名探偵ピンじろうシリーズ
10本足の怪物
第6回

 

 ――事件はおきない――

 中から谷山がでてきた。しかし、ピンじろうの顔をみると、すぐに家の中へにげいった。
「谷山さん、私はあなたをたいほしにきたんじゃありません」
 ピンじろうがそういうと、また谷山はそろそろとでてきた。(谷山さん、なんだか可愛いな)
「なんですか、ピンじろうさん」
「ちょっと警察まできてもらおう」(いきなり、口調が変わるピンじろう) 
「ええっ!」
「いや、たいほするんじゃないよ。ちょっとある実験をしようと思っているんだ」
 ピンじろうがそういうと、横にいた字水がいった。
「なんですか、その実験って?」
 ピンじろうは字水にないしょ話でいった。
「この谷山を警察でずっと見張っているんだよ。もし、その間にまた事件が起きたら、谷山は犯人じゃないということがわかるだろう」(そんな安易な……)
「なるほど。さすがピンじろうさん」(感心するなよ)
「さあ、谷山さん。警察へ行こう」
 谷山はピンじろうにつれられ、警察へいった。(谷山を見張ってるだけじゃ駄目なのか? 警察に軟禁なんて許されるのか? 新米探偵のピンじろうにそんな権限があるのはなぜ? そもそも、警察はこれまで谷山を見張ってなかったのか? ……ツッコミどころいっぱいです。うわーい)
 それから2日後、雪がふった。4日めも雪がふった。
 しかし、事件は何も起きなかった。
 6、7、8日めも雪がふった。しかし、事件は全くおこらなかった。(よく降りますな。雪国なんでしょーか?)
(やはり、谷山が犯人なのだろうか)
 だれもが谷山が犯人だと思った。
「お前が犯人なんだろう! 白状しろ!」
 しかし谷山は、
「自分はぜったいに犯人ではない!」
 といいきった。
 12日後……また雪はふった。しかし、何もおこらなかった。

 ――字水があやしい――

 15日めのことだった。この日は、冬にしてはあつい日だった。(暑いって……(笑)。せめて暖かいといってくれ)
「ジリリリリン」(くどいようですが、電話です)
 ピンじろうの家に電話がかかってきた。
「はい。便ですが……」
 受話器から声が聞こえてきた。友人の水谷からだった。
「便さん。とうとう便さんの予想はうらぎられましたね。た・よ・りの次は『じ』ではなく、頭文字が『た』の人でしたね」(事件があってから15日後に、そんな電話をかけてこられても……。事件現場で顔を合わせたんじゃないのか?)
「ああ、まったくだ。ところで用件はなんだい」
「実はダイヤ盗み事件(笑)の時、犯人らしい男をみたという人が現れましてね。にがお絵を書いてもらったんですが、それが字水の顔にそっくりなんです」
「なんだって! しかしその日、私は字水につきっきりだったんだよ。それに足あとだって谷山から……」
「私もそう思ったんですが……。しかし、なんらかのトリックを使えば……」
「なるほど。でも、どんなトリックを!」
「さあ。私にもわかりませんがね……」
「うーん……」
「あ! それからダイヤ盗み事件の前夜、UFOをみたという人がいました」
「!!」
 ピンじろうはおどろいた。
「いや、水谷君。実は私も、田中が殺される前夜にみたんだよ」
「なんですって!」
「UFOと事件は、何かかんけいがありそうだな……」
 ピンじろうは考えこんでしまった。
「UFOか……」

(次回、字水が容疑者に!)


 

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