捏造問題連絡船 過去ログ3(No.201〜300)

総目次  


ログ3目次

[201] Re: 学生社は知らないでしょうか? bambi 2001年5月9日 09時27分
[202] 検証調査(報道)への疑念 北條芳隆 2001年5月9日 11時08分
[203] Re: 検証調査(報道)への疑念 トンビ 2001年5月9日 13時08分
[204] Re: 学生社は知らないでしょうか? 杜の住人 2001年5月9日 20時55分
[205] Re:手順を大切に 早傘 2001年5月9日 21時03分
[206] Re: 検証調査(報道)への疑念 北條芳隆 2001年5月9日 21時19分
[207] Re: 検証調査(報道)への疑念 杜の住人 2001年5月9日 21時23分
[208] Re: 検証調査(報道)への疑念 杜の住人 2001年5月9日 21時29分
[209] Re: 検証調査(報道)への疑念 北條芳隆 2001年5月9日 22時13分
[210] Re: 疑念の撤回とお詫び 北條芳隆 2001年5月9日 22時23分
[211] Re: 検証調査(報道)への疑念 早傘 2001年5月9日 22時48分
[212] Re: 検証調査(報道)への疑念 杜の住人 2001年5月9日 22時54分
[213] Re: 杜の住人さまへのお礼 北條芳隆 2001年5月9日 23時22分
[214] Re: 小鹿坂遺跡の件 早傘 2001年5月9日 23時24分
[215] Re: 早傘さまへのお詫び 北條芳隆 2001年5月9日 23時52分
[216] Re: 振り回されないようにしましょう 岡安光彦 2001年5月9日 23時52分
[217] ありがとうございました。 ash 2001年5月10日 00時15分
[218] 2、3教えてください。 ash 2001年5月10日 00時17分
[219] Re: 質問 MT 2001年5月10日 00時46分
[220] Re: 振り回されないようにしましょう 早傘 2001年5月10日 01時04分
[221] Re: 質問 杜の住人 2001年5月10日 07時44分
[222] Re: Re:手順を大切に トンビ 2001年5月10日 10時15分
[223] 座談会でした。 ash 2001年5月11日 00時18分
[224] 多摩ニュータウンの調査結果発表 ash 2001年5月11日 00時44分
[225] シンポジウム bambi 2001年5月11日 17時34分
[226] 『はじめて出会う日本考古学』有斐閣が絶版 ash 2001年5月12日 01時00分
[227] Re: シンポジウム ash 2001年5月12日 01時13分
[228] Re: 多摩ニュータウンの調査結果発表 ash 2001年5月12日 01時28分
[229] Re: 『縄文の生活誌』買うなら今? 早傘 2001年5月12日 02時24分
[230] Re: 『縄文の生活誌』買うなら今? 大学生 2001年5月12日 03時59分
[231] 一斗内松葉山遺跡の発掘調査 杜の住人 2001年5月13日 10時11分
[232] 上宝テフラ koyugun 2001年5月13日 12時46分
[233] Re: 『縄文の生活誌』買うなら今? 早傘 2001年5月13日 21時45分
[234] 情報局に佐々木藤雄氏の論評を転載 早傘 2001年5月13日 22時00分
[235] Re: 一斗内松葉山遺跡の発掘調査 MT 2001年5月14日 02時36分
[236] Re: 歴史評論5月号 MT 2001年5月15日 03時16分
[237] 資料がアップされています 早傘 2001年5月15日 07時41分
[238] 御案内です 賀川真 2001年5月16日 23時48分
[239] 疑問氷解 ash 2001年5月17日 01時23分
[240] Re: 一斗内松葉山遺跡の発掘調査 ash 2001年5月17日 01時36分
[241] Re: 御案内です 早傘 2001年5月17日 20時42分
[242] 考古学協会総会5/20公開討論会 MT 2001年5月18日 08時26分
[243] 「古代ゾウは疑問」日経社会面に 元企業技術者y 2001年5月19日 17時24分
[244] 関連書籍新刊 大学生 2001年5月19日 19時36分
[245] 毎日スクープ舞台裏 早傘 2001年5月20日 01時58分
[246] Re: 考古学協会総会5/19 早傘 2001年5月20日 02時03分
[247] Re: 毎日スクープ舞台裏および余分の話 MT 2001年5月20日 03時56分
[248] ウェブサイトはこちら ash 2001年5月20日 04時39分
[249] Re: 毎日スクープ舞台裏 ash 2001年5月20日 05時00分
[250] Re: 毎日スクープ舞台裏 早傘 2001年5月20日 07時08分
[251] Re: 毎日スクープ舞台裏 ash 2001年5月20日 23時45分
[252] 2ちゃんねる関連スレッド ash 2001年5月20日 23時59分
[253] Re: 毎日スクープ舞台裏 早傘 2001年5月21日 00時25分
[254] Re: 2ちゃんねる関連スレッド 早傘 2001年5月21日 00時29分
[255] あのさ ash 2001年5月21日 00時51分
[256] Re: 2ちゃんねる関連スレッド ash 2001年5月21日 00時52分
[257] 『週刊新潮』2001年5月24日号 ash 2001年5月21日 00時53分
[258] 考古学協会総会5/20 MT 2001年5月21日 04時15分
[259] Re: 毎日スクープ舞台裏および余分の話 トラ 2001年5月21日 21時27分
[260] 余分の話のおわび MT 2001年5月21日 21時36分
[261] 原人の「拇指対向性」 ash 2001年5月22日 01時51分
[262] Re: 原人の「拇指対向性」 ash 2001年5月22日 03時00分
[263] Re: あのさ TIS 2001年5月22日 10時47分
[264] Re: あのさ 早傘 2001年5月22日 22時30分
[265] Re: 原人の「拇指対向性」 早傘 2001年5月22日 22時38分
[266] Re: 『週刊新潮』2001年5月24日号 早傘 2001年5月22日 22時47分
[267] Re: 毎日スクープ舞台裏 早傘 2001年5月22日 23時16分
[268] 歴史評論6月号 MT 2001年5月23日 22時49分
[269] Re: 歴史評論6月号 早傘 2001年5月23日 22時59分
[270] Re: 歴史評論6月号 MT 2001年5月23日 23時39分
[271] 協会HP 大学生 2001年5月24日 01時58分
[272] 文化財科学学会 koyugun 2001年5月25日 02時00分
[273] Re: 考古学協会総会5/20 早傘 2001年5月27日 01時16分
[274] 新大陸への人類移住 早傘 2001年5月27日 01時59分
[275] Re: 原人の「拇指対向性」 anoguchi 2001年5月27日 13時05分
[276] Re: 原人の「拇指対向性」 早傘 2001年5月27日 19時02分
[277] 特別委員会の検証活動 杜の住人 2001年5月28日 22時48分
[278] Re: 特別委員会の検証活動 MT 2001年5月29日 01時29分
[279] Re: 検証って 図書館通い 2001年5月29日 19時25分
[280] Re: 特別委員会の検証活動 杜の住人 2001年5月29日 23時28分
[281] Re: それぞれの検証活動 図書館通い 2001年5月30日 12時18分
[282] Re: それぞれの検証活動 杜の住人 2001年6月1日 00時20分
[283] Re: 検証って(その2) 図書館通い 2001年6月1日 20時22分
[284] Re: デザイン 図書館通い 2001年6月1日 20時29分
[285] 捏造問題とかながわの旧石器研究 早傘 2001年6月2日 09時52分
[286] 文化財科学学会の全日程 koyugun 2001年6月3日 01時13分
[287] Re: 文化財科学学会の全日程 元企業技術者y 2001年6月3日 04時59分
[288] 多くはおられません koyugun 2001年6月3日 18時11分
[289] Re: 学会名 早傘 2001年6月3日 23時25分
[290] Re: 学会名 koyugun 2001年6月4日 00時21分
[291] Re: 文化財科学学会の全日程 太田浩司 2001年6月4日 12時43分
[292] 最近の情報onWEB 早傘 2001年6月5日 00時21分
[293] Re: 最近の情報onWEB MT 2001年6月5日 00時50分
[294] Re2: 最近の情報onWEB 早傘 2001年6月5日 01時33分
[295] 文春からの回答は? bambi 2001年6月5日 05時09分
[296] Re: 文春からの回答は? 賀川真 2001年6月5日 10時18分
[297] 日本人類学会大会 早傘 2001年6月5日 21時29分
[298] Re: 文化財科学学会の全日程 元企業技術者y 2001年6月5日 21時30分
[299] Re: 文化財科学会 早傘 2001年6月5日 22時28分
[300] Re: 文化財科学会 koyugun 2001年6月5日 23時02分


[201] Re: 学生社は知らないでしょうか?
投稿者名: bambi
投稿日時: 2001年5月9日 09時27分


杜の住人さん、こんにちは。
以前、青森かさとうさんの所でお目にかかったような…

非公開のシンポジウムって、要は座談会みたいなものですか?
シンポジウムって、そもそもが、「複数の考えを述べ合い、司会者や
聴衆と質疑応答も交わす討論会。」との辞書の定義があるのですが、
この場合、非公開っていうことは、聴衆はいたのかどうか不明ですね。


[202] 検証調査(報道)への疑念
投稿者名: 北條芳隆
投稿日時: 2001年5月9日 11時08分


 掲示板への書き込みを自粛しておりましたが、黙っておれません。
 新聞報道を読む限り、問題の焦点になっているのは石器表面の状態や、以前の発見場所からの「近さ」ばかりのように見受けられます。これら報道されている所見が今回の主要な「成果」の概要であったとしたら、現場での検証作業はほとんどおぼつかないと判断せざるを得ません。どこからどのような状態で発見されたかといった最低限の事実関係を押さえなければ発掘調査と呼べない考える同業者の一人として、信じ難いというのが正直な感想です。まさか発掘調査の経験の浅い方々が調査指導しているのではないでしょうね。記者発表内容からの欠落があるのでしたら、どなたかお教え下さい。


[203] Re: 検証調査(報道)への疑念
投稿者名: トンビ
投稿日時: 2001年5月9日 13時08分


もしよかったら、調査報道の具体的にどの部分に、北條様が疑問をお持ちなのか、
明示していただけるとありがたいです。

毎日の記事は今読めなくなっていましたが、少なくとも、読売には、石器が長期間存在した場合に出きるはずの凹凸を問題にしており、石器表面の状態だけを問題にしているようには、私には読めませんでした。毎日の記事もほぼ、同内容であったと記憶しています。


[204] Re: 学生社は知らないでしょうか?
投稿者名: 杜の住人
投稿日時: 2001年5月9日 20時55分


聴衆はいません。
おっしゃるようにシンポジウムという名称は不適切かもしれません。
司会者と参加者が一室に集まって旧石器時代の主要な問題点について議論を進め、学生社が記録するという形だと思います。


[205] Re:手順を大切に
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月9日 21時03分


「心に太陽を 唇に歌を持て」と唱ったはドイツの詩人だそうだが、トンビさんには次の言葉を贈りたいと思う

心に耳を 口に矢を


[206] Re: 検証調査(報道)への疑念
投稿者名: 北條芳隆
投稿日時: 2001年5月9日 21時19分


 現場の保全、つまり石器が土から顔を出した状態のまま、それ以上は一切の手を着けずに置いておき、周囲の状況を入念に検討しつつ以後の進め方を決定してから、周囲を慎重に掘り下げ、石器を取り上げるというのが発掘調査の常道です。
 特に今回の場合には、調査地が本当の意味での旧石器時代の遺跡なのか、あるいは藤村氏が埋め込んだ、いわば「犯行現場」にあたるのかを見極めることが最大の眼目なのですから、上記の点は絶対に踏まえなければなりません。
 そして、この種の再調査の場合、石器が出土しなかったときよりも、出た場合の取り扱いのほうがはるかに難しいことは誰にでも予想がつくことだと思います。可能性としては、たとえ「犯行」現場の1センチ隣であったとしても、本当の意味での旧石器時代に廃棄された石器が見つかることだってありうるからです。その点を吟味するためにも現場の保全は不可欠で、顔を出した時点から、その石器1点を取り上げる作業だけに1ヶ月を費やしたって、決して時間や金の無駄だとは思えません。なにせ多くの研究者の研究者生命がかかっているだけでなく、日本考古学それ自体の信頼度が問われているのですから。
 したがいまして、たとえば作業員の方が「あそこからこんな物が出たよ」といって、自ら掘り出した石器を調査員に示すような調査では失格なのです。取り上げた後に通常は残るはずの石器のスタンプ(土に残る輪郭の型)が無いなどという程度の出土状況の所見では、犯行の証拠だてとしてはきわめて不十分なのです。仮にもそのような調査であったとしたら、もっとも肝心の現場の状況は永久に葬り去られてしまったことになります。2度目のやり直しはきかない発掘調査だからこそ、この点は強調してし過ぎることはありません。石器の出土地周辺をウレタンでパックして切り取って持ち帰り、屋内で慎重に再調査するという選択肢だってありえたはずです。
 ともかく、発見された2点の石器が、ともに穴を掘ったのちに埋められたものなのか(穴が確認されること自体、旧石器時代の場合には希有のことでしょうから、その場合には「犯行」の可能性が高くなります)。もしそうだとしたら、どの地層から掘り込まれたどの程度のサイズの穴なのか、あるいは横から押し込まれたものなのか、穴を埋める土の状態は入念にふるわれて均質な堆積なのか、はたまたブロック(土の小さな塊)状の斑状堆積なのか(掘ってすぐに埋めた場合には通常こうなります)。これらの点を観察することによって、遺跡なら遺跡の、犯行なら「犯行」状況の物的証拠を押さえなければなりません。そしてこれらのことは通常の発掘調査でも求められている最低限の水準だと思います。
 しかし新聞記事を読む限りでは、こうした現場のもっとも肝心な部分の所見がみあたらず、保全状況も不明で、いきなり掘り出された石器の表面の付着物が問題にされているかのような専門家のコメントだったものですから、首をひねらざるをえなかったわけです。発表を受けたマスコミ側の認識不足であると信じたいのですが、この点がわかりません。
 トンビさま、以上のような理由から、私は今回の新聞報道に疑念を呈した次第です。


[207] Re: 検証調査(報道)への疑念
投稿者名: 杜の住人
投稿日時: 2001年5月9日 21時23分


一斗内松葉山遺跡の発掘調査では、石器の出土層位、出土状況の把握には
細心の注意を払っています。

・出土層位は年代測定の結果が判明しているパミス総の直下で、かつて断面採集され  た層位と同じ。
・出土状況は出土層位上に石器の圧痕がなく、石器出土面に人為的な層の攪乱が認め  られる。
・石器の先端のみが土につきささっており、その他の面は接地しておらず浮いた状態  になっていた。
・石器には周辺の層を構成する土とは明瞭に違う土が多く付着していた。等々

 以上が調査所見、委員会見解の概略で、いずれも慎重な検討の結果発表されたものです。指導委員会には私の知る限りでは渡邉一雄福島県考古学会会長、藤原妃敏福島県立博物館学芸員、工藤雅樹福島大学教授、柳田俊雄東北大学教授、鶴丸俊明札幌学院大学教授の諸氏が参加しています。他の方もいらっしゃると思います。
 新聞報道は発掘調査の全体像をつたえようとしたものでなく、きわめて選択的に構成されています。付着の土やキズなどはこれまでの論議でしばしば登場したため、主要な情報として選択され、その他の情報は捨象されてしまった可能性があります。
 新聞情報があらかじめ想定される結論や特定の価値観のもとに情報が意図的に構成されてしまうことはしばしば経験するところです。
 第一報として発信される新聞情報をそのまま前提にして調査の不備や指導体制の未熟さを示唆するのはやや早計ではないかと思います。これでは調査にあたっている人々が救われません。ご一考をお願いします。
 


[208] Re: 検証調査(報道)への疑念
投稿者名: 杜の住人
投稿日時: 2001年5月9日 21時29分


レスを欠いている最中に北条氏の書き込みがありましたので、補足します。
出土状態は保全されています。本日現地説明会はあり、
明日現地公開が予定されているはずです。
取り上げをどうするかは指導委員会の考え方によると思います。


[209] Re: 検証調査(報道)への疑念
投稿者名: 北條芳隆
投稿日時: 2001年5月9日 22時13分


 杜の住人さま、有益な情報をいただきありがとうございました。たとえ同業者とはいえ、新聞報道しか情報源がない場合、しかも今回のような報道内容に接した場合には、失礼ながら先に書き込みましたような疑念を抱かざるをえなかった次第です。早々にご指摘いただき感謝いたします。そして安心いたしました。それとともに、先の私の性急な書き込み内容を恥じ入ります。非礼をお許しください

 以下は、非礼に非礼を重ねることになりますが、事実関係をお教えいただければと思い、質問させていただきます。

> ・出土層位は年代測定の結果が判明しているパミス総の直下で、かつて断面採集された層位と同じ。
> ・出土状況は出土層位上に石器の圧痕がなく、石器出土面に人為的な層の攪乱が認められる。
> ・石器の先端のみが土につきささっており、その他の面は接地しておらず浮いた状態になっていた。
> ・石器には周辺の層を構成する土とは明瞭に違う土が多く付着していた。

 2番目と3番目の項目が現場における「不自然さ」を示す状況証拠となるものと考えますが、1番目の所見からみて上からの埋め込みではありえないことになるのでしょうから、これが旧石器時代の廃棄でないとするならば、地層の露出した断面から横に押し込まれた状態を想定するしかないと思うのですが、そう判断してよいのでしょうか。また「石器出土面」に認められたとされる撹乱は、調査時に石器を完全に覆っていたのでしょうか。もしそうだとしたら、若干の穴を(横ないし斜めに)掘り込んだ状態で石器を突き刺した可能性がうかがえることになりますが、その点はいかがでしょうか。要は撹乱層中の出土なのか、出土地点のごく近辺に(関係性は絞り込めないものの)撹乱が認められたのかを知りたいのです。
 また3項目めの意味は分かりかねます。断面に石器が突き刺さり、周囲は空洞だったとも、また露出状態だったとも受け止められるのです。もし露出状態だとしたら、撹乱との関連も不明になってしまいます。

 事実関係をお教えいただければ幸いです。


[210] Re: 疑念の撤回とお詫び
投稿者名: 北條芳隆
投稿日時: 2001年5月9日 22時23分


 書き込み中に再度レスをいただき、前回が不適切だったことを認識しました。現場の保全が完璧である事実と、取り上げが問題になっていると知るにおよび、これまでの3回にわたる私の書き込み内容、疑念はほぼ完全に解消いたしました。
 調査関係者の皆様に妙な言いがかりをつけた格好になりました性急さを心からお詫びいたします。誠に申し訳ありませんでした。 


[211] Re: 検証調査(報道)への疑念
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月9日 22時48分


北條さん今晩は。レスを記述中に撤回発言があったので、手直しして投稿します。修正もれがあったらばご勘弁を。

西日本は以前から前期旧石器への関心が薄く、マスコミの扱いも小さいそうですから、それが誤解の原因でしょうか(遺跡報道の実態については先月、明治大学考古博物館での宮代栄一氏の講演で多くを学びました)。まずはせっかく紹介したリンク先を御覧いただきたかった (^^;

[202]が投稿された時点ではさらに

ねつ造問題・福島の遺跡 出土石器「極めて不自然」(河北新報5月8日)
http://news.yahoo.co.jp/headlines/khk/010508/loc_news/08450000_khknws014.html

一斗内松葉山遺跡、「灰色」から限りなく「クロ」(毎日新聞5月8日朝刊福島版)
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/iseki/200105/08-2.html

が容易に見ることができる状態でしたし、その後も続々、記事があがっています

福島・一斗内松葉山遺跡、「石器埋めた証拠」判明 /U字形の掘り跡、調査委調べ(毎日新聞5月9日夕刊 *東京本社版では1面トップ)
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/iseki/200105/09-1.html

一斗内松葉山遺跡:発見状況の不自然さなど推論 現地説明会 (MainichiINTERACTIV ジャンル別速報 5月09日20:46 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20010510k0000m040084000c.html

一斗内松葉山遺跡:「掘って石器埋めた際の痕跡」と町教委見解 (MainichiINTERACTIV ジャンル別速報 5月09日21:40 )
http://www.mainichi.co.jp/news/flash/shakai/20010510k0000m040115000c.html

「掘って石器埋めた際の痕跡」 (MainichiINTERACTIV photoジャーナル 5月09日 )
http://www.mainichi.co.jp/news/journal/photojournal/today/10-04.html


[212] Re: 検証調査(報道)への疑念
投稿者名: 杜の住人
投稿日時: 2001年5月9日 22時54分


> > ・出土層位は年代測定の結果が判明しているパミス総の直下で、かつて断面採集された層位と同じ。
> > ・出土状況は出土層位上に石器の圧痕がなく、石器出土面に人為的な層の攪乱が認められる。
> > ・石器の先端のみが土につきささっており、その他の面は接地しておらず浮いた状態になっていた。
> > ・石器には周辺の層を構成する土とは明瞭に違う土が多く付着していた。
>
>  2番目と3番目の項目が現場における「不自然さ」を示す状況証拠となるものと考えますが、1番目の所見からみて上からの埋め込みではありえないことになるのでしょうから、これが旧石器時代の廃棄でないとするならば、地層の露出した断面から横に押し込まれた状態を想定するしかないと思うのですが、そう判断してよいのでしょうか。

その通りです。現場は斜めにカットされた土層が露出しており、石器はその斜面を清掃中に発見されたようです。


また「石器出土面」に認められたとされる撹乱は、調査時に石器を完全に覆っていたのでしょうか。もしそうだとしたら、若干の穴を(横ないし斜めに)掘り込んだ状態で石器を突き刺した可能性がうかがえることになりますが、その点はいかがでしょうか。要は撹乱層中の出土なのか、出土地点のごく近辺に(関係性は絞り込めないものの)撹乱が認められたのかを知りたいのです。

土層の攪乱は石器の下に確認されました。攪乱の内容は刃物で土層が削りとられたような痕跡です。(毎日新聞の報道でかなり詳細な記述があります。)

>  また3項目めの意味は分かりかねます。断面に石器が突き刺さり、周囲は空洞だったとも、また露出状態だったとも受け止められるのです。もし露出状態だとしたら、撹乱との関連も不明になってしまいます。
>

私の集めた情報を総合すると、露出していた土層に断面三角形状の掘り込みを行い、その奥に石器が突き刺されていた状況だと理解しています。そのために接地面が先端だけで、周囲は空間になっていたのでしょう。
明日現場に行くことができればこの点を確認することが可能です。


[213] Re: 杜の住人さまへのお礼
投稿者名: 北條芳隆
投稿日時: 2001年5月9日 23時22分


 詳細な解説をありがとうございました。毎日新聞に詳細な記事があったとのことですが、昨日試みたところでは閲覧できませんでしたので、朝日と徳島新聞(共同通信配信)の記事にもとづく疑念を呈してしまった次第です。私の不分明さには恥じ入るばかりです。
 しかしおかげさまで、かなり詳細な情報をうることができました。これだけ詳細な証拠立てが揃ったら、藤村氏の行った埋め込み行為のだいたいのところも推測可能ですし、ほぼ間違いなく調査地点が旧石器時代遺跡であった可能性は消去されたと考えざるをえなくなりますね。
 深く感謝いたしますととともに、杜の住人さまのお時間を取らせたことをお詫びします。そして改めて、関係者の皆様には非礼を謝罪しなければなりません。


[214] Re: 小鹿坂遺跡の件
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月9日 23時24分


新味はありませんが、今日の埼玉新聞の1面記事です

年代、形状に「疑い」/遺跡検討委、県内出土162点調査(埼玉新聞5月9日朝刊1面)
http://www.saitama-np.co.jp/main/box/01/05/050906.htm

5/25(金)に検討委員会が開かれるというのが新しい情報。この委員会は公開のはずなんですけど、いまのところ場所や時間は不明です


[215] Re: 早傘さまへのお詫び
投稿者名: 北條芳隆
投稿日時: 2001年5月9日 23時52分


 ご指摘の記事、チェックできました。「移植ゴテの痕跡」とまで記載されている記事を拝読し、一昨日の記事にもとづく私の疑念などは生じようもない詳細な調査所見であることが判明した次第。私の一連の書き込みは単なる撹乱に終わりましたので、管理人としてのご判断で削除するなり放置なさるなりいかようになさっても結構です。個人的にはもちろん削除したいところですが。
 いずれにせよ、大失態を恥じ入るばかりです。


[216] Re: 振り回されないようにしましょう
投稿者名: 岡安光彦
投稿日時: 2001年5月9日 23時52分


我々考古学研究者が、件のことに関して新聞報道に振り回されるというのは、みっともない話であると思います。
ネットで記事を追うなら、一般の方もできます。本来なら、研究者のネットワークを介して、内部の情報を、マスコミに先駆けて、いち早く、一般の方々に伝えられればよいのですが。
そのような意味で、「杜の住人さま」、よろしくお願いいたします。


[217] ありがとうございました。
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月10日 00時15分


ashです。

bambiさん、杜の住人さん、ありがとうございました。
別途に座談会とのメールもいただいておりますので、
座談会の可能性がつよいかと思われます。
また、学生社の方にメールで問い合わせておりますので、
回答がきましたらお知らせいたします。


[218] 2、3教えてください。
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月10日 00時17分


ashです。

杜の住人さん、『旧石器時代の考古学』の件ではありがとうございました。
一斗松葉山の再調査でも2、3教えていただきたいのですが。

・石器が発見された法面は、どの区画のものでしょうか?
 藤村氏が調査した区画でしょうか、それとも再調査で新たに掘り下げた区画でしょうか?
 報道によれば藤村氏が石器を発見した地点から数十センチということらしいので、藤村氏が調査した区画の可能性が高いとは思いますが。
・法面の清掃中に発見されたということですが、この清掃は石器発見時にはじめて行なわれたものなのでしょうか?
 私の経験からすれば、写真を撮る際、(写真に入る)法面の清掃は頻繁に行なうため、調査中に発見されなかったことが不自然なのですが。
・今回の再調査での遺跡管理はどこまで行なわれていたのでしょうか?
 例えば、日の出から日没まで部外者の立ち入りは禁止していたのでしょうか?
 また、調査終了後はどうなのでしょうか?管理をやめていたということはないのでしょうか?

すみませんが、よろしくお願いします。


[219] Re: 質問
投稿者名: MT
投稿日時: 2001年5月10日 00時46分


質問いたします。
その福島県の「遺跡」について、誰かが近年、土を削って石を埋め込んだことが明白になりつつあるように拝見しました。
その
「誰か」を推定する作業はどの程度、進行していますでしょうか。
地層断面?が露出していた期間
その場への人の出入り
埋め込み可能な時の、その場での不在証明
「事件」発覚後の現場保存
石(石器?)自体の検討
など
どの程度、進行していますでしょうか。

どうしても、あの人物一人の行動を想定し、予断をもってしまいがちですが。今年の春先の、子供のいたずらとか、(今回の調査関係者には侮辱の寸前ですが)ある種の怖い想像とか、それらに対する防衛は万全でありますでしょうか。
ご教示いただければ幸いです。


[220] Re: 振り回されないようにしましょう
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月10日 01時04分


「面白いですか?」が「面白くない!」と誤解された岡安さん、こんばんは

第1報を聞いて思い浮かべたことは僕も岡安さんも(多くの研究者も)同じはず。それを「面白い」と表現することの是非について考え方が分かれたわけですよね。岡安さんがそういった気持ちはよくわかります。でも「野次馬根性」を否定してしまったならば、こんな掲示板は潰して、研究者だけで内輪でこそこそやればいいということになる。世の中には面白がってはいけないことがあるのは当然で、僕なりの許容範囲は、これまでの言動で示してきたつもりです。で、今回の問題に関しては、悪い想像を含めて、当事者以外は「面白い」と表現できる範囲というのが、僕の感性です。

> ネットで記事を追うなら、一般の方もできます。

複数の報道を比較しつつ、「考古学的に有意な事実」を抜き出し、その「事実」がどのような意義を持つか説明することが研究者に最も期待される役割と思います(本当は、今晩は松葉山についてのそれが書きたかった)

> 本来なら、研究者のネットワークを介して、内部の情報を、マスコミに先駆けて、> いち早く、一般の方々に伝えられればよいのですが。

このようなオープンな場で「マスコミに先駆けて」というのは、困難な場合がほとんどと思います。「マスコミより詳しく正確に」というのが目指すところかと思います

> そのような意味で、「杜の住人さま」、よろしくお願いいたします。

私からも御願いします>「杜の住人さま」


[221] Re: 質問
投稿者名: 杜の住人
投稿日時: 2001年5月10日 07時44分


ash様、MT様
現場に関係していない私には即答が難しい質問が多いので、
事実関係確認後に可能なものについてお答えしたいと思います。
本日から数日間はまったく時間がとれませんので、お答えには
しばらく時間がかかると思います。
あしからずご了承ください。


[222] Re: Re:手順を大切に
投稿者名: トンビ
投稿日時: 2001年5月10日 10時15分


ルールにより、許容されているはずの1回の反論権を使って、言いたいことを言わせていただきます。

まず、早傘さんの投稿は、具体的な内容がなく、私に対する批判のみなのですが、
こういう投稿がフレームの元になるのだということを指摘させていただきます。
これは、フレームが殊のほかお嫌いな早傘さんへのアドバイスということになるでしょうか。

次に、私の発言が的を射ているかどうかですが、これは、私の発言が的を射ていると思う人種と、的をはずしていると思う人種の2種類がいるとしか言いようがないと思います。私の掲示板にも、私の発言をひそかに支持していた人が投稿して下さっています。不思議なくらい、考古学系の方々と、私と、「何が的か?」という点において、感性がずれているのです。

捏造発覚以来の議論において、私の感性に基づいた主張を行ってきましたけど、
根本の、何が的か?という点において、考古学系の方々に主張がじかに受け入れられたことは、皆無であったことを思うと、今は、感性がずれているという、中立的な指摘以上のことを行う気にはなれません。

最後に、

> 「面白いですか?」が「面白くない!」と誤解された岡安さん、こんばんは

こういう子供じみた発言はお恥ずかしくはないのでしょうか。この辺も感性の問題のようです。


[223] 座談会でした。
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月11日 00時18分


ashです。

学生社からの返事によりますと、
当該の本のために非公開で開かれたものだそうですので、
座談会と判断すべきものでした。
あらためてありがとうございました。


[224] 多摩ニュータウンの調査結果発表
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月11日 00時44分


ashです。

多摩ニュータウンの調査結果が発表されました。
報道サイトでは、
・時事通信社
http://www.jiji.com/cgi-bin/contents.cgi?content=2001051011249&genre=real&spgenre=soc
・河北新報社
http://www.kahoku.co.jp/news_s/20010510KIIASA44410.htm
で見れます。
結局、ねつ造ともそうでないとも結論づけることはできなかったようです。

なお、多摩ニュータウンNO.471-B遺跡の調査の概報は、
月刊文化財1987年12月号に掲載されています。

東京都埋蔵文化財調査センター調査研究部(館野 孝)
「多摩ニュータウンNO.471−B遺跡の調査概要」
『月刊文化財』291(1987年12月号)pp.17-23


[225] シンポジウム
投稿者名: bambi
投稿日時: 2001年5月11日 17時34分


気になって、今度は昔の英和辞典で「シンポジウム」の意味を、引いてみましたら、
symposium
1.饗宴(古代ギリシャで通例会食に続いて行われた酒を酌み交わしながら音楽を楽しみ議論に興じたつどい)
2.(特に、特定の議題について自由に意見を交換する)談論会、座談会、シンポジウム(cf. panel discussion);その議題内容の記録
3.(ある問題に対する)諸家寄稿の論集
(研究社「英和大事典」1960年第4版)と、ありました。

この定義からすると、シンポジウムが座談会というのは全然おかしくないです。
むしろ、シンポジウムと言う言葉が、日本語化してしまって、大きな会場での
講演とパネルディスカッションを聴衆が聞くというイメージになってしまって
いるので、違和感を感じたのですが、学生社さんは、以前から、「シンポジウム」
シリーズを出されているので、その流れで座談会に「シンポジウム」という言葉を
使われたのだと思います。そういえば、プラトンの著作に『饗宴』(The Symposium)
と、いうのがありました。あれだったら、座談会に近いと思います。


[226] 『はじめて出会う日本考古学』有斐閣が絶版
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月12日 01時00分


ashです。

『はじめて出会う日本考古学』(有斐閣,1999年11月刊)が、
昨年の12月に絶版になっていたのですね。
(既に知っておられたらごめんなさい。さっき知ったばかりなので)
佐川正敏氏の「旧石器考古学の新視点」の内容が問題になったとは言え、
佐川氏の文章を削除して再版はできなかったのですかね。
編集のスタンスが異色(通常、この種の本は通史的になりがち)で面白かったので、もったいないです。
(ちなみに私は編者の仮説は、環境以外の要因を無視しすぎているところが好きじゃないです)

絶版に関する有斐閣と佐川氏のコメント
http://www.yuhikaku.co.jp/topics/index2.html#nihonkoukogaku

おまけ
編者の主張のおかしさについては
http://www2s.biglobe.ne.jp/~tetuya/REKISI/tenpen.html


[227] Re: シンポジウム
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月12日 01時13分


ashです。

語源的には、symposium が座談会でもおかしくないのかもしれませんが、
既に定着した意味(厳密には使い分け)がありますから、
個人的には誤解を招くような使い方はしてほしくなかったですね。
せめて「非公開」、「座談会形式で行なわれた」などの一文を「はしがき」にでもいれてほしかったです。
まあ無理矢理に解釈すれば、ディスカッションを本という形で読者(聴衆)に見せるともとれないこともないですが。


[228] Re: 多摩ニュータウンの調査結果発表
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月12日 01時28分


ashです。

報道サイトの追加です。
・毎日新聞
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/iseki/200105/11-1.html
・朝日新聞
http://mytown.asahi.com/tokyo/news02.asp?kiji=91
・読売新聞(後日見れなくなりますので、お早めに)
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/tokyo/news002.htm
・日本経済新聞(サイト内の記事検索で各自調べてください)


[229] Re: 『縄文の生活誌』買うなら今?
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月12日 02時24分


絶版がらみでいうと、例の『縄文の生活誌』は「各自治体等の一定の検証結果が得られるであろう2001年初夏をめどに、改訂版を刊行いたします。その間、書店店頭での01巻の販売は見合わせ、すでにお買い求めのお客様には改訂版とお取替えいたします。」
(『改訂版についてのお知らせ』 http://www.bookclub.kodansha.co.jp/topics/bpro/kaitei.html
のはずなのに、先月あたりから、未改訂のまま書店に出回っていますね。
「藤村新一氏の「事件」について−読者の皆様へ」(http://www.bookclub.kodansha.co.jp/topics/bpro/ziken.html
は挟み込んであるけれども、上記の改訂版の予告は挟まれていない。さて、どうなっているのでしょう。これを買った人は取り替えてもらえるのでしょうか。


[230] Re: 『縄文の生活誌』買うなら今?
投稿者名: 大学生
投稿日時: 2001年5月12日 03時59分


「販売見合わせ」が決まった直後の仙台では直ちに店頭から撤去した店舗と、
事情を知ってか知らずか、そのまま販売を続けていた店舗がありましたが
今現在販売している店舗はないようです。
出版元から販売店に返本依頼が来ても、実際に対応するかどうかは販売店任せでしょうから、
販売を続けた店舗は怠慢(もしくは親切)と言うことになるのでしょう。

それにしても一度撤去された店舗で今になって再び出回っているとすれば不可解ですね。
「在庫処分」のため、改訂版発行前に事情を知らない人たちに売っちゃおう、と言うことでしょうか??
事情を知らずに、もしくは資料としての保存を目的に初版をそのまま持ち続ける人は多いはずで、
実際に交換を申し出る人はそう多くはないだろうと言う卸元の思惑がある?
…などと憶測をしてしまいます(その思惑にはまる一人です)。


[231] 一斗内松葉山遺跡の発掘調査
投稿者名: 杜の住人
投稿日時: 2001年5月13日 10時11分


ash様、MT様から一斗内松葉山遺跡の発掘調査について質問をいただきました。
質問の内容に個別にお答えしても全体像が分かりにくいように思いましたので、
別スレッドをたてて全体的な説明をしながら質問にお答えしたいと思います。

一斗内松葉山遺跡は福島市と二本松市を結ぶ国道4号線バイパス沿いにあります。
車であれば、バイパスに路上駐車しても、近くのコンビニに駐車しても徒歩3分以内には現場に到着します。

現場は古い地層(上宝パミス、60万年前程度の年代が考えられている。正確にはテフラのリストなどを調べてください。)が露出していることで地質の世界では良く知られていたようです。

1999年10月、藤村氏他2名がこの地を訪れ、断面から石器14点を発見、翌2000年3月に東北旧石器文化研究所により発掘調査が実施されました。調査では石器採集地点近くにトレンチを設定し、石器17点が出土しています。

事件発覚前から地主さんは現地に個人住宅を建設したいとの希望があり、遺跡の重要性を考慮した行政側が現状変更をストップしていたようです。発覚後に地主さんから現状変更を認めるようにとの要望があり、これを受け、安達町教育委員会主体で発掘調査が実施されました。従って今回の調査は検証作業を目的としたものではありません。

調査はまず、2000年3月の東北旧石器文化研究所(以下研究所)の設定したトレンチを再度掘り上げた上で、その周辺を掘り広げる形で行われた。研究所のトレンチ内で発見された石器集中地点はさらにその外側に広がると予想されていましたが、町教委の調査ではその周辺からは1点も出土しませんでした。その他の地点でも同様で、この時点で石器が出土しなかったことが報道されました。

その後町教委は調査終了にむけて実測図作成作業を開始しました。図面に1999年の断面採集地点を書き入れる必要があり、出土位置を確認するために露出していた断面を削りました。藤村氏らは石器採集地点に釘をさしていたため、採集位置の多くは確認できたようです。出土地点は旧石器文化研究所のトレンチ近くの斜面で、かつて断面採集された地点ときわめて近接した場所です。

5月2日、この作業の最中に石器が1点ねじり鎌にあたって、落下、急遽その出土地点が精査されました。続いてもう1点が同様の作業が行われていた別地点で発見されました。こちらは幸い出土状況を検討できる状態であったため、そのまま現状を凍結しました。町はその後現場を厳重に管理した状態で維持し、5月7日に指導委員会とともに出土状況を精査しました。出土状況は前に説明した内容で間違いないようです。

ただ、前に毎日新聞に出土状況の説明が詳しいと紹介しましたが、毎日の報道は書きすぎで、実際には溝状にしろ樋状にしろくぼみは認められません。
毎日報道では指導委員会がU字形の掘り跡を確認したような書き方ですが、それは事実と違っています(誤り?)。町も指導委員会もいっさいそのようなコメントをしていませんし、「移植ゴテのような道具を横から差し込んでできたとみられる、四つの面で構成された削った跡」(5月12日河北新報朝刊26面報道)が実際に一番近い状態です。現場では毎日にだけ特別な話をしたのではないかと他社から担当者や委員が問いつめられ、大変困惑したようです。毎日新聞の報道姿勢に首を傾げさせられました。

現場管理に関しては、町の調査開始後は万全の体制をとったようです。その内容を公開すると問題が生じる可能性があるため、説明できません。
研究所の調査以降町の調査開始までの期間は出入り自由であったし、先に述べた環境にありますので、管理は不可能だったようです。

ただ、今回の出土層位はいずれも1999年に断面採集された層位ときわめて高い精度で一致していること。2カ所に別れる断面採集地点それぞれに明瞭に対応していること、石材がこれまでに最古段階と考えられている資料と一致すること、出土資料は広い意味の石器(人が打ち割った石を広い意味の石器とよびます。狭い意味では道具として完成されたものを石器とよびます。)であることなどから、子供のいたずらとか考古学を知らない人の仕業とは考えられないと思います。

以上一応の説明とご質問への答えをいたしました。


[232] 上宝テフラ
投稿者名: koyugun
投稿日時: 2001年5月13日 12時46分


上宝テフラについては、群馬大学の早川先生のところにあります。

http://www.edu.gunma-u.ac.jp/~hayakawa/catalog/echubu

650kaになってますね。給源は、岐阜県上宝村とされています。


[233] Re: 『縄文の生活誌』買うなら今?
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月13日 21時45分


一時は店頭から姿を消したのに先月から再度販売しているという書店は、2箇所把握しています。ただし、両者は、同一のチェーンに属しています。
県内最大書店では、シリーズの他巻は平積みなのに01巻のみ置いていない。
前・県内最大書店では、今日の時点で、第1刷が置いてあるのみ。版元からの再出荷によるものとは思われない。

以上のことからすると、上記の某大手チェーンの事例は、チェーン全体としてどこかに保管していた可能性があり、版元の再出荷かどうかは、確認の必要があります。

図書の「委託販売制」との関係はどうなっているのであろうか


[234] 情報局に佐々木藤雄氏の論評を転載
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月13日 22時00分


事件に関する佐々木藤雄氏の論評2件を、先月アップだけしておいたのですが、昨日御本人に会い了承を得たので公開します。気付いた人はいないかったでしょ :-)

『私が掘った東京の考古遺跡』序文(以前「青森遺跡探訪」に転載されたもの)
http://homepage2.nifty.com/HAYAKASA/godhand/sasaki/book.htm

土曜考古学研究会1月例会発表要旨『末法の考古学・成長しない集落論 −「国民の歴史」と「縄文の生活誌」が投げかけるもの− 』
http://homepage2.nifty.com/HAYAKASA/godhand/sasaki/doyoyosi.htm


[235] Re: 一斗内松葉山遺跡の発掘調査
投稿者名: MT
投稿日時: 2001年5月14日 02時36分


杜の住人さん、回答有り難うございます。
心無いイタズラ、ではないようですね。


[236] Re: 歴史評論5月号
投稿者名: MT
投稿日時: 2001年5月15日 03時16分


日時が経過しましたが、約束につき(不親切な書き込みになります。多謝)

当該文章は、「展示施設」に贋物を置く、その効果は如何。という辺りに落ち着きそうな話題だと思います。
観客参加のハンズオン展示、たしかに目新しく興味深い。日曜美術館などでこの頃紹介されることが増えた展示手法です。しかし、これ「アート」ではないですか。
ひとつのモノを置いて、それを見る人がその一人ごとに、その時ごとに様々な内的心的効果を持たれる。日常平常ごく普通にあることで、それを増幅させ撹乱させ断ち切り繋いでお目にかけるのは展示屋の妙味でありましょう。
観客が展示品を動かしたり、並べなおしたり、展示品群の中に入り込んだりしてまたそれを見る人の心を揺さぶる。しかしこれは「アート」のすることではないですか。
「歴史的事実」を提示して、理解していただいて、面白がっていただいて、多少ゆとりのお鳥目を頂く商売をしている歴史系学芸員としては、お若い衆あんまり先走っちゃあなりませんやなとかつい口から出そうになる按配の事な訳です。
贋物・異説・目くらまし、しくじると楽屋落ち、仲間受けにとどまる。
本筋から外れていると気付くためには典例、その本筋が共有されていなけりゃなりません。
これが「日本列島における前期旧石器の、現時点で把握された歴史的事実」であるというその本筋がちゃぁんと仕上がっていて、客の目も頭もすっかりそういう風に出来上がったところで、いや実はと、どんでん、とやらかす。
もとの世界がきっちりかっちり固まっていてこそ「○○、その実は曽我の十郎」とやれるのではないかと思います。
ずらしたり、構築しなおしたりするのは結構ですが、そのために無くてはならない本筋の、「歴史的事実」の提示・共有はほんとうに可能なのかとかつぶやいて、まことに不親切な論評書き込みの終わりとさせていただきます。


[237] 資料がアップされています
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月15日 07時41分


多摩ニュータウンNo.471-B遺跡出土石器に関する調査報告
http://www.amy.hi-ho.ne.jp/mizuy/zenki/471-B-010510.html
(日本の考古学リースのデジタル化)

一斗内松葉山遺跡現地説明会資料
http://homepage2.nifty.com/HAYAKASA/godhand/ittouti/gensetu.htm
(神の手事件情報局)


[238] 御案内です
投稿者名: 賀川真
投稿日時: 2001年5月16日 23時48分


現在発売中の「創(つくる)」に父の自殺について兄が寄稿しております。
もしよろしければお読みいただければと思います。
よろしくお願いいたします。


[239] 疑問氷解
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月17日 01時23分


ashです。

一斗内松葉山遺跡現地説明会資料で、今回の石器発見の不自然さの疑問が氷解しました。

藤村氏らが「遺跡」を発見するきっかけとなった断面採取のところだったのですね。
法面というからてっきり発掘区内かと思っていました。
そこだったら、最近のいたずらの可能性は低いですね。

一斗内松葉山も確か、藤村氏は初めて来た場所だったはず。
断面採取時の藤村氏の行動をきちんと洗いなおすべきですね。


[240] Re: 一斗内松葉山遺跡の発掘調査
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月17日 01時36分


ashです。

一斗内松葉山の詳細な説明をありがとうございます。

毎日の報道は誤報でしたか。
結局、マスコミもねつ造発覚の前後でベクトルの方向が変わっただけで、何ら自省していないようですね。


[241] Re: 御案内です
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月17日 20時42分


賀川さん、いつもありがとうございます

今月号は、編集後記も聖嶽報道問題に触れていますね

2月に発売した「創」3月号は「新聞社の徹底研究」特集で、毎日新聞をとりあげた部分で、捏造スクープの反応等について記されています

http://www.tsukuru.co.jp/gekkan/gekkan01.html

なお、5/10発売の「噂の真相」6月号では、週刊誌記者匿名座談会で、聖嶽報道をめぐる文春vs新潮に関して、少し話題になっています。


[242] 考古学協会総会5/20公開討論会
投稿者名: MT
投稿日時: 2001年5月18日 08時26分


明日・明後日と総会開催のようですね。

約半年の、ひとつのまとめとなりましょうか。
私は行きませんが、参加者の有益なご議論を期待します。

「歪曲王」が登場しないよう、祈念します。


[243] 「古代ゾウは疑問」日経社会面に
投稿者名: 元企業技術者y
投稿日時: 2001年5月19日 17時24分


5/19日経夕刊社会面に、残存脂肪酸分析問題のニュースが掲載された。べた記事ではなくかなりのスペースである。日本考古学協会総会での難波先生の発表を取り上げたものである。中野教授にもインタビューしたらしく、双方の言い分を掲載しているが、中野教授
側の歯切れが悪いのが、読者によくわかる。傍聴するつもりでいたが、個人的な都合で行けなくなる恐れがでてきたので、どなたか、傍聴された方の会場の議論の模様を掲示して下さい。

なお、この余波として、中野教授が科研費に対応した研究を行ったのかという疑問が出されている(南河内考古学研究所掲示板)。学問分野による慣行があるかと思うが、掲示板指摘どおりとすれば、納税者である一般国民の理解を得るのは困難だろう。


[244] 関連書籍新刊
投稿者名: 大学生
投稿日時: 2001年5月19日 19時36分


岡村道雄・山田晃弘・赤坂憲雄
特別座談「事件が問いかけるもの‐前・中期旧石器考古学の現在‐」
東北学Vol.4 pp.2-27 東北芸術工科大学東北文化研究センター発行
作品社 2001.04.25 2000円


[245] 毎日スクープ舞台裏
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月20日 01時58分


こんなスレッドがあるとは知らなんだ

マスコミ@2ch掲示板
◆石器捏造!! 毎日スクープ舞台裏◆
http://natto.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mass&key=985356605


[246] Re: 考古学協会総会5/19
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月20日 02時03分


超手抜きですみませんが
今日の総会で印象に残ったこととして、協会のデータベース,ホームページをもっと充実せよ、活用せよ、という意見が多く提案されました


[247] Re: 毎日スクープ舞台裏および余分の話
投稿者名: MT
投稿日時: 2001年5月20日 03時56分


> こんなスレッドがあるとは知らなんだ
> マスコミ@2ch掲示板
> ◆石器捏造!! 毎日スクープ舞台裏◆

大変、興味深く拝見してまいりました。
毎日新聞も、B29の飛行集団のように内実、ぎりぎりの線で行動なさっていたようですね。6人ほどで開始したとか。(昨年11月5日早朝に「朝刊見てみそ」とか2ちゃんねるにリークしていたのはここにある「1」さんでしょうか)

これでひとつ、わからなくなりました。

昨年末「共同通信社」の記者が藤村さんにインタビュウした。
つい先日の週刊新潮にその内実が出ていました。これがねつ造記事でなければ話は次のようです。
藤村さんの動向を「唯一」知っているA氏からの連絡があり、記者が道端に立っているとA氏の車が来て、乗ったら隣に藤村さんがいた。
こんな程度の取材活動だったとは!!!!
失礼しました。昨年、某掲示板に「共同通信は藤村さんと家族を守ると公言したのだろう」と書き込みましたが、そんなまともなものでは全然無かった。想像するに、おそらく、共同通信社という所は社長兼務記者が一人、電話番のおばさんが一人くらいの小規模な通信社なのだろうから大手の組織を想定して過大な期待を書き込んだ私の不明でした。

しかし、わからなくなりました。
天下の毎日が、あんなにドタバタ、ぎりぎりのスクープをしたのですから、社長(記者)とおばさん、二人がかりで時々は「どうですか、ご苦労ありませんか」くらい見舞ってもよかったんじゃなかろうかと思ってみるのですが後の祭り。


[248] ウェブサイトはこちら
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月20日 04時39分


ashです。

ウェブサイトでも読めますね。
http://www.nikkei.co.jp/news/shakai/20010519CIII037919.html


[249] Re: 毎日スクープ舞台裏
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月20日 05時00分


ashです。

とても面白いですね。
とくに総進不動坂遺跡でカメラを携帯していたというのが。
明らかに計画的だし、とても「魔がさした」で片付けられる行動ではないですね。

それと藤村氏のプライバシーに配慮したとのことですが、
なぜそれを聖嶽のときにはできなかったのか。
なぜ週刊文春の中傷記事や春成氏や馬場氏の謬論に飛びついたのか。


[250] Re: 毎日スクープ舞台裏
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月20日 07時08分


ashさんおはようございます

> それと藤村氏のプライバシーに配慮したとのことですが、
> なぜそれを聖嶽のときにはできなかったのか。
> なぜ週刊文春の中傷記事や春成氏や馬場氏の謬論に飛びついたのか。

この批判の対象となる記事がわからないのですが。


[251] Re: 毎日スクープ舞台裏
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月20日 23時45分


ashです。

「「聖嶽」「牛川」の人骨も議論 21日に都内でシンポ」『毎日新聞』1月19日
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/iseki/200101/20-01.html
「旧石器シンポ 大分・聖嶽洞穴の人骨に疑問の声相次ぐ」『毎日新聞』1月21日
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/iseki/200101/22-01.html
「自殺:疑惑の石器発掘調査担当の賀川名誉教授が自宅で首つり」『毎日新聞』3月10日
http://www.mainichi.co.jp/news/selection/archive/200103/10/0310m194-400.html

『週刊文春』2001年1月25日号
http://www.bunshun.co.jp/weekly/010125.htm
の発売が1月18日で、その翌日に聖嶽を採りあげるすばやさ。
私の記憶では、旧石器シンポ前に採りあげたのは毎日だけです。
それから、旧石器シンポの第一報になぜか聖嶽の名が。
たしか旧石器シンポは藤村石器が中心議題であったはずです。
非常に違和感を覚えました。
極めつけは、賀川氏の自殺の第一報のタイトルです。
「疑惑の石器発掘調査担当の」という中傷的な修飾語をわざわざ付け加える悪質さはお分かりですよね。
どう見ても、週刊文春の中傷記事や春成氏や馬場氏の謬論に飛びついていたとしか判断できません。
余談ですが、10日の夕刊における変わり身のすばやさには唖然としました。


[252] 2ちゃんねる関連スレッド
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月20日 23時59分


ashです。

2ちゃんねるに関連スレッドがありました。

「石器捏造の汚名返上か?」
http://mentai.2ch.net/test/read.cgi?bbs=history&key=989149166


[253] Re: 毎日スクープ舞台裏
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月21日 00時25分


列記された記事のどこがプライバシーを損なっているの?

訃報のタイトルも、読者に対して簡潔に故人の立場を伝えている


[254] Re: 2ちゃんねる関連スレッド
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月21日 00時29分


情報局で前からリンク張っているんですけど (;_;)

神の手事件関係スレッドin2ちゃんねる
http://homepage2.nifty.com/HAYAKASA/godhand/2ch_idx.htm


[255] あのさ
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月21日 00時51分


遺物管理でなく発掘に結びつけているところが中傷だと言ってるの。
列挙した記事は、すべて憶測。何の根拠もなし。
自殺に追い込んだ片棒をかついだ記事がプライバシーを侵害していないとも?


[256] Re: 2ちゃんねる関連スレッド
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月21日 00時52分


すみません。
気づいてませんでした。


[257] 『週刊新潮』2001年5月24日号
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月21日 00時53分


ashです。

『週刊新潮』2001年5月24日号40頁に
「秩父原人もやっぱり幻で「藤村ショック」拡大」というタイトルの短い記事があります。
内容は小鹿坂と一斗内松葉山に関するものです。

うーん、そろそろ週刊誌買うの(古本で100円、コピーすれば10円)やめよう。
きつくなってきた。


[258] 考古学協会総会5/20
投稿者名: MT
投稿日時: 2001年5月21日 04時15分


南河内喫茶室に脂肪酸の件、発表の様子が出ていました。


[259] Re: 毎日スクープ舞台裏および余分の話
投稿者名: トラ
投稿日時: 2001年5月21日 21時27分


>想像するに、おそらく、共同通信社という所は社長兼務記者が一人、電話番のおばさんが一人くらいの小規模な通信社なのだろうから大手の組織を想定して過大な期待を書き込んだ私の不明でした。
>
> しかし、わからなくなりました。
> 天下の毎日が、あんなにドタバタ、ぎりぎりのスクープをしたのですから、社長(記者)とおばさん、二人がかりで時々は「どうですか、ご苦労ありませんか」くらい見舞ってもよかったんじゃなかろうかと思ってみるのですが後の祭り。


何か誤解があるようですが、共同通信社は、これくらいhttp://www.kyodo.co.jp/netroom/saiyo/gaiyo.htm
大きな通信社ですよ。

地方の新聞社は、共同通信から社説まで買わせて頂いているほどです。(皮肉)
取材の経緯については、どこまで鵜呑みにしてよいか難しいのではないかと思います。(毎日の取材の経緯が信じられないという意味ではありません。)


[260] 余分の話のおわび
投稿者名: MT
投稿日時: 2001年5月21日 21時36分


トラさん、ご指摘ありがとうございます。
同盟通信が改組したものだったのですね。

関係者には、大変に、失礼、いたしました。


[261] 原人の「拇指対向性」
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月22日 01時51分


ashです。

以前、捏造論争板で原人の指について「拇指対向性」があるかどうか論じられたことがありました(青森掲示板でもあったらしいのですがちょっと確認できていません)が、そのときは結局結論はでませんでした。
http://www.geocities.co.jp/CollegeLife-Club/5368/past/359-.html
人類学の書籍にそのことに言及したものがありましたので紹介します。
・埴原和郎 2000.10.26
 『人類の進化 試練と淘汰の道のり――未来へつなぐ五〇〇万年の歴史』講談社,pp.70-72
上記の書籍によれば、
ルイス・リーキーが1960年にオルドヴァイ谷で発見した化石人骨OH7(後にホモ・ハビリスと名づけられています)の指に「拇指対向性」が認められたとのことです。
ホモ・ハビリスは原人の古段階とみなされていますので、原人に「拇指対向性」はあったということになります。

ところでこの原人の指には「拇指対向性」がないって話はどこからきたのか誰か覚えていませんか?


[262] Re: 原人の「拇指対向性」
投稿者名: ash
投稿日時: 2001年5月22日 03時00分


ashです。

> 青森掲示板でもあったらしいのですがちょっと確認できていません

確認してきました。
難波氏の投稿[219]で、角張氏の「前期・中期旧石器発見物語は現代のおとぎ話か」の内容を紹介しているものが初出のようです。
http://homepage2.nifty.com/HAYAKASA/godhand/aomori/log2.htm#s219
このなかで竹岡氏の「手の構造が違うので、原人には押圧剥離や並行剥離ができない」という発言を引いて(引用元は不明。日付から週刊誌がとりあげる以前なので、新聞かテレビと思われる)「原人は親指の付け根の筋肉(拇指球筋)の発育が悪く、親指と人差し指を合わせられない。つまり本格的に「握る」という動作ができない。だからこんな複雑な石器はつくれないのです」と述べています。
このときは難波氏の誤読に批判が集中し、原人の「拇指対向性」の件は顧みられていません。
次に出てくるのも難波氏の投稿[346]に始まるスレッドで、難波氏が「原人は、1)親指が不自由で、硬く握りしめられない」と述べています。
http://homepage2.nifty.com/HAYAKASA/godhand/aomori/log5.htm#s346
このときは、ほぼ中心的なテーマとなったようですが、途中で袖原3と中島山の接合に話がズレてうやむやになっています(根記事がもともと袖原3と中島山の接合なので指の方がズレ?)。

なお、竹岡氏の発言ですが、毎日の2000年11月5日の記事に「原人の手の構造から押圧はく離は不可能だ」というのがあります。これかな?
http://www.mainichi.co.jp/eye/feature/details/iseki/200011/05-4.html


[263] Re: あのさ
投稿者名: TIS
投稿日時: 2001年5月22日 10時47分


シンポジウムの内容を報道すべきでないとでも?


[264] Re: あのさ
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月22日 22時30分


ほかの話題だと丁寧に事実確認をして論理的な発言をされる ash さんが、この話題になると途端に、事実に反するあるいは根拠不明確な発言をすることをかねてから不思議に思っているところです

[255]発言のすべてがおかしいのですけど、生産的な議論ではないので1点だけ

ashさんの「プライバシー」の定義を教えてください

(実は、佐藤さんにも同じ質問をしたかったりする)


[265] Re: 原人の「拇指対向性」
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月22日 22時38分


「拇指対向性」の問題は、一般的には、現生人類と類人猿の違いとしてとりあげられるところです。

例によってアバウトな難波氏が、原人の問題と混同して持ち出しただけだと思ってました。


[266] Re: 『週刊新潮』2001年5月24日号
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月22日 22時47分


件の記事が Art のコーナーにあるのが、週刊新潮ならではのいやらしさですよね

>うーん、そろそろ週刊誌買うの(古本で100円、コピーすれば10円)やめよう。きつくなってきた。

ピークはすぎた。連帯して頑張ろう。


[267] Re: 毎日スクープ舞台裏
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月22日 23時16分


かねてから推測されていたように毎日スクープの発端が角張論文であることを
強く裏付ける文言に気が付きました
http://natto.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mass&key=985356605&st=3&to=3

>「このところ全国で旧石器時代の年代がどんどんさかの
> ぼる発見が相次いでいますが、これは眉唾らしいとのじょうほ
> うです。なるほど埼玉県の長尾根、新十津川町の総進不動坂、
>宮城県の上高森、福島県の一斗内松葉山、埼玉県の故事か坂と <=小鹿坂
> 日本の旧石器の時代しを塗り替えるような発見であることはご
>存知のとおりです」

この遺跡名の列記は、角張論文の付表そのままです。
http://www.aruka.co.jp/sekitei4.html

昨年8月の時点であれば、同年7月29日に「墓なら世界最古」と「土坑」の発見が大々的に報じられた長尾根遺跡について最新の調査としてとりあげられているのが自然です。また、「前期」に限定し「中期」の瓢箪穴を抜かす必然性もありません

これにより、僕の中では 99%の確信が、100%の確実となりました


[268] 歴史評論6月号
投稿者名: MT
投稿日時: 2001年5月23日 22時49分


同誌6月号より(No.614 編集:歴史科学協議会 発行:校倉書房)

リレー連載・石器発掘ねつ造問題から考える 4
「ねつ造事件の波紋と考古学*歴史教育」 十菱 駿武(じゅうびし しゅんぶ)

山梨県考古学協会に所属し、縄文時代を専門とする方のようです。以下、概略を。

<はじめに>
「・・・石器をばらまいているのではないか」という噂を小鹿坂遺跡発掘の頃から耳にしてはいた・・・
<一 前期旧石器と発掘内容の検証>
(私見として、疑惑がもたれているおもな遺跡とその現段階での見込み度合いを列記する)
<二 日本史教科書・歴史概説書の訂正>
(教科書の受けた影響を概観)
・・・このうち、『詳解日本史B改訂版』(三省堂)の執筆者は私である。歴史教育の基準となる教科書に誤った記述をしたことを率直に反省する。教科書に最新の歴史研究・考古学的成果を取り入れようとするあまり、確定していない上高森遺跡の位置づけを盛り込んでしまった。・・・
<三 考古学の役割>
・・・今回の問題の徹底的な究明と学会体質の改善を通じて、考古学への信頼を回復し、未来へ向けて真実の明りを灯し続ける・・・


[269] Re: 歴史評論6月号
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月23日 22時59分


> 疑惑がもたれているおもな遺跡とその現段階での見込み度合いを列記

あの表は実にスバラシイ 見たものは新鮮な驚きを与えられるであろう


[270] Re: 歴史評論6月号
投稿者名: MT
投稿日時: 2001年5月23日 23時39分


> あの表は実にスバラシイ 見たものは新鮮な驚きを与えられるであろう

推測の根拠が無いためと、私には転載の可否判別がつかないため、先の投稿では表を載せませんでした。ネット上の議論を(おそらく)見ていない方の、3〜4月時点での見識というべきでしょう。本当は、こうした方の議論をきちんと見たいと思いました。
たしかに興味深い見解ですから、「早傘」さんと「管理人」さんとで相談されて、転載なさってみては。


[271] 協会HP
投稿者名: 大学生
投稿日時: 2001年5月24日 01時58分


> 超手抜きですみませんが
> 今日の総会で印象に残ったこととして、協会のデータベース,ホームページをもっと充実せよ、活用せよ、という意見が多く提案されました。

20日の討論会において、今回の総会終了後を目途に前期旧石器問題関連の情報公開など、ホームページによる情報発信を充実させていく旨の、また間もなく公開できる段階まで準備が進んでいる旨の発言がありました。
どなたか具体的な公開予定日や内容等分かりましたらアナウンスしていただければ幸いです。


[272] 文化財科学学会
投稿者名: koyugun (ホームページ)
投稿日時: 2001年5月25日 02時00分


文化財科学学会が下記のとおり行われます。
ポスターセッションP5は、興味深いと思います。

日本文化財科学会第18回大会 2001年6月23・24日 会場:奈良大学
ポスターセッションおよぴ機器展示・図書販売(体育館)

 掲示作業  6月23日(土)9:00〜11:00
 掲示時間  6月23日(土)11:00〜 6月24日(日)15:00
 解説時間  6月23日(土)13:00〜14:00・6月24日(日)12:30〜13:30

[年 代 測 定]
P5 石器の新旧判定法の検討     ○長友恒人(奈良教育大学) 宮崎利靖(同) 佐藤良二(香芝市二上山博物館)


[273] Re: 考古学協会総会5/20
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月27日 01時16分


先日の発表は、抄録におおむね沿ったものとはいえ、多少異なる部分もあり、当日来られなかった方々をふくめてを掲示板で議論を深めるには、発表の記録を公開することが有益と思います。そこで、当日の録音からテープ起しし、難波氏に校正していただいた上で次のページに公開しました。

http://homepage2.nifty.com/HAYAKASA/godhand/sibousan.htm

発表内容についての討論は南河内考古研喫茶室にて御願いします

http://cgi.skao.net/kissa/trees.cgi?log=&mc=n


[274] 新大陸への人類移住
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月27日 01時59分


標記のテーマでマギル大(カナダ)の井川史子さんが講演します。新大陸の人類起源問題は日本列島における前期旧石器存否問題とよく比較されます(http://www.amy.hi-ho.ne.jp/mizuy/zenki/Clovis-PreClovis.html

2001年5月30日(水)13:00:早稲田大学文学部36号館681教室/東京都新宿区
早稲田大学考古学研究室講演会 井川史子氏「Peopling of the New World 北米大陸への人類の移住」

2001年5月30日(水)17:50:國學院大學本館401番教室/東京都渋谷区
國學院大学文学部講演会 井川史子氏「新大陸への人類移住 」

(考古学のおやつ/研究会編年表より http://www.ops.dti.ne.jp/~shr/dtct/mt/mt.html


[275] Re: 原人の「拇指対向性」
投稿者名: anoguchi
投稿日時: 2001年5月27日 13時05分


「拇指対向性」>霊長類、とくに類人猿の研究に関連する書籍を参照。拇指対向性は、霊長類とそのほかの哺乳類を区別する特徴の一つです。一般向けの本にも解説されています。たとえば、山極寿一1994「サルはなにを食べてヒトになったか」女子栄養大学出版部の第一章に図解されています。人類学関係では、ルーウィン(保志・楢崎訳)1993「人類の起源と進化」てらぺいあ、など。
原人の操作能力>復元可能な人骨がどれほどあるのかに注意する必要があります。歯、顎骨、頭蓋以外の部位の遺存度の低さ。例外的に良好な遺存度の「ナリオコトメ
ボーイ」(WT15000)の「手」の部分はどれほど残っているか、ウォーカー・シップマン(河合信和訳)2000「人類進化の空白を探る」朝日選書の巻頭写真でも確かめられます。指の骨は残りにくいしなくなりやすい。竹岡氏も主張する操作能力についての仮説は、基本的には石器の分析から導き出されたもの(石器表面に残された製作痕跡から)。石器から導いた仮説で石器を検証するのは循環論法です。あくまで「仮説」だということに注意すべきではないでしょうか?


[276] Re: 原人の「拇指対向性」
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年5月27日 19時02分


anoguchi 様 ありがとうございまいした

早傘もアバウトだということが明らかになりました (^-^;;

[265]は管理人に削除を依頼したいところですがそうもいかない
めげずに恥をさらし続けます。


[277] 特別委員会の検証活動
投稿者名: 杜の住人
投稿日時: 2001年5月28日 22時48分


日本考古学協会の特別委員会の検証活動が本格的に開始されようとしています。宮城県考古学会でも特別委員会が設置されました。

多摩ニュータウン471B遺跡の検討結果や埼玉の検証の経過が公表されています。各地で検証活動が進む中で、その結果が必ずしも明瞭な形で見えてきていないように思われます。

もはや検証活動など必要ないというご意見もあるでしょうが、私は考古学の側からの事実関係の解明とその結果の公表が考古学が信頼を得るために必要なことと考えます。そのためには検証の有効な方法が必要になりますが、私にはなかなか名案が浮かびません。みなさんはどのようにお考えでしょうか。ご意見をお聞かせいただけると幸いです。


[278] Re: 特別委員会の検証活動
投稿者名: MT
投稿日時: 2001年5月29日 01時29分


YAHOOニュース(5月26日時事通信)によれば、宮城県考古学会の検証活動は

1 石器そのものに関する分析(付着鉄分や傷など)を行うチーム
2 調査日誌や関係者からの聞き取りによる、ねつ造の可能性を探るチーム

の二班に分かれるそうです。1については「青森」以来、あるいは「南河内」などで議論されてきた論点を見返すのがよろしいかと存じます。
2については、そうですね、なかなかむずかしいかも知れません。「Aさん、あなたはねつ造に関与しましたか?」「いいえ、していません。」「Aさんは関与しませんでした。」そんな調書は誰も信用しません。関係者の名誉保持と事実究明のため、検察の人とかにノウハウを聞いてからおやりになるだろうと思います。

杜の住人さんがどの程度、委員会に関与なさっているか知らずに書き込んでいますが、考古学者は広義の歴史学者でありますから「もはや検証活動など必要ない」とは考えない。広範な関心をお持ちになるはずです。
変人政権が樹立して万事治まったのだから改めて「世直し」など唱える必要は無い、とはいかない。後見人の存在を忘れるわけにはいかないのと同様でしょう。

そういえば、宮城県考古展のあった1970年11月には三島事件もありました。


[279] Re: 検証って
投稿者名: 図書館通い
投稿日時: 2001年5月29日 19時25分


もし、考古学的資料として使えるかどうかを検証するのが目的であれば、すでに結論は出ているのではないかと思います。「神の手」の汚染の可能性をどう評価するかにかかるのですが、原則的には、あのような人物が関与した資料は使えないということになるのでしょう。関与したと明らかになった段階で「使えない」と書いた箱に放り込むのが妥当なのではないでしょうか。

ところで、杜の住人さんは何を検証したいのでしょうか。
なにが検証したいのか明確でなければ、どのように検証するのかという方法論は出てきません。
 初期のころからネットでの議論を見てきたものとしては、声高に「検証」を叫ぶ考古学者ほど、そこのところが明確ではないように見えます。

 杜の住人さんの発言から察すると「考古学の側から」「事実関係の解明」と「結果の公表」というのが重要な要素だと考えられているようです。

 このうち「考古学の側から」というのは考古学の方法論を敷衍してこのようなフェイクを見分けることができるのか、という問題に突き当たると思います。であれば、この問題は一朝一夕に結論が出るとは思えません。この問題については検証委員会などのパートタイムのものでなくじっくり腰をを据え、考古学研究法のひとつの問題として議論すべきと思います。
 ちなみに私見を言えば、このようなフェイクを見破るのは学者の仕事ではなく手品師の仕事だと思います。どの分野であれ、一般的に学者はこのようなフェイクに無力です。そのことは、擬似科学や新興宗教の起こす「奇跡」の類いをみれば明らかです。検証をすべきと考える方は、これまでどれほどの優秀な科学者が詐欺師に騙されてきたか、知っておいたほうがよいでしょう。

 「事実関係の解明」これはMTさんの言われるような関係者の証言を集めるしかありませんが、決定的なフェイクの瞬間を捉えられたのは今回が初めてですから、結局状況証拠でしかなく、結論は出せないでしょう。記録保存という見地では有意義ですが、事実解明の「解明」の部分にはほとんど役に立たないと思います。

  ”検証発掘”にしても同じです。もし、実際に出土したとしても過去に藤村氏が関与した資料をそのまま使えるのでしょうか。
  杜の住人さんは、そうなったとき確かだ、そのまま信用できると一般の方に胸を張れますか?検証発掘で出土したとしても、それはその資料が確かだということであって、藤村資料が確かだということになるのでしょうか。

 改めて冷静に「検証」を考える時が来ているようです。


 いわずもがなの付け足しですが「前期旧石器」在否の検証は、全く別の方法論となるでしょうから、そのへんをごっちゃにしないほうが良いでしょう。


[280] Re: 特別委員会の検証活動
投稿者名: 杜の住人
投稿日時: 2001年5月29日 23時28分


MT様、図書館通い様、ご意見をお聞かせいただき、ありがとうございました。

私が新しいスレッドをたててみなさんのご意見をうかがいたかった理由は、多摩ニュータウン471−B遺跡の調査報告をみて、検証の難しさを感じるとともに、個別具体的な例で考古学の立場からの有効な検証方法の有無に関心があったからです。各地の委員会の検証活動との関係はありません。

また、私の頭にある検証とは個別の遺跡の例でねつ造の有無について検討し、その可能性(ねつ造の行われた可能性が高いのか、分からないのか、行われなかった可能性があるのか)を考えるという程度のことです。それが可能かどうかも含めて考えてみたかったのです。

これまでのネット上の議論を無視するつもりはまったくありません。私なりにお聞かせいただいた意見を参考にまた考えてみたいと思います。


[281] Re: それぞれの検証活動
投稿者名: 図書館通い
投稿日時: 2001年5月30日 12時18分



> また、私の頭にある検証とは個別の遺跡の例でねつ造の有無について検討し、その可能性(ねつ造の行われた可能性が高いのか、分からないのか、行われなかった可能性があるのか)を考えるという程度のことです。それが可能かどうかも含めて考えてみたかったのです。

捏造が他の遺跡でもおこなわれていたかどうかは、直接的な証拠(目撃証言や一斗内松葉山のように仕込んだ石器が発見される)がない限りは、断定できず全て”わからない”になるのでしょう。(というより、”そういった証拠がなければ認めない”という考えに立つならば)
 ですから判断できるかどうかというのは、どのような判断基準をもつのかにかかってきます。

 杜の住人さんが、考古学関係者かどうか知りませんが、もし考古学に関りのある方で「考古学者自ら」ということが重要だとお考えならば、まず、ご自分のお考えを示されてはどうでしょうか。

 誤解されては困りますが、これは決して杜の住人さんに対する批判ではありません。南河内考古学研究所喫茶室でも少し議論があったようですが、関係する個々人が、それぞれ必要だと思ったことを個々の立場で行うことが大事だと思います。
 折角、検証自体に疑問を持っていることをこのような場で表明されたのであれば、さらに突っ込んだお考えを示していただければ、より議論が深まるものと考えるからです。

 杜の住人さんは、状況証拠をどのように評価すべきだと思いますか。どのような状況証拠が集まったとき捏造の可能性が高いと考え、どのような場合低いと考えますか。考古学ではどのような場合、資料なりデータを信用し、どのような場合信用しませんか。
 また、検証が捏造の有無の判断に結びつかないとするならば、検証の意味は何でしょうか。検証作業には、捏造の有無を判断する以外の意味もあるのではありませんか。あるとすれば、それはどのような事なのでしょうか。

それは関係する方個々それぞれが考え、発言して、初めて意味をもつことだと思います。

先のレスで述べた、改めて「検証」を考えるというのはそうした意味があります。


[282] Re: それぞれの検証活動
投稿者名: 杜の住人
投稿日時: 2001年6月1日 00時20分


>  まず、ご自分のお考えを示されてはどうでしょうか。

私も、一つの要素でねつ造の有無を考えることは、直接の証拠がない限り困難だと思います。ただし、一つの要素、例えば出土した石器の分布状況が不自然だというものなどを取り上げれば、それだけではねつ造があったとは断定できませんが、ねつ造があった可能性は高まります。蓋然性が高いということでしょうか。そしてもっと多くの要素で蓋然性が高まってくれば、その遺跡においてねつ造があった可能性は高くなるでしょう。

私ははこのような多角的な要素の検討の積み重ねで蓋然性を検討することが検証する有効な方法になりうるのではないかと思っています。

ねつ造が行われたとすれば、その遺跡では、石器の表面の状況、出土状態、検出の経緯など多くの要素で、ねつ造の存在を考えても矛盾のないあり方をすると思えるからです。

考古学の世界でも、ある特定の現象があるとすれば、その現象に関わる多様な要素において、その現象の存在に矛盾のない様相を示すことは知られています。それと同じと思います。

しかし、現実に私の考えるような方法を採用した多摩ニュータウン471B遺跡の調査委員会でも、灰色決着で十分な結論には至らなかったようです。

私はこの結果を見て、取り上げた要素が不足していたのか、有効な検討要素をみつけられなかったのか、考え込んでしましました。もしかしたら、ねつ造という事象を鋭敏に反映する要素がこれまでのネット上の論争に登場するしないに関わらず探せる可能性があるのかもしれないと期待したのです。

なお、私は検証活動に関する疑念を表明したのではないことを申し添えておきます。状況証拠につぃてのおたずねについても上記で一応お答えしたと思います。


[283] Re: 検証って(その2)
投稿者名: 図書館通い
投稿日時: 2001年6月1日 20時22分


杜の住人さま。わたしの問いかけに応えていただきありがとうございました。

 しかし、杜の住人さまあるいは検証委員会の皆様が明確な結論を見出せなかった理由は、「決定的な証拠」を必要としているからではないかと考えます。

 失礼ながら検証委員会の皆様は、最初から答えの出ないやり方で問題に取り組んでおられるような気がしてなりません。まず第一に目的があいまいです。いったい、検証委員会は何を検証しようとしているのでしょうか。どうやら「考古学的資料として使えるか使えないのか」ではないようです。それでは「捏造があったかどうか」でしょうか。そのへんがどうもわたしにはよくわかりません。(本当は、捏造があったかどうかを検証してどうなさるのですか、考古学者にとって大事なことは資料として使えるかどうかではないのでしょうか、とお聞きしたいところなのですが、まあそれはよしとしましょう。)

 第二に検証に「決定的証拠」を必要条件にしてらっしゃる。
  
 いわゆる「決定的証拠」−絶対にその時代にあり得ないものや付き得ない何らかの痕跡(“鉄分“や“カジリ”がそれにあたるのでしょうか)、埋めた痕跡、埋めた瞬間の目撃証言や証拠写真・ピデオの類があれば確認できるのでしょうか。
 ビデオ写真の類はそうかもしれない。埋めた痕跡でもいいのかもしれない。しかし、鉄分やガジリはどうでしょうか。実際に付いているものもあるようですね。

 それでは、そうしたものが付いているのだから、捏造と判断するのかと思うとそうではない。捏造でなくとも「付くことがないとは言えない」ということになる。

 これでは結論などでる訳がない。常に可能性がない訳ではないから、と言う理由で判断を保留していれば、「よくわからない」以外の結論などというものは出るはずがない。

 はっきり言いましょう。現在の状況は結論が出せないでなく、「出さない」のです。

 いくつかの要素を平面的に並べても結論はでません。仮に七つの要素があってそのうち四つが該当するからクロで、三つならシロということになるでしょうか。もちろんなりません。こうしたものの評価は単純な多数決ではないからです。
 問題となる要素がどのように関連し合い、それらを組み合わせたときどのようなことが、想定できるかということを立体的に考え、評価しなければならないのです。それが分析ということです。
 それは考古学者のみなさんがいつもやってらっしゃることではなかったのでしょうか。それとも、単に平面的に事実を羅列することで足りていたのでしょうか。
 
 あえて、挑発的な言い回しをしました。考古学者の皆さんの反論を期待します。

 杜の住人さま。なにか言いがかりをつけられているようにお感じになったかもしれません。そうならないように、わたしの発言の後に付けました。
しかし、もしそのようにお感じでしたら謝ります。決してあなた個人を批判しているわけではありません。ご容赦ください。


[284] Re: デザイン
投稿者名: 図書館通い
投稿日時: 2001年6月1日 20時29分


いろいろ言いましたが、結論としては、現在の「検証」には、実験に必要なデザインがない、ということです。この実験デザインの欠如は、ここまで「神の手前期旧石器」がもてはやされたこととあながち関係がないことではないのかもしれません。


[285] 捏造問題とかながわの旧石器研究
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年6月2日 09時52分


本当は御本人の投稿を待ちたいところですが、明日にせまっているので

6月3日(日) 13:00から神奈川県民センターで、神奈川県考古学会総会が開かれ、総会後に「かながわ考古学トピックス2001」として4氏により神奈川県内の各時代の動向・問題が発表される。
 その中に諏訪間順氏の「捏造問題とかながわの旧石器研究」という発表がある。「旧石器時代の石鏃」事件にふれられるのは必須。

情報源:「八ヶ岳旧石器通信」掲示板
http://www.avis.ne.jp/cgi-usr/tsutsumi_bbs.cgi

神奈川県民センターの地図
http://www.get5.net/schedule/kanagawakenminct.htm


[286] 文化財科学学会の全日程
投稿者名: koyugun (ホームページ)
投稿日時: 2001年6月3日 01時13分


第18回文化財科学学会(奈良大学)の全日程をUPしておきました。
興味がおありの方は、ご覧ください。
なお、この情報は、古環境研究所の杉山真二様よりいただいたものです。
http://himuka.org/bunkazaikagaku.htm


[287] Re: 文化財科学学会の全日程
投稿者名: 元企業技術者y
投稿日時: 2001年6月3日 04時59分


プログラムに残存脂肪酸分析は無いですね。発表者には、理工学系の所属が多いようですが、このような人たちが先の考古学協会総会に出席していれば、難波先生の発表に対していろいろな質問がでたことでしょう。考古学協会のメンバーと文化財科学学会のメンバーの重複は少ないのでしょうか。それと免疫学的な手法の発表はまだ少ないようですね。


[288] 多くはおられません
投稿者名: koyugun (ホームページ)
投稿日時: 2001年6月3日 18時11分


考古学協会にも加入されている方は、少数です。
他領域からの新方法の導入や学際領域を正面から取り組んでいる、
この文化財科学学会や、第四紀研究会の動向は注目したいと思っているのですが。


[289] Re: 学会名
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年6月3日 23時25分


日本「文化財科学会」と、日本「第四紀学会」ですので念のため


[290] Re: 学会名
投稿者名: koyugun (ホームページ)
投稿日時: 2001年6月4日 00時21分


はい、そのとおりです。省略しておりました。悪しからず。


[291] Re: 文化財科学学会の全日程
投稿者名: 太田浩司
投稿日時: 2001年6月4日 12時43分


> プログラムに残存脂肪酸分析は無いですね。(後略)

P88 が脂質分析の発表としてありますね.
ポスターセッションによるものです.

基礎研究のシリーズネタです


[292] 最近の情報onWEB
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年6月5日 00時21分


ちょっと最近さぼりすぎました。検証の進め方についても意見はあるのですけれど、まずはこの数週間にあがった情報を。

河合信和の人類学では「メッセージ」と「ニュース」を更新
http://www10.freeweb.ne.jp/diary/nobukazu/

「ニュース」に紹介されている総研レポートのエッセンスは
人類博物館の河合コラムコーナーで読めます
http://www.jinrui.net/prog/column/column.php3

「縄文学研究室」掲示板で星野遺跡が話題に。
http://www.jomongaku.net/cgi/bbs/lightx.cgi

2ch報道板の◆毎日スクープ舞台裏◆はめでたく完結
http://natto.2ch.net/test/read.cgi?bbs=mass&key=985356605&ls=20

日本考古学協会のサイトではお知らせのコーナーに前・中期旧石器問題調査研究特別委員会準備会の概要が掲載されました(5/28または5/29)。なお、先日の総会に関する情報は削除されてしまいました。相変わらず分かってませんね。
http://www.avenue.co.jp/~kouko/o_1.html

「宮城文化財発掘出土情報」では雑記帳(5月)に協会の討論会の概要が載っています。
http://cgi.members.interq.or.jp/orange/masashi-/cgi-bin/diary/diary.cgi?start=5&pass=

同サイトの「前期旧石器問題」のコーナーに 宮城県考古学会総会の報告
http://www.miyagi-ann.org/arc/ktm/miyagi.htm

南河内や「ふぇいくちゃっと」は当然チェックされているはずということで特に紹介はしません

あ、「情報局」はチェックされているでしょうか。埼玉県の今後の検証予定を掲載したりしてます
http://homepage2.nifty.com/HAYAKASA/godhand/


[293] Re: 最近の情報onWEB
投稿者名: MT
投稿日時: 2001年6月5日 00時50分


ついでながら
「永仁の壷」事件を検索していたところ、

関口広次さんという方の「旧石器捏造問題に寄せて」なる文章に当たりました(昨年12月23日の日付)。陶器を扱っている方(骨董商か)の見解のようです。
また、「骨董入門byたんどむ」というページの「その他のコーナー(その8)」でねつ造事件に触れていました。今年1月2日の日付。(ともどもすでに紹介済みでしたらご容赦)

永仁の一件、白洲正子・加藤唐九郎『やきもの談義』(そのweb上の引用)によれば、戦前の軍部がらみの文化的ねつ造が背景にあった模様。「責任」の勉強で見始めたのが案外、根深かったようです。


[294] Re2: 最近の情報onWEB
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年6月5日 01時33分


情報ありがとうございます

> 関口広次さんという方の「旧石器捏造問題に寄せて」なる文章

関口さんは陶磁器が専門の考古学者でした(本業は“ゴム屋さん”)
「考古の窓」 http://www.sg-r.co.jp/web/kouko/kouko-index.html

> また、「骨董入門byたんどむ」というページの「その他のコーナー(その8)」
URLは http://www.d2.dion.ne.jp/~tandm/newp27.htm


>戦前の軍部がらみの文化的ねつ造が背景にあった模様

加藤唐九郎の話は割り引いて聞いた方がよいと何かで読んだ記憶があります。


[295] 文春からの回答は?
投稿者名: bambi
投稿日時: 2001年6月5日 05時09分


> 文春からは、回答期限をを5月末にして欲しいとの要請が来ており、
> 現在文書での回答はございません。

賀川真様、
既に文春からの回答があったのでしょうか?
お差し支えなければ、お聞かせ下さい。


[296] Re: 文春からの回答は?
投稿者名: 賀川真
投稿日時: 2001年6月5日 10時18分


bambiさん、ご注目有り難うございます。
残念ながら文藝春秋社から今のところ回答はありません。
また、3月末の段階で、週刊文春の記者と称する者が、
私と兄に対して、個人のプライバシーに関する取材をしていたことが発覚したため、
それに対しても4月下旬に書面にて質問状を出しましたが、これにも回答はありません。
私どもは可能なかぎり誠実な話し合いで文藝春秋に臨もうと思っているだけに、
この状況は非常に残念です。
私どもは現在書面にて、早急に回答日を指定することを要請しております。
また、なにか動きがありましたらご連絡いたします。


[297] 日本人類学会大会
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年6月5日 21時29分


第55回日本人類学会大会・第17回日本霊長類学会大会 連合大会
http://anthro.zool.kyoto-u.ac.jp/jcon2001.html
会場 京都大学・京都国際会館
期間 7月12〜15日

内容はめちゃんこ盛りだくさんですが、その中に日本の「原人」と呼ばれたことがある化石人骨に関する発表が2件含まれています。

7/14 10:00 D29  葛生出土「人骨」資料群の年代について  松浦秀治,近藤恵(お茶大・生活科学)
7/14 14:30 S8-1 骨盤の進化と明石寛骨の解釈 馬場悠男(国立科学博物館・人類)

*日本3大原人まつりは葛生・明石・秩父です http://www.chichibu.co.jp/topic/2000/09/genjin/


[298] Re: 文化財科学学会の全日程
投稿者名: 元企業技術者y
投稿日時: 2001年6月5日 21時30分


太田さん
ご指摘そのとおりでした。生来のそそっかしさのため見落としていました。
「土器に吸着された脂質の基礎的研究(7)
  土器深部に強く吸着された脂質は環境と時間の影響を受けにくい−
   ○高木彰子(国際基督教大学教養学部) 堀内晶子(同)」
(7)報というと、ずっと研究されているのでしょうね。
元化学技術者の立場からいえば、観察事実の叙述よりも、何故そのような現象がおこるのか?の考察に興味があります。化学反応の機構との関連で、合理的な説明が可能なのか、です。


[299] Re: 文化財科学会
投稿者名: 早傘
投稿日時: 2001年6月5日 22時28分


タイトルの学会名直しときましたよ (^_-)

> P5 石器の新旧判定法の検討     ○長友恒人(奈良教育大学) 宮崎利靖(同) 佐藤良二(香芝市二上山博物館)

この発表の内容について共同通信が記事を配信してます。

河北新報ではこのページ
http://www.kahoku.co.jp/news_s/20010605KIIAKA01000.htm

他の地方紙も探すと、少しずつ表現は違うと思います

「比例」というのは誤解を招く表現で、いまのところ数式ではあらわせず、縄紋と旧石器は区別できそうだという程度のようです


[300] Re: 文化財科学会
投稿者名: koyugun (ホームページ)
投稿日時: 2001年6月5日 23時02分


早傘様
申し訳ありませんでした。

そうですか。長友先生のグループも、「神の手」事件の煽りをくらって、相当なダメージを受けていたそうですので、
ある意味ではその「リベンジ」ということができるかも知れませんね。
新聞記事から類推するに、相当量のチップを貰ってきて、あるレベルの顕微鏡か何かで調べまくったんでしょうね。


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