名探偵ピンじろうシリーズ
10本足の怪物

名たんていピンじろうに挑戦!

佳作
古川北斗さんの回答


 連載初期、10本の足跡の製造は『オバQ』が関与しているのでは? と漠然と考えていました。Qちゃん、P子、O次郎、ドロンパ、U子さんでムカデ競争の練習をしていたのです。彼らの足跡と、三本指の足跡はそっくりです。しかし、その推理も10本足のゲタの存在により瓦解してしまいました。
  そこで、ちょっと目先を変更してみました。
  ダイヤが欲しかった谷山は、「Qちゃん」の犯行にみせるために10本足のゲタを履いて、雪の中を練り歩きました。ゲタが10本足なのは、その方が、一度にスタンプ出来る足跡が増えて楽できる、という安易な考えからです。ダイヤを盗む日だけを狙ってゲタ跡をつけると偽装だとばれるかもしれないので、「Qちゃん」はいつも練り歩いているんだぞ、という証拠作成を三日間行ったのです。そのとき、谷山の足跡をつける作業を目撃した被害者三人は、ホンモノの10本足の怪物だと勘違いして、その場で気絶してしまったのです。
  気絶してしまった人を、そのままにしておくのは忍びなかった谷山。しかし、自分で介抱すると、犯行がばれてしまうので、恋人の黒宮に連絡をとって、彼女に現場へと来てもらいました。
  現場に来た黒宮は、気絶している人を発見する。そのとき、気絶していた人は、意識を取り戻すのだが、目の前の黒宮を10本足の怪物だと勘違いして、襲いかかってしまいました。だけど、逆に黒宮は、護身用のサメの歯で返り討ちにして殺害してしまうのです。その後、谷山は、まんまとダイヤをせしめるのでした。
  ちなみに再三に渡って目撃されていたUFOは、「ぼくにぬれ衣をきせようとしている真犯人を捕まえるぞ」と探偵しているQちゃんです。Qちゃんは空を飛べますから、ピンじろうが目撃した不可解な途切れた10本足跡は、Qちゃんが調査途中、実験的に10本足跡をつけた後、その行為に飽きて飛んで行ってしまったのです。

 僕からのコメント

 全応募作の中で、もっとも奇抜な回答。なんたって、「オバケのQ太郎」が登場するんですからね(笑)。いわれてみれば、初回に登場する足跡の写真って、確かにオバQそっくりだ。UFOの正体が実は探偵Qちゃんだったってのも爆笑。
 谷山と黒宮の関係を真相に絡めたあたりもお見事。被害者全員が同じパターンで殺されるっていう推理は、あまりにも偶然が重なりすぎだとは思うけど、なかなか意外で面白いですよね。そりゃ、あんなにもまつげの長い女が現れたら、誰だってびっくりするわな(笑)。


 

この物語についての解説