UPDATED 97/11/24
映画の感想のぺージです
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[フィフス・エレメント]
[コンタクト]
[キャッツ・アイ]
[シャ乱Qの演歌の花道]
[スクリーム]
[17 セブンティーン]
[スピード2]
[バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲]
[バスキア]
[THE END OF EVANGELION]
[ロストワールド:ジュラシックパーク]
[もののけ姫]
[世界の涯てに]
[誘拐]
[失楽園]
[ロストハイウェイ]
[東京夜曲]
[好男好女]
[コーカサスの虜]
[香港大夜総会]
[レリック]
[スター・ウォーズ 特別編]
ピーター・グリーナウェイの枕草子 "THE PILLOW BOOK"
監督 ピーター・グリーナウェイ
出演 ヴィヴィアン・ウー ユアン・マクレガー
うーん、相変わらず彼らしいものすごい映画でした。4分の1位、ボカシが入っています(笑)
何とも形容の仕様がありません。
耳なし芳一か刺青あり、という感じの映画です。身体に文学を書き込んでいく話です。緒方 拳や吉田 日出子が違和感なく収まっていところはさすがですが、主役を日本人ではないヴィヴィアン・ウーが演じていたのが、ちょっと残念。日本人の我々から見るとかなり変なところもありますが、西洋人から見るとこうみえるのかな。しかし、日本語や漢字等はほとんど正確の様です。「トレインスポッティング」で有名になったユアン・マクレガーも出ています。
愛する
監督 熊井 啓
出演 酒井 美紀 渡部 篤郎
新生日活の第一作ですが、はっきり言って時代錯誤な作品です。遠藤周作の原作の設定を現代に持ってきているようですが、連れ込み旅館や町工場などかなり無理があります。相手役の渡部篤郎はともかく、主役の酒井美紀は適役です。はっきり言って彼女しかできない役でしょう。それがかなりもったいない使い方になっています。ストーリーはトントンと進んでいますが、彼女の心情の変化についていけません。なぜ彼を好きになったのか、なぜ病院に残る気になったのか。十字架を下げていますが、信仰があるのかどうかさえわかりません。岸田今日子や患者役の人々がよかっただけに非常に残念な感じがします。
20世紀ノスタルジア
監督 原 将人
出演 広末 涼子 圓島 努
この映画はちょっと見逃せない映画てした。映画の内容どうこうよりも主演の広末のアーティストパワーがすごいのです。彼女がメジャーになる前から撮っていた映画なのですが、画面から魅力?があふれています。宇宙人が取り付いているという高校生と共に、高校の放送部の広末が世紀末の東京の風景をビデオに撮っていくというストーリーで、実際に彼女たちが撮っているビデオ画像が使われています。歌も変に印象的で耳を離れません。監督が若い人でなく長く自主映画等を撮っていた原将人ということと作品としての映画と中で使われているビデオの差があまりないというのが、悲しい現実ですが、印象的な作品でした。
ベスト・フレンズ・ウェディング "MY BEST FRIEND'S WEDDING"
監督 P・J・ホーガン
出演 ジュリア・ロバーツ ダーモット・マルロニー
結構評判がよいようなので、期待していて観に言ったのですが…。とはいうものの悪くもないです。主演のジュリア・ロバーツは久々の好演でしたし、もう一人のヒロイン、キャメロン・ディアスもなかなか可愛いかったです。ルパート・エヴェレットもなかなか誠実だが、とぼけた感じでよかったです。バート・バカラックを主体とした音楽の使い方もなかなか、あれほど下手な歌でも感動ものだし、食事シーンのミュージカルっぽい歌もよかったです。ロバーツがパワーブックでメールを送るシーンがあつたのですが、パワーブックを電子手帳と訳していました、戸田奈津子さん。(笑)
Lie lie Lie
監督 中原 俊
出演 豊川 悦司 佐藤 浩市
「12人の優しい日本人」「櫻の園」の中原俊が監督で、中島らもが原作とくれば、観にいかないわけには行きません。(笑)しかし、脚本が悪いのかちょっと消化不良の作品になっています。特に前半での豊川悦司と佐藤浩市のやりとりがかったるく、豊川が単なる嫌な奴にしか見えなくなっています。時間の遡り方も変だし…。しかし、後半3人組になっての詐欺の話になると俄然スピードアップして小気味いい展開になっています。そう言った意味において鈴木保奈美が評価に値しています。美人でかっこいい編集者、それでいて酒飲み(笑)と言ったへたすると嫌われる役柄なのですが、なかなかうまくこなしています。パワーブックを使用するシーンもあります。
東京ではトヨエツの舞台挨拶みたさに行列ができたそうですが、休日に観客7〜8人という小倉の映画館は悲しいですね。
バウンド "BOUND"
監督 ウォシャウスキー兄弟
出演 ジェニファー・テイリー ジーナ・ガーション
なかなか拾いモノの一本です。マフィアの情婦とその隣りに住むムショ帰りの女性が、マフィアの金を横取して逃亡を企てるというストーリーです。ストーリー自体はそれほど感心すべきものでもないのですが、カメラアングル等の撮り方や主役の女性のカッコよさがとてもいいです。
ジーナ・ガーション、あまり見覚えがないのですがかっこいいです。マフィアの情婦であるジェリファー・テイリーとレズの関係になるのですが、ムショに入ったのも相棒の裏切りのせいだとかでとてもクールです。それに対してマフィアたちがとても情けない(笑)
導入のカメラの動きからはまってしまった一本でした。犯罪モノですが、女性の方にもお勧めします。
監督のウォシャウスキー兄弟はスタローンの「暗殺者」の脚本を書いた兄弟とのことですが、そちらも見てみましょう。
フィフス・エレメント "THE FIFTH ELEMENT"
監督 リュック・ベッソン
出演 ブルース・ウィルス ゲイリー・オールドマン
結構気に入りました、この映画。確かに大げさな映像の割にはシンプルなストーリー。SF映画とも思えない細かいドタバタなギャグ(笑) しかし、この映画に正統派SF映画を求めるものではないと思います。「マーズアタック」と同じ様にリュック・ベッソン流のSFオマージュだと思います。
リュック・ベッソンらしさは随所に表れています。特にヒロインが泣きながら戦うシーンは「ニキータ」や「レオン」の流れだし、ヒロインそのもののイメージも似ています。ゲイリー・オールドマン何かは「レオン」のまんまだし(笑) 特に2つ目の箱のシーンなんかは場内バカ受けでした。彼のラストもレオンの時みたいだったし。DJのクリス・タッカーも面白いキャラでした。下手にヒロインのミラ・ジョヴォヴィッチを戦闘シーンに入れないで彼を入れたのが、逆に効果的だったのでしょう。
それに対してまた映像がすごいです。冒頭のエジプトのシーンからわくわくさせられますし、未来都市がまたすごい。ゴルチエの衣装も強烈だし、歌姫の歌もよかったです。
レオンみたいに後々まで残る映画にはならないかも知れませんが、これはこれで好き映画になりそうです。
コンタクト "CONTACT"
監督 ロバート・ゼメキス
出演 ジョディ・フォスター マシュー・マコノヒー
これはちょっと解釈が難しい映画ですね。SF映画でもあり、それに対する宗教映画のようでもあり、人間ドラマでもあります。あの「コスモス」の故カール・セーガンが噛んでいることもあり、真ん中へんの論理やセリフは単なるSF映画より難しい感じもしてちょっとだらけるのですが、冒頭のカメラの引きのシーンと終盤のシーンの映像の美しさだけでも観る価値がある映画だと思います。ジョディ・フォスターの演技は子役も含めてかっこ良すぎた感がありますが、マシュー・マコノヒーはどうかなぁ。問題の大統領のシーンはやりすぎだし、逆にポットの仕掛けや記憶カメラの謎の辺はちょっとちゃちな感じもします。それになぜ最後に磁石をださなかったのかな。でも、この際人間の存在価値について考えるのもいいかも知れません。
キャッツ・アイ
監督 林 海象
出演 内田 有紀 稲森 いずみ
林 海象は割と好きだし、前のマイク・ハマーシリーズもよかったのですが、これはちょっとトホホな感じがします。脚本のせいなのかそれとも内田 有紀のせいなのか…。稲森 いずみと藤原紀香は怪しくていいのですが(笑) 共演が原田喧太、山崎直子、ケイン・コスギと二世ばかりなのは笑えます。
シャ乱Qの演歌の花道
監督 滝田 洋二郎
出演 つんく 陣内 孝則
寅さんや釣りバカ日誌をあまり見ない私にとって、久しぶりにとても笑える邦画コメディでした。つんくというのはとてもいいキャラクターだと思います。脚本も割とよくできていて小気味のいい裏切り方をしてくれます。陣内孝則とか平幹二朗の大げさな演技もなかなかです。
スクリーム "SCREAM"
監督 ウェス・クレイブン
出演 ネーブ・キャンベル ドリュー・バリモア
宣伝を見られた方もいると思いますが、ホラー映画です。でもただのホラー映画ではありません。とても面白いのです。脚本もよくできていますし、恐いだけではありません。思わず笑ってしまうシーンさえあるのです。そして正しいホラー映画の見方も教えてくれます。(笑)
監督は「エルム街の悪夢」の監督ですが、とてもうまいですね。観客の期待にうまい具合に応えたり裏切ったりしています。ホラー映画が好きなアメリカでヒットしたというのもうなづけます。ETのドリュー・バリモアもでていますが、ここのシーンが一番恐いかも知れません。
この映画は日本でも6月頃公開の予定だったのですが、例の神戸の事件のせいで公開延期になった映画です。その賛否についても考えてみるのもいいかも知れません。お見のがしなく。
17 セブンティーン "TELLING LIES IN AMERICA"
監督 ガイ・ファーランド
出演 ブラッド・レンフロ ケビン・ベーコン
60年頃の古き良き時代のちょっとほろ苦い青春の話です。人気が出てきたブラッド・レンフロが主役で、あこがれのDJ役ケビン・ベーコンがまたいい味出しています。主人公は父親とハンガリーから逃れてきた高校生、アメリカの市民権を得ようとしていますが、まだ発音がままならない言葉もあります。ふとしたことであこがれのDJの助手を勤める様になりますが…というストーリーです。華やかそうな60年代の陰でこういうこともあったのかという新発見と様々なヒット曲のオンパレードがいいです。ケビン・ベーコンが一曲書いているようです。「アメリカで嘘を付けば…」という原題がこの作品の言いたいことを示しています。
スピード2 "SPEED 2: CRUISE CONTROL"
監督 ヤン・デ・ボン
出演 サンドラ・ブロック ジェイソン・パトリック
単独でみればそこそこ面白い作品ですが、前作「スピード」の出来を考えれば、ちょっと不満足な作品だと思います。前作あれほどサンドラ・ブロックの魅力がなくなってしまい、ジェイソン・パトリックを
含めどうでもいい主人公になってしまっています。サンドラ・ブロックの性格描写が甘く、ちょっと嫌な女性だと思えるのです。敵役のウィレム・デフォーはそれなりにがんばっているのですが、何か動機と作戦が弱いのも難点です。豪華客船が港に突っ込むシーンが撮りたくて、それまでの過程を手加減してしまったような感じさえ受けます。様々な乗客が乗っているので人間ドラマにする手もあったのですが、そうでもなく見ている間だけのそこそこ面白いアクション映画にしか過ぎなくなっています。残念。
バットマン&ロビン Mr.フリーズの逆襲 "BATMAN & ROBIN"
監督 ジョエル・シュマッカー
出演 アーノルド・シュワルツネッガー ジョージ・クルーニー
近頃お約束の環境問題等を取り入れ、そこそこの出来には仕上がっているもののそれ以上の出来ではなかったです。CG等はなかなかのものがありますが、脚本のせいでしょうか。シュワツネッガーやユマ・サーマンもねぇ。アリシア・シルバーストーンもあんなに身軽とは言えない体つき。
以前ティム・バートンの時にみられたバットマンの内面葛藤みたいなものもなく、普通のシリーズものになってしまいました。ジョージ・クルーニーの個性も感じられません。まあ見てる間だけのお楽しみ映画になってしまいましたね。
バスキア "BASQUIAT"
監督 ジュリアン・シュナーベル
出演 ジェフリー・ライト マイケル・ウィンコット
天才黒人アーティスト、ジャン・ミッシェル・バスキアの一生を描いた作品です。キース・ヘリングと並びストリートアートから有名になった人として彼が生きていた頃からその存在は知っていました。世代的にも近いものがありますし…。
ある程度事実に基づいた話でしょうから作品としての批評はしにくいのですが、出演者がすごいです。ウォホールにはデビッド・ボウイが扮していてこれがまたそっくり! 一見の価値あります。あとデニス・ホッパー、ゲーリー・オールドマン、クリストファー・ウォーケン、ウィレム・デフォー、テータム・オニール、コートニー・ラブ(笑) 等々。ちょい役もありますが、なかなか豪華です。
当然、音楽もその時代のものがガンガン流れてきます。
主役のジェフリー・ライトもいいですが、彼女役のクレア・フォーラニがいいです。買いです。
デニス・ホッパーのあひるちゃんの謎解きもありました(笑)
THE END OF EVANGELION
監督 庵野 秀明
声の出演 緒方 恵美 三石 琴乃
春の上映の時は、文句たらたらだった私ですが、今回は納得できました。なるほどこれだけのモノを作れば手間もかかるはずです。なにより一応?完結しましたからね。ほっ。(笑)
春の「シト再生」の時のREBIERTH編をリメイクした25話「Air」と26話「まごころを君に」の2話構成になっています。
「シト再生」の時のようなイライラ感がなく、すっと話に入って行けたのがよかったですね。とは言え、初めから病室のシーンとはちょっと過激でしてが…。25話のアスカの弁慶も真っ青な獅子奮迅ぶり、26話のある種幻想的とも言えるシンジのイメージの世界、いずれもそれぞれ違った意味で見応えがあるシーンでした。
細かいところでもなかなか凝っていました。あまり見たことがないほどの大きな映倫マーク(笑)。25話と26話の間に入れたクレジット。アニメといいながら実写を入れる大胆さ。なかなかですね。中でもクレジットは螺旋状に登っていくCGで作られていてとてもいい出来です。一瞬アレっと思いましたが(笑)
細かい分析については詳しい方におまかせしますが、アスカのあの吹っ切れ方に比べてシンジはうじうじしていて情けないですね。例の神戸の事件の容疑者が、彼らの設定と同じ14才だということでも話題になっていますが、これ位の年代だとやはり男の方が不安定ということでしょうか。でも、それ以上にそもそもこのアニメ自体が女性を主体に描かれているようです。母親ユイとその残像レイの存在が碇親子に大きく作用され過ぎているようです。アスカやミサトにも心動かされるし、シンジという一人の少年の成長の話と言い切ったら少しさびし過ぎるでしょうか。
「シト新生」と違い、今回は大丈夫な映画でした。
エヴァンゲリオン初日で並んでいる観客
ロストワールド:ジュラシックパーク "THE LOST WORLD :JURASSIC PARK"
監督 スティーブン・スピルバーグ
出演 ジェフ・ゴールドブラム ジュリアン・ムーア
うーん、恐竜が前作以上にたくさん出て、技術的にはすごいと思える映画なのですが、いかんせん登場人物が情けなさすぎます。お間抜けな子供(まあこれは仕方ないですが)、お間抜けな上無神経な女性科学者、お間抜けな社長に、お間抜けな前社長?…。どれも恐竜に食われた方がいいような人物ばかりでイライラが増すばかりでした。そのくせ善良な? ものはどんどんやられてしまい、しまいにはサンディエゴの○や○○まで…。必要以上に残虐シーンが多いので子供にはどうでしょうか。主人公たちも恐竜保護を口では言いながら、自分達が襲われるとそれどころではないようだし。
人間が悪いというならのなら、はっきり恐竜の立場で描いた方がすっきりしたでしょうが、中途半端なスタンスで描いてしまい、後味の悪い感じがしました。これならゴジラやガメラの方がよほどいいです。(米国版のゴジラの予告編、最初に見た時、ロストワールドの予告編かと思いました(笑))
と厳しいことをいいましたが、映像は見るべきものがありました(笑) トレーラーのシーンや街頭乱闘のシーン等。 でも唇だけはやめて(爆) 配役の中では、ハンター役のピート・ポスルスウェイトが光っていました。彼は「ロミオとジュリエット」でもよかったですが。
原作とは違うということですが、脚本の失敗でしょうか。ちょっと疑問のストーリーです。冒頭でハモンド社長が数学者であるマルコム博士に恐竜の調査を依頼する時点で、早くも不自然さが感じられました。でもまあ、ローラーコースター感覚で映画を楽しむのならこれでもいいかも知れません。
次作は飛んでくるのかな?(謎)
もののけ姫
監督 宮崎 駿
声の出演 松田 洋次 石田 ゆり子
うーん、これで本当に最後の作品になるのでしょうか。結構中身のつまった作品ですね。上映時間も2時間13分とかなり長いのですが、子供でもそんなに飽きないように詰まっている感じがします。テーマとしては「ナウシカ」や高畑勲の「平成狸合戦…」に通じる様なものですが、時代設定こそ違え突っ込んだ問題提起をしています。ただ、その手段としては賛否両論あるようです。かなり力が入った作りになっている割には大団円的な結末になっていますが、これも仕方がないかも知れませんねえ。
ストーリーはさておき、絵はやはりすごいですね。この作品はディズニーを通して海外でも公開されることになると思いますが、その辺の評価は間違いないでしょう。
声優もなかなか趣向をこらしています。特に田中裕子と美輪明宏がすごいですね。感心します。ただ、森繁さん達の獣系の声が聞きとりづらかったのが残念でした。石田ゆり子は印象がうすかったです。
これは面白い!という映画ではないと思いますが、実写では表現できない世界を描写できる希有な監督の集大成として、観て欲しい作品であることは否めませんので、ぜひご覧を。
世界の涯てに
監督 リー・シーガイ
出演 金城 武 ケリー・チャン
いやあ、参りました。すごくいいです。今年のベスト3には入りますね。監督は「月夜の願い」のリー・シーガイ、出演は今やポカリスェットやライフカードのCMでも有名な金城 武と同じく資生堂のCMに出たケリー・チャンです。
冒頭モノクロの街頭シーンをバックに、何とレナード・コーエンが流れてくるのです。かっこいい。そのまま時間持続して見られました。
ベースは「つきせぬ想い」の時のアニタ・ユンと同じ白血病もの(笑)なのですが、それ以上に色々つまっています。死生観とか、香港の現実とか…。脚本がすごくうまいですね。上がったり下がったり抑揚がすごく効いています。終わりには何とスコットランドまで飛んでいって「奇跡の海」みたいな風景も出て来るし…。
金城 武がいいです。とても表情よくてますます人気がでそうです。ただ、難を言えばケリー・チャンの顔がちょっと恐いのが残念です。歌やスタイルはいいのですが…。でもアニタ・ユンじゃ
ちょっと雰囲気でないし、難しいところです。
誘拐
監督 大河原 孝夫
出演 渡 哲也 永瀬 正敏
なかなか面白いとの評判で見に行ったのですが、うーん、いいかも知れないです。ちょっと強引かなとも思いますが、脚本がいいです。前半の派手さから後半の語りへのつなげ方もいいし、何と言ってもどんでん返しが…。ただ、ちょっとスケールダウンしていく感じもしなくはないけれど。
渡 哲也や柄本 明がなかなか好演。永瀬はワンパターンですが、まあいいかな。
冒頭からの東京の街頭ロケは、今まであまり見たことがない規模でのものでした。ヘリの台数も合成でなければすごいです(笑)
このテーマだとどうも「身代金」が思い出されるのは致し方ないですが、社会性もあるし、なかなか切り捨てにくい一本です。
失楽園
監督 森田 芳光
出演 役所 広司 黒木 瞳
まあ、説明する必要がない映画でしょう。渡辺 淳一のベストセラーの原作を「家族ゲーム」「ハル」の森田 芳光が映画にしたものです。
元々渡辺淳一は好きで、この作品も新聞連載の途中から読み始めました。日経にしてはすごい話を載せているなと思っていました。もっともその頃はそんなに話題になっていませんでしたが…。でも最近の彼の作品の傾向にはちょっと…という感じです。
というわけで黒木瞳はともかく、役所広司が主役だと聞いてちょっと54歳の設定にしては、若いかなというのが第一感想でした。そしたら設定が50歳に変えられていました。(笑)
ストーリーを追いかければ、単純になりそうな作品ですが、さすが森田、色々細工をこらしています。色を抜いてみたり、手持ちカメラにしてみたり、わざと?ピンぼけにしてみたり。ロングで撮って回りにわざと他のモノをいれたりもしています。問題のラブシーンの撮り方も工夫している点は評価できます。 脚本も実績がある筒井ともみというせいもあるのでしょうか。
しかし、結末に向かう二人の心情が十分に描かれているとは言えない気がします。 主人とは上辺だけのつき合いの女性の方はともかく、仕事はともかく家庭の方は特に問題ないと思われる男の方の入れ込み方は、ちょっとどうでしょう。何か阿部定事件か文学かぶれの酔狂と言った感じもします。もっとも原作のエンディング自体が、ちょっと安易だと意見も私を含めあるようです。
主役が役所と黒木だからまだ見られますが、50歳と37歳があんなにベタベタしていたら気持ち悪いですね。最も純愛を主張するならば、それを示す行為に歳は関係ないということなのでしょうが。
<ロストハイウェイ "LOST HIGHWAY"
監督 デヴィッド・リンチ
出演 ビル・プルマン パトリシア・アークェット
ロストワールドではありません(笑) ツイン・ピークスから久々、デヴィ
ッド・リンチの新作です。 これはまたすごい作品です。またやられました。(笑)
オープニングのセンターラインが暗闇の中、ヘッドライトに照らされてガンガン飛んでいくシーからわくわくさせます。おまけに曲がデヴィッド・ボウイです。その他も怪しい曲がいっぱい。ストーリーは言ってもあまり意味がないでしょう。感覚ですね。うたたねは要注意です。主人公が変わってしまいます。 (謎) 一体こいつは何者でしょう。もちろん謎の男もでできます。
好き嫌いが別れるでしょうが、ツインピークスが大丈夫だった人はぜひ。面白いとおもいますよ。主演は昔ふられ男ナンバー1、でも今や インディペンデンスデイで大統領役もできるビル・プルマンと怪しいトゥルー・ロマンスのパトリシア・アークェットです。
東京夜曲
監督 市川 準
出演 長塚 京三 倍賞 美津子
うーん、やはり彼は「トキワ荘の青春」みたいなちゃんとしたストーリーがあるものよりも、情景の積み重ねみたいなのがいいようです。せりふもない何気ない風景をロングで撮らせると違ったものに見えてきます。「東京兄妹」はちょっと主人公の心情がわからなかったのですが、その不思議さが印象に残りました。その点、「東京夜曲」の方がまだストレートです。
上川隆也の演技はいいのですが、あんなに隣人の過去のことを探って回る人が、近所にいるといやです(笑) まあ狂言回し的な役柄なので仕方がないのですが、その分説明過多になってしまっていて、今までの市川作品にあった様な見る側の欲求不満が少なくなってしまいました。
それにしても、桃井かおり、倍賞美津子というようなうるさ方を揃えていて、なおかつ彼のスタイル通り、せりふを最小限にしているところですでにこの作品は勝利です。 主人公はときどきフラーと行方不明になっていたようですが、寅さんを裏から描いた作品かなぁと見たのは気の回しすぎでしょうか。
ちなみに私は主人公の昔の話より、あの中古レコード屋の娘の失恋の話の方がよかったです。あの安部聡子という女優、いいですね。「トキワ荘…」にも出ていました。美人じゃないけれど不思議な存在感があります。
今時まだ、囲碁喫茶とかあるのかな?
好男好女
監督 候 孝賢 (ホオ・シャオシエン)
出演 伊能 静 林 強
「非情城市」等でおなじみ台湾の候 孝賢の作品。日中戦争前後を生きた女性と現在の女性の生き方、恋愛を伊能 静の二役で描いた作品ですが…。うーん、ちょっと昔の話と今の話がばらばらでまとまりがなかったですね。ちょっと意図が掴めないところもありました。
伊能静は演技はともかくいいですね(笑) 昔の洞口依子っぽいところもありました。新作「憂鬱な楽園」はどうでしょうか。
<コーカサスの虜
監督 セルゲイ・ボドロフ
出演 オレグ・メンシコフ セルゲイ・ボドロフ・ジュニア
トルストイの作品を現在のチェチェン紛争に置き換えて作られたカザフスタン・ロシアの映画です。
この映画がまた考えさせられました。チェチェンの村民に捕まえられたロシア兵の青年とその上司。逆にロシアの人質になっている息子と交換しようとする父親とその娘。息子を助け出そうとするロシア兵の母、と言ったストーリーです。
紛争と言っても何かのんびりした感じで、ロシア軍の駐留地にチェチェンの父親は出入りしているし、その村をロシア軍も積極的に攻めようとしていません。それがまた、この紛争の必要性をあいまいにし、むなしさを感じさせます。まして、これと同じ紛争をトルストイがいた150年前からやっているのかと思うと…。
山村の風景や生活ぶりもとても印象的で、安達祐実似の少女もかわいかったです。それだけに最後のシーンがとても悲しく、やりきれない感じがしました。
お勧めの映画です。では。
香港大夜総会
監督 渡邊 孝好
出演 香取 慎吾 岸谷 五朗
「私をスキーにつれてって」でお馴染みの一色伸幸の脚本なので、期待して見に行ったのですが、全然面白くありませんでした。どうしたのでしょう。
監督のせいかなぁ。岸谷 五朗もいつになく面白くないし…。香取慎吾とアニタ・ユンのファン向の映画です。アニタ・ユンは歌手の役なので色々歌っています。いいなぁ。ただ、終盤のカーチェイスシーンは香港の監督が撮っているのでまあまあ迫力あります。
レリック "THE RELIC"
監督 ピーター・ハイアムズ
出演 ペネロープ・アン・ミラー トム・サイズモア
恐い、恐いと脅かしていますが、それほどでもありませんでした(笑) ストーリー上、割と早くネタを割ってしまってますので、その後はそんなに恐くありません。展開上仕方無いかも知れませんが、ちょっと失敗ですね。
言うなれば、「エイリアン」と「ジュラシックパーク」を足して二で割った映画です。 丸紅と東宝東和が出資しているようですが、何故こんな映画に…。
スター・ウォーズ 特別編 "STAR WARS: SPECIAL EDITION
監督 ジョージ・ルーカス
出演 マーク・ハミル ハリソン・フォード
今なぜこの作品かと、批判される人もいるようですが、公開時に一応見ている私としましてはエポックメーキングな映画であるという評価には変わりはありません。今回の公開も単なるリバイバルに終わらず改編を加えたジョージ・ルーカスの姿勢については拍手に値すると思います。
映画館で見ていなくても、テレビやビデオで見た人も多いでしょう。でも、このような作品は最新設備がそろった映画館で見たいものです。しかし、なぜか当地ではスクリーンこそ大きいけれどDTSの設備がない映画館で封切られました。残念。ジャバ・ザ・ハットと会うシーン等が加えられたとのことですが、製作当時、まだ当たるかどうかわからない様な状況で、3作目の伏線になるようなこのシーンも没になったとは言えちゃんと撮っていたとはすごいという感じです。こりゃ2も3も行かなければね。
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