ピンじろうはさんぽをしながらすいりをしていた。
(やはり犯人が字水とは思えない。やはり谷山だ。しかし、谷山は犯人ではないといい張るし、決定的しょうこはどこにもない。字水が犯人なら、私とずっといっしょにいることはできないはずだ。ようぎ者は谷山か字水! しかし、どっちも犯人ではないらしい)(かなり混乱しているよーだ)
こんなことを考えている家に、冷たいものがほおにあたった。
「ヒッ! 冷たい」
ピンじろうは思わず声をあげた。
「また雪か……。多分、おそわれることはもうないと思うが、念のため、字水の家へ行ってくるか……」
ピンじろうは字水の家へ上がった。
「お茶をいれてきますから」
字水は台所へいった。ピンじろうはフワフワしたいすにすわった。
(おや? あれは……)
ピンじろうは部屋のすみにある1つの箱をみつけた。
(何がはいっているのだろう)
ピンじろうは箱を開けようとした。
「やめてください!」
字水はさけんだ。
「その箱をあけるのはやめてください!」
「なぜだい。別に箱をあけたら、おじいさんになるわけじゃないだろう」(ははは(乾いた笑い)……)
「みられたくないんです!」
字水はピンじろうから箱をとりあげた。
「帰ってください! ピンじろうさん!」
字水はさけんだ。
「しかし……」
「帰ってください」
「わかったよ」
ピンじろうはくつをはいて家をでた。(そりゃ、靴は履くだろうな)
「いったい、あの箱の中には何がはいっているのだろう……。何か事件に関するものなのだろうか)
ピンじろうは考えた。
(ようし! きっと、あの箱の中の正体をあばいてやる!)
ピンじろうはそう考えた。(くどい)
――何をもやした!?――
ピンじろうは次の日からずっと、字水をかくれてみていた。(笑)あの箱の正体をあばいてやろうと思っているのだ。
「おやっ?」
ピンじろうは字水が何かをかかえて庭へ運びだしているのをみた。
「何を運んでいるのだろう」
ピンじろうは字水のもっているものをよくみた。
「あっ! あの箱だ!」
ピンじろうはさけんだ。思わず大きな声でさけんだので、字水に気づかれそうになった。
字水のもっているものは、あの時の箱だった。字水はその箱を庭におくと、ポケットからライターをとりだし、箱に火をつけた。
「あっ!」
ピンじろうは大声でさけんだ。字水がこっちをふりむいた。箱はメラメラともえている。ピンじろうは自分の上着をぬぎ、火をおさえつけた。
火はおさまったが、半分以上はもえつきてしまった。
ピンじろうは箱のふたをあけた。
「!!」
ピンじろうは声もでなかった。ただ、おどろくばかりだった。
「こ、これは……」
(次回、箱の中身が明らかに! さらに、字水の驚くべき秘密が!)