|
|
2.ユーコン漂流 3.北極海へ |
●「日本の川を旅する」● ★★★ 日本ノンフィショクション賞新人賞 |
|
新潮文庫
1989/12/26 |
読んでウ〜ンとうならされたのは、著者の視点が川という低いところにあること。岸辺から見るのとは違い、川の汚れがよく見えます。都会人はきれいな川を知らないという指摘は、やたら耳が痛い。 川はきれいなもの。食は魚を採り、寝は川原のキャンプで足りる。時に川に潜り、魚を観察し、空を見上げる。川で生活を満たすことができる。ハックルベリィ・フィンのような自然児そのものの生活ですが、いかにも素晴らしそうに思えてなりません。 印象の深かった川:釧路川、尻別川、雄物川、四万十川。 |
●「ユーコン漂流」● ★★★ |
|
2001年03月
|
カナダからアラスカを経てベーリング海にそそぐユーコン川を、一人カヌーで下る旅(2年目からは愛犬ガクが一緒)。 ちょうどカフカ「ミレナへの手紙」を読んだ後。都会人として不安と葛藤していたカフカの心理から別離し、こうした自然の中に回帰したような紀行を読むと心からホッとします。 ユーコン川を下る若者、アメリカの都会から逃れてきてそのままアラスカに住み着いてしまう者がかなり居るという。 ユーコンに馴染むと流域の先住民たちと親しくなり、そのまま数日滞在することも多い。それでも再びカヌーに乗って広い川の中にひとりになると、ほっとする開放感があるという。でも、こうした自然の中に慣れ親しむと、そんな感情も当然のことのように思えてきます。 流れに任せたままのカヌーの上で、あるいは雨が降り続くテントの中で2、3日本を読んで過ごす。その楽しさは充分想像できます。私にしても一人旅の読書ほど楽しかったものはありません。時間や他の雑事にとらわれることなく、思う存分本を読むことができるからでしょう。 |
●「北極海へ」● ★ |
|
1998/06/20 |
カナダ国内マッケンジー川を北極海の河口まで下るカヌー旅。
ユーコン川下りの2年前のこと。 |