開水路の流れとは?
○ 開水路の流れとは、水面が大気に接している、つまり、自由表面(水面)を持つ流れのこと。
○ 高い位置から低い位置へと水の重量だけで流れ、水路床の勾配により流れている。
○ 管水路の場合でも、下水道管の流れのように、管全体に水を満たしていない流れは開水路として扱う。
図−1のように、横断面内で流速の等しい位置を等高線のように結んだ線を、等流速分布図という。
(図−1) 等流速分布曲線 (図−2) 鉛直流速分布曲線
流速は、水路壁や水路底との摩擦や水の粘性による内部摩擦の影響を受ける。最大流速は、摩擦の影響の小さい位置、すなわち、水路壁や水路底から一番遠い中央水面に生ずることとなるが、空気の抵抗があるので(図−2)のように、一般に水面より少し下方に生ずる。
最大流速は、水平方向では中央に、鉛直方向は、水面より少し下で生ずる。
現場の実測から平均流速を求める方法
図−1の曲線を鉛直流速分布曲線という。この図でVmは平均流速を示している。
現場で流速計を使用して実際の流速を測定し平均流速を求める場合は、次式から求める場合が多い。
1点法 水深の6割の深さの流速を測定し、その値を平均流速とする。
(5-1-1)
2点法 水深の2割と8割の深さの流速を測定し、その値を平均流速とする。
(5-1-2)
3点法 水深の2割と6割、8割の深さの流速を測定し、その値を平均流速とする。
(5-1-3)
等流の流れとは?
○ 等流とは、水路のどの場所でも流積と流速が同じ流れで、水路の幅、水深、流量が一定となる流れのこと。
○ 実際の開水路では、このような流れは存在しないが、人工水路などでは、近似的に等流とみなせることが多い。
開水路の等流計算にはManning(マニング)の公式がよく用いられる。
平均流速 (5-1-4)
流量 (5-1-5)
径深 (5-1-6)
ここで、各記号は次のことを示しています。
Q:流量
V:平均流速
n:粗度係数(水路壁面、底面の粗さを示す値で、水路の材質や状態により異なる。)
S:潤辺(水路断面において、水が周囲の壁や底と接する長さ。)
A:流積(水路における流水の断面積)
R:径深(水理学的平均水深とも言う。 流積を潤辺で割ったもの)
I:動水勾配 hf/L (hf:エネルギー損失 L:水路延長)
但し、等流では、動水勾配=水面勾配=水路床勾配であるので、計算には水路床勾配を用いることが多い。
長方形 | 台形 | 円形 | |
断面形 | |||
流積A | |||
潤辺S | |||
径深R | |||
水面幅B | あるいは |
||
水深H |