東山道武蔵路 その2国分寺市の旧国鉄中央学園跡地で発掘された東山道武蔵路の遺跡の特徴として、道路の4期にわたる変遷や構造が明らかになったことが上げられます。もともと道路遺構の発掘は考古学でも難しいものといわれています。道路は長期間使用され続け、風雨にさらされ浸食や変形を受けやすく、そしてその使用目的から人、馬、車などが走行し路面を削ります。長い年月によって使用されるために、周辺から遺物が混入しやすく、ぬかるんだ路面では遺物が路面の下部に沈み込みます。そのような事柄などから一概に路面の遺物から年代測定は困難を極めます。そのような道路遺構にも拘わらず4期もの変遷を確認できたことは当事者の努力の賜物といえるのではないでしょうか。またこの遺跡の北側でJR中央線を越えた地点(西恋ヶ窪の姿見の池跡地付近)では湧水地に配慮した道路の特殊な構造が判明するなど、調査例が少ない古代道路の研究に貴重な資料を提供しています。
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