ピンじろうは、また話をはじめた。
「まずAは、トリックのためにじゅんびをはじめた。まず、ダイヤをぬすんだ後のかくし場所を作ることだ。盗んだ後、ダイヤをみつけられたら、それでおしまいだからね。そこでAは森の奥へ行き、大きな一本の木の大木の中をくりぬいた。その中へ(ダイヤを)かくそうと思ったのだ。
Aの目的は、ダイヤを盗むことだけだった。しかし、自分のアリバイを作るためにAは、まず田川という男を殺した。つづいて吉田、理田と……。全て雪のふる晩に殺した。
そう……。Aの名字のはじめの部分は『じ』だった。田川の『た』、吉田の『よ』、理田の『り』。こうしたら次は自分が殺されると誰もが思うと、思ったのだ。
その通り、この私……ピンじろうは、そのトリックにまんまとひっかかった。私はAにつきっきりだった。これでアリバイはできたのだ。
それでは、どうやってダイヤを盗んだのか……。それは、私がつきっきりだったAは、実はにせもののAだったのだ。そう……(偽物の)Aは多分、Aの友人か何かだろう。にせもののAは、変そうしてAになりきっていたのだ。
もうそろそろ、犯人の名前もいってもいいな。字水君……」
字水はギクッとした。
ピンじろうは、また話をはじめた。
「にせもののAというのは、実は田中だった。田中は変そうをし、字水になりきっていたんだ。
私がどうしてそれをみやぶったかというと、私が字水……いや、田中ににんじんとピーマンをあげた。(日本語が滅茶苦茶……(汗))字水はにんじんが好きでピーマンは全然食べないが、田中はピーマンが好きだったのだ。あの時、字水はピーマンばかり食べていた。それでにせものと思いはじめたのだ。
もう1つ。せんめん所に、えのぐがついていたときがあった。あれは変そうのため顔にぬったえのぐがとれたのだ。字水がなぞの箱をもやした時、そこにはえのぐが入っていた。あれは、変そう用のえのぐだったのだ。だから私に、見られたくなかったのだ。
私がにせものの字水の相手をしている間に、本物の字水はダイヤを盗んだのだ。田中殺人事件の時も同じことだ。
字水が怪物におそわれかけになったことがあったが、あれは全て字水の作ったでたらめだったのだ。だからあの時は、足あとがどこにもなかった。
さて、田中が殺される前の日、私はだれかが字水の家に来たのを見ていた。後から字水に聞くと、『田中がやってきた』といったが、実は反対だったのだ。あの時は、字水がやってきて、今まで変そうしていた田中が返っていったのだ。この時、2人がいれかわったのだ。
谷山が(を?)警察へこっそり連れていった時、そのことを知っていたのは、私と警察と字水だけだった。それで、谷山が見張られていることを知った字水は、谷山がしゃくほうする(される?)までは何もしなかったのだ。
事件がある前には、必ずUFOがとんだ。これも字水の考えだしたトリックだった。
(次回、感動の最終回!)