Hatfield and the North
National Health

 ハットフィールド&ザ・ノースはカンタベリー・シーンの中でも私の一番のお気に入りかつ一般的評価・知名度も高いグループです。
1972年の暮れにキャラバンを脱退したリチャード・シンクレア(b,vo)、デリバリーやマッチング・モールに在籍してたフィル・ミラー(g)、同じくデリバリーのピップ・パイル(ds)とフィルの兄のスティーブ・ミラー(key)の4人で結成されるが、スティーブ・ミラーは1ヶ月で脱退しキャラバンのデイヴ・シンクレアに代わるも彼も翌年には脱退し元エッグのデイブ・スチュワートが加入し黄金のラインナップが完成する。
 74年3月遂にファーストアルバム「Hatfield and the North」を発表。高度で複雑だがカンタベリー的ウイットかつユーモアにあふれ聞けば聞くほど味わい深いアルバムを発表。次いで75年には必ずロック名盤などにも挙げられる名作「The Rotters'Club」を発表しカンタベリー・シーンの頂点に立つがプロモーション・ツアー中にリチャード・シンクレアが脱退しあえなくバンド解散します。(何故に、惜しい!)
 解散後デイヴ・スチュワートはギター2、キーボード2編成でより緻密でオーケストラルなサウンドを目指し、ハットフィールドの残りのメンバーとアラン・ゴウエン(key)率いるギルガメッシュというグループを合体させイエスやキング・クリムゾンのドラマー、ビル・ブラッフォードを加え活動しようとするが、諸事情により77年のアルバム発表時にはハットフィールズにベースがニール・マレイに代わった形になってしまい、アラン・ゴウエンやアマンダ・パーソン(cho)がゲスト扱いとなり「National Health」を発表。そして78年ベースがジョン・グリーブスに変わり「Of Queues and Cures」というアルバムを発表するが商業的に振るわず、その後デイヴ・スチュワートがビル・ブラッフォードのバンドに加わり再びアラン・ゴウエンを加え活動するも、81年白血病のためアラン・ゴウエンが亡くなってしまい結局バンドは解散する。しかしその年、一時的にアラン追悼のためバンドは再結成され「D.S.al Coda」というすばらしいアルバムも出しています。
 ところが2005年遂にハットフィールド&ザ・ノースが再結成されました! 残念ながらデイヴ・スチュワートは参加せず代わりにアレックス・マグアイアを迎えて10月には来日も果たし新曲もまじえてすばらしい演奏を聴かせてくれました。しかし翌06年8月26日ピップ・パイルが突然他界してしまいました。

Hatfield and the North「Hatfield and the North」

セカンドに負けず劣らずピップ・パイルの作曲が光るR.ワイアットも参加した傑作これぞカンタベリー!

[1974 Virgin]

Hatfield and the North「The Rotters'Club」

名盤中の名盤!1stより洗練され4人のすばらしいプレイが堪能できます。デイヴの20分超えの大曲「マンプス」はまさに圧巻!リチャードのvoも楽しい。

[1975 Virgin]

Hatfield and the North「LIVE 1990」

1990年TV収録のための再結成ライヴ。デイヴ・スチュワートが不参加で少々もの足りませんがパイルの新曲も聞けます。

[1993 CODE 90]

Hatfield and the North「Hatwise Choice」

遂に出た公式発掘音源集第1弾!73年〜75年までのBBCラジオ1セッションやライブ音源にボーナスとして"CALYX"のデモを収録。

[2005 Hatwise Choice]

National Health「National Health」

ナショナル・ヘルスのファースト。ハットフィールドをもう少しジャズっぽくしたようなサウンドでデイヴとアランの2キーボードは聞き応えがあります。

[1977/1997 SPALAX MUSIC]

National Health「Of Queues And Cures」

ヘルスの2作目、ベースがジョン・グリーブスに変わり、よりサウンドカラーも広がりを見せ緊張感漂うサウンドが聴ける傑作。

[1978/1989 Century Records]

National Health「D.S. al Coda」

81年白血病で亡くなったアラン・ゴウエンを偲び再結成され、アランの楽曲を再演した追悼盤。改めてアランの楽曲の良さを知るとともに演奏のすばらしさも◎、リチャードもヴォーカルで参加。
[1981/1995 Voiceprint]

National Health「COMPLETE」

ナショナル・ヘルス上記3枚のアルバムすべてと未発表曲2曲(内1曲は下記にも収録)を加えた完全盤。お買得!

[1990 East Side Digital]

National Health「Missing Pieces」

デビュー前のライヴやデモなどを集めた初期のレアトラック集。ファンにはたまらない涙物!

[1996 Voiceprint]

National Health「Playtime」

これまたびっくりな発掘音源!デイヴ・スチュワートが脱退しアラン・ゴウエンが復帰した最後期のナショナル・ヘルスです。内容もそうですが、資料的な価値も高いこれまた涙物の一枚。感動!!
[2001 Cuneiform Records/disk union]

[ Richard Sinclair | Dave Stewart & Barbara Gaskin | Phil Miller in Cahoots ]