウンを取ってました。
圧巻だったのは、前回優勝の九州大学ヒューマノイドプロジェクトの2325-RV。
巨体を利用して相手の上から引っ掛けるパンチ(すみません、表現が難しいんです)は、安定した機体だったこともあり非常に効果的に相手をダウンさせていました。

今回は韓国勢が非常に優秀だったのですが、韓国ではバトル重視ということもあり、技が豊富だったようです。
「前転からの両足キック」(以前、2325が側転して攻撃していた記憶があるんですが、前転の方が安定した攻撃ができるのかキックはこれが主流)もそうなんですが、一番の大技はTAEKWON-V(確かこの機体だったハズ)の「開脚からの浴びせ蹴り」。
片足立ちで足を大きく開いてからのキック(踵落とし、になるんだろうか)は、高速で行われると一瞬何が起きたか分からないくらい速く、(見た目に)強烈です。
ベスト8によるランブルで、勝ち残った2台のウチ、聴衆の指示を得て勝ったのもこの積極的な技のせいでしょう。
ただ、この技は自機にもダメージがあるらしく、あまり使われなかったのは残念です。

後、名前は忘れましたが、急に全身を直立させて相手に倒れこむ、という技?もありました(これも韓国勢)。
結構相手からダウンを取ってましたが、失敗して自爆しても「攻撃ダウン」ということでダウン(1ラウンド3回で、そのラウンドは負け)にはならないですし、最近のロボットは倒れただけではダメージを受けないようなので頭脳プレーなのかもしれませんが、要は単に相手に倒れこんだだけなので、次回からはせめて両者ダウンという扱いにして欲しいですね(今回は、相手はダウン、自分は攻撃ダウン)。

それにしても、1年でこんなに攻撃方法が変わるんですねぇ。
来年の大会には、どんな攻撃が主流なんでしょうか?
まさかトップロープからの...あっロープがないか。

■2連覇

結局、九州大学の2325-RVが優勝を飾り2連覇を達成しました。
もともと高速動作で楽しませてくれるチームで、A-DO(今回は1回戦負けで見られなかった)と共に何かと話題を提供してくれるのですが、今回は内輪!
2回戦に残った機体では最も大きく重い機体。
どうもサーボモータに負荷をかけ過ぎているらしく、何かすると直ぐ内輪で扇いで冷却。
今回A-DOが早々と敗退しただけに、場内の笑いを一身で取ってました。
昨年まで、操縦ミスによる自爆がウリ?のチームだったので(いや機体も良かったんですよ)、新たな伝説を作ったと言えるでしょう。
ただ、個人的には昨年の機体の方がバランスに優れていたような気がするので、ちょっと進化の方向を間違えたみたいで残念です。

■その他

これまでの大会では、司会者によるマイクパフォーマンスが場内を盛り上げてましたが、今回はそれに加えて場内に投影されているプロジェクタに表示されるチャットもどきの高速超辛口コメントが受けてました。
ちょっとその内容は辛口すぎて後からは書けない内容(2325-RVの冷却中ネタ等)が多くて残念ですが、これはこれからも続けて欲しいパフォーマンスですね。

後、ついにチャンピオンベルトが作成されました。
相当巨大なベルト(ロボット用としては)で、サーボモータ100個分の制作費だそうです(K−1なんかのチャンピオンベルトを作っている会社さん)。
表彰式は見なかったんですが、2325-RVはあのベルトを巻いたのでしょうか?

なお、今回はモノの値段を示すのにサーボ(モータ)が使われてました。
チャンピオンベルト100サーボ等。
場内で相当受けたのは、やはり皆さんサーボには苦労させられているということなんでしょうか。

■終わりに

毎回(私の場合1年おきですが)予想以上の進化を続けるROBO-ONE。
単純にサーボの良し悪しで勝負が決まるような方向ではなく、技術とアイデアを昇華させた上で+αのエンタテイメント性を保持できるような大会に進化を続けてくれたらなぁ、と思います。
今回協賛の20世紀フォックスの「I,Robot」(アジモフ原作...とは言い難いけど)に負けない進化を期待しつつ、来年もまた必ず行こうと誓うのでした。

■リンク
ROBO-ONE公式サイト
第1回 ROBO-ONE
第2回 ROBO-ONE
第4回 ROBO-ONE

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