HUGH HOPPER

 ご存じカンタベリー・シーン重鎮の一人、R・ワイアットや兄のブライアンと共にソフト・マシーンの前身ワイルド・フラワーズでベースを弾き作曲でも非凡な才能を見せていた彼は、初期ソフト・マシーンのローディーをしていたが、マシーンを脱退したケヴィン・エアーズの代わりに1969年急遽正式にマシーンに加わり2nd〜1973年の6thまで参加しマシーンをサイケなジャズ・ロック・サウンドから本格的ジャズ・サウンドへと導いていくことになる。そんな彼は73年に実験的な最初のソロアルバム「1984」を発表し、その直後マシーンを脱退した彼はツトム・ヤマシタの「イースト・ウインド」やそのイースト・ウインドにいたゲイリー・ボイルとナイジェル・モリスが結成した「アイソ・トープ」に参加し数枚のアルバムを発表しながらも数多くのセッションに参加した。そのひとつにアメリカ人ドラマーのジョー・ギャリヴァンのセッションでディーンとキース・ティペットと共に参加し「CUREL BUT FAIR」を出している。そして77年には、ディーンやチャリングにゲイリー・ウインドなども参加した2ndソロ「HOPPER TUNITY BOX」を発表。78年にはアラン・ゴウエン、エルトン・ディーン、デイブ・シーンらと「SOFT HEAD」を結成、後にドラムがピップ・パイルに代わり「SOFT HEAP」として活動。79年には3枚目のソロ「MONSTER BAND」を出し80年にはアラン・ゴウエンとのデュオアルバム「Two Rainbow Daily」などを出し精力的に活動していたが、80年代に入ると目立った活動が少なくなってしまいます。
 しかし90年代に入ると80年代が嘘のように突然また活発に活動を始めることになる。フィル・ミラーの「IN CAHOOTS」やヨーロッパのミュージシャン達と組んだ「HUGH HOPPER BAND」にゴングのディディエ・マレエブも加わった「SHORT WAVE」での活動の他、94年にはアメリカShimmy Diskの主催者クレーマーとの出会いから「A Remark Hugh Hopper」等を作り、カンタベリーに急接近してきたマーク・ヒューウィンズらとユニットを組んだり、95年にはシアトルのバンドCaveman Shoestre と合体して作られたバンド「Caveman Hughscore」で精力的な活動をする。拡散するカンタベリー・サウンドの前進として注目される「Hughscore」は、現在までに3作品が作られた。21世紀を迎えてもその勢いは留まらず、02年ホッパーのオリジナル・アルバム「Jazzloops」や03年には元ソフトマシーンのメンバーらと「ソフト・ワークス」を結成し「abracadabra」を発表し来日も果たしている。

Hugh Hopper「1984」

マシーン脱退直前に制作されたホッパーの1stソロ。
テープ操作により時間軸が延びたような実験的作品のライフワーク曲?「MINILUV」で幕を開ける。
[1973 Cuneiform Records1998/disk union]

Hopper/Dean/Tippet/Gallivan
「CRUEL BUT FAIR」

ホッパーが本格的ジャズ・サウンドへと転身するきっかけとなったか?アヴァンギャルド・ジャズの大傑作セッション・アルバム!すばらしいです。
[1976 One Way Records1995]

Hugh Hopper「HOPPER TUNITY BOX」

ゲストも多彩でホッパーの作曲センスに唸るファズ・ベースと魅力満載の2ndソロアルバム。
デイヴ・スチュワート、ゲイリー・ウインド等が参加。
[1977 COMPENDIUM RECORDS/Culture Press1996]

Hugh Hopper「MONSTRE BAND」

テープ操作にお得意ファズ・ベースがバリバリと唸りエルトン・ディーンも加わったライブ音源も収録しているホッパーらしい3枚目のソロアルバム。
[1979 Enzo Hamilton/Culture Press1996 ]

Hopper/Dean/Tippet/Gallivan「MERCY DASH」

76年に大傑作「CRUEL BUT FAIR」を生んだセッションの再会アルバム。ハットフィールドの「CALYX」で幕をあける。

[1985 Enzo Hamilton/Culture Press1996]

HUGH HOPPER BAND「MMECCANO PELOURS」

オランダとフランス人プレイヤーにヒュー・ホッパーが加わったジャズ・ロックバンドの2作目。ホッパーの「Miniluv」やディーンの「Seven For Lee」なども演奏している。
[1991 Wayside Music]

Hugh Hopper & Kramer「A Remark Hugh Made」

ホッパーとクレーマーのコラボレーション1作目。
R・ワイアットの歌もすばらしくビートルズのカバーなども聞けるちょっと変わってるけど美しいポップス。
[1994 Cuneiform Records/1998 disk union]

MASHU「Elephants in your head?」

ゴングやソフト・ヒープに参加したりポライト・フォースなるバンドを結成しているマーク・ヒューウィンズ(G)とシャイマル・マイトラ(Ds)にホッパーを加えたユニットによるインプロ・ライブ。
[1996 Voiceprint]

Hugh Hopper & Kramer「Huge」

ホッパーとクレーマーのコラボレーション2作目。
前作とはうって変わってインスト中心でホッパーのベースプレイが存分に味わえるクレイマーのサイケ趣味感じる無国籍音楽。日本盤のみボーナス1曲付
[1997 Creativeman disk]

Caveman Hughscore「Caveman Hughscore」

シアトルのCaveman Shoestreというバンドにホッパーが加わったヒュースコアの1枚目。
音響派の逆影響等意欲感じる聞き応えある傑作!
[1995 Tim Kerr Records]

HUGHSCORE「HIGHSPOTPARADOX」

Dsのフランゾーニの脱退に伴いバンド名もヒュースコアと短縮され、ホッパーの「Miniluv」で始まるヒュースコアの2作目。イレイン・ディファルコのヴォーカルが心地よい。
[1997 Tim Kerr Records]

HUGHSCORE「Delta Flora」

絶好調なヒュースコアの3作目。ソフト・マシーン「facelift」のカバーを含み、E・ディーンも参加している。

[1999 Cuneiform Records]

HOPPER S.KLOSSNER「Different」

S・クロッスナーの詩にホッパーが作曲し、打ち込みサウンドをバックにホッパーのベースとゲストにE・ディーン等を起用して仕上げられた唄物アルバム。
[1999 Blueprint]

Jan Ponsford Frances Knight Hugh Hopper Vince Clarke「The Swimmer」

Knightのキーボード、Hopperのベース、Clarkeのドラムによるトリオ編成にノーマ・ウインストンにも似たPonsfordのスキャットがなんとも魅力的。
[2000 Voiceprint]

Hugh Hopper Simon Picard Steve Franklin Charles Hayward「NUMERO D'VOL」

ホッパーのリーダー名義になっているようだが、4人が対等に渡り合っている感じで、最近のホッパーの活躍ぶりを反映した聞き応えのあるサウンドに仕上がっている。
[2007 MoonJune Records]

HUMI (Hugh Hopper & Yumi Hara Cawkwell)
「DUNE」
ヒュー・ホッパーお得意の重いファズベースとデジタルエフェクト音を効果的に使ったサウンドをベースにユミさんの繊細かつ大胆なキーボードプレイと日本民謡をモチーフにしているというヴォーカルが乗り独自な世界観を作り出している。
[2008 MoonJune Records]

[ SOFT MACHINE | ALAN GOWEN/SOFT HEAD/SOFT HEAP | PHIL MILLER IN CAHOOTS ]