ISOTOPE
TURNING POINT

　アイソトープは人脈的にもカンタベリー・シーンと深いつながりを持っていたグループの一つです。リーダーのゲイリー・ボイルはインド生まれのギタリストですが、8歳の頃から家族とイギリスに移り住んでいるため音楽的にはインド的な特色をほとんど持たず、ヨーロッパ的な感覚のミュージシャンのようです。彼は68年にブライアン・オーガー＆ザ・トリニティへ参加するも1年後に解散が決まり、その後リーズ音楽大学で学位を取得し、70年代に入ってからキース・ティペットやマイク・ウェストブルックのアルバムに参加し、72年からはツトム・ヤマシタ・イースト・ウインドに参加しながら、73年に自己のグループとしてアイソトープを結成します。最初のメンバーにはイースト・ウインドで一緒だったナイジェル・モリス（ds）にロック・ワークショップのメンバーとして知られたブライアン・ミラー（k）とスタン・トレーシー・カルテットからニュークリアスに参加していたジェフ・クライン（b）という強力な4人だった。当時の音楽シーンはジャズ・ロックから洗練されたクロスオーバー（フュージョン）サウンドへと時代が流れていた時で、ゲイリー・ボイルのギターにはジョン・マクラフリン等の影響もみられるが、アイソトープとしてはリターン・トゥ・フォーエバーやウエザー・リポートといったアメリカからの影響も強く感じさせ、73年「アイソトープ」でアルバム・デビューをするが、早くもB.ミラーとJ.クラインが脱退。J.クラインはボブ・ダウンズのレコーディングに参加後、ギルガメッシュへと参加する。アイソトープは代わりにイースト・ウインドにも参加していた元ソフトマシーンのヒュー・ホッパーとローレンス・スコットというキーボード奏者を加えて、74年に2枚目「イリュージョン」を発表。翌75年3枚目の録音途中に新加入したH.ホッパーとL.スコットが脱退し、新たに女性白人キーボード奏者ゾー・クロンベルガーと男性黒人キーボード奏者フランク・ロバーツとベースにダン・K・ブラウンを加えて、76年に「ディープ・エンド」を発表するが、その後ゲイリー・ボイルはソロに転向したためアイソトープは解散したようです。
　アイソトープを脱退し、ギルガメッシュに参加していたジェフ・クラインは、77年に再びブライアン・ミラーと組みデイブ・ティドボール（s）とポール・ロビンソン（ds）にペピ・レマーという女性ヴォーカルを加え新グループ“ターニング・ポイント”を結成し、「Creatures Of The Night」でアルバム・デビューする。そのサウンドはアイソトープやギルガメッシュからの影響も感じさせつつ、よりメロウなフュージョン的なもので、翌78年には2枚目「Silent Promise」を発表したがその後、惜しくも解散してしまいました。

ISOTOPE「ISOTOPE」

アイソトープが73年に発表したデビュー作。ラスト1曲を除いて全てブライアン・ミラーの作曲で、アルバムとしてまとまりがあり、ヘヴィーなリフやファンキーなリズムが際立つテクニカルなジャズ・ロックを聞かせる。
[1973 Gull Records]

ISOTOPE「ILLUSION」

74年の2作目。サウンド的には前作の延長線的なものだが、ヒュー・ホッパーが加わり曲も提供しているため彼の個性がそのまま影響されているようで得意のファズ・ベースも全開でサイケなカンタベリーらしさが伺える。
[1974 Gull Records]

ISOTOPE「DEEP END」

76年の3枚目にしてラスト作。ツイン・キーボードになり音も楽曲もバラエティに冨クロンベルガーの美しいスキャットも聴け、より洗練されたフュージョン風になったが充実した力作です。
[1976 Gull Records]

Gary Boyle「The Dancer」

アイソトープ解散の翌77年に発表されたゲイリー・ボイルの初ソロ・アルバム。アイソトープの流れを汲みながらもデイヴ・マックレエ、サイモン・フィリップス等豪華なメンバーの活躍が光る傑作に仕上がった。
[1977 Gull Records]

Turning Point「Creatures Of The Night」

ギルガメッシュ脱退後にジェフ・クラインが結成したターニング・ポイントの1作目。アイソトープやギルガメッシュにウエザー・リポート等の影響も感じるジャズ・フュージョン的な音を聴かせる。
[1977 Gull Records]

Turning Point「Silent Promise」

ターニング・ポイントが78年に発表した2作目にして最終作。テクニカルな演奏にペピ・レマーの透明感あるスキャットが載りスリリングさと心地良さが絶妙なバランスを保っている。
[1978 Gull Records]

[ Hugh Hopper | GILGAMESH | NUCLEUS ]

	ISOTOPE「ISOTOPE」アイソトープが73年に発表したデビュー作。ラスト1曲を除いて全てブライアン・ミラーの作曲で、アルバムとしてまとまりがあり、ヘヴィーなリフやファンキーなリズムが際立つテクニカルなジャズ・ロックを聞かせる。 [1973 Gull Records]
	ISOTOPE「ILLUSION」 74年の2作目。サウンド的には前作の延長線的なものだが、ヒュー・ホッパーが加わり曲も提供しているため彼の個性がそのまま影響されているようで得意のファズ・ベースも全開でサイケなカンタベリーらしさが伺える。 [1974 Gull Records]
	ISOTOPE「DEEP END」 76年の3枚目にしてラスト作。ツイン・キーボードになり音も楽曲もバラエティに冨クロンベルガーの美しいスキャットも聴け、より洗練されたフュージョン風になったが充実した力作です。 [1976 Gull Records]
	Gary Boyle「The Dancer」アイソトープ解散の翌77年に発表されたゲイリー・ボイルの初ソロ・アルバム。アイソトープの流れを汲みながらもデイヴ・マックレエ、サイモン・フィリップス等豪華なメンバーの活躍が光る傑作に仕上がった。 [1977 Gull Records]
	Turning Point「Creatures Of The Night」ギルガメッシュ脱退後にジェフ・クラインが結成したターニング・ポイントの1作目。アイソトープやギルガメッシュにウエザー・リポート等の影響も感じるジャズ・フュージョン的な音を聴かせる。 [1977 Gull Records]
	Turning Point「Silent Promise」ターニング・ポイントが78年に発表した2作目にして最終作。テクニカルな演奏にペピ・レマーの透明感あるスキャットが載りスリリングさと心地良さが絶妙なバランスを保っている。 [1978 Gull Records]

ISOTOPE TURNING POINT

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TURNING POINT