|
|
1.時刻表2万キロ 2.終着駅は始発駅 6.中国火車旅行 8.インド鉄道紀行 |
●「時刻表2万キロ」● ★★☆ |
|
1980年 1998年09月 1988/02/18 |
ほぉーっ、こんな本があるんだ! と見つけたときには嬉しかった一冊。もう読み飽きたかなと思うのだが、読んでいるとそれなりにまだ面白い。
何のかのと言ってみても、列車に乗ることは楽しいし、時間・地図を辿ることもそれなりに面白さがあるものである。ただし、何度も読んでくると、そこに余裕のあまり無いことが感じられる。目的に縛り付けられ過ぎている、という点である。 |
●「終着駅は始発駅」● ★☆ |
|
1985/03/09 |
本書では、とにかく最後のフルムーンを徹底的に活用した全国一周プランが壮絶。 奥さんがフルムーン旅行でもと言いだしたところ、宮脇さんが過酷なスケジュール案を作り上げたため、奥さんは二度と口に出さなくなったという。気の毒だけれど可笑しい。 ちなみにそのプランはというと、 北海道大赤字線めぐり/流氷列車/スイッチ・バック4回/フルムーン行 |
●「シベリア鉄道9400キロ」● ★★ |
|
1995年 |
かつて日本からヨーロッパへ旅する場合には、南からインド洋を経る航路と、北からシベリア鉄道を利用する方法と2通りあったとのこと。 本書はその後者の行程、シベリア鉄道に乗車しての旅。7日間に亘る列車旅ですから、鉄道ファンとしては興味尽きないエッセイです。 著者が乗車したのは1982年のこと。ゴルバチョフが登場した9年前よりさらに以前のことであり、今回のクーデター失敗、共産党解散宣言など思いも寄らないときのことである。 こうした本を読むと自分でも乗りたくなる。第一、昔の文化の香りが漂ってくる気がするではないか。 出発まで/バイカル号/低気圧の海/ナオトカ港/ボストーク号/ハバロフスク/ロシア号の第一日/ロシア号の第ニ日/ロシア号の第三日/ロシア号の第四日/ロシア号の第五日/ロシア号の第六日/ロシア号の第七日 |
●「旅の終わりは個室寝台車」● ★★☆ |
|
新潮文庫化 1984/12/02 |
宮脇さんの鉄道紀行ものとしては明確にテーマがあるというものではないので、買って読むか迷ったのですが、結局買ってしまったという本。 でも、結果的には大正解。十二分に面白かった。 「時刻表二万キロ」や「最長片道切符の旅」のような気負いが著者になくなったこと、鉄道に無縁の藍氏という記者が同行者としてつき弥次喜多道中のような雰囲気があったことが、気軽に、そして楽しめた理由だろう。 もっとも、弥次喜多道中というより、内田百先生+ヒマラヤ山系氏の2人旅パターンを踏襲したものと言えるが。 にっぽん最長鈍行列車の旅/東京−大阪・国鉄のない旅/飯田線・天竜下りは各駅停車/東京−札幌・孤独な二人旅/乗りつぎ乗りかえ流水の海/紀伊半島一周ぜいたく寝台車/青森−大阪・特急「白鳥」七変化/雪を見るなら飯山・只見線/九州行・一直線は乗りものづくし/旅の終わりは個室寝台車 |
●「汽車旅は地球の果てへ」● ★★ |
|
1990/01/25 |
本書の中で最も魅力的だったのは、ペルーの南部・中部列車である。 世界の鉄道の中で一番高いところに達する。標高 3,454m。富士山よりもユングフラウヨッホよりも高い。高山病の恐れもあるという。 とにかく、ひたすら登ることに専念した鉄道である。この列車には是非乗ってみたいと、私すら思う。 フィヨルドの章では白夜行列車が魅力的。現地に行ってみたい。 ジブラルタルの章では、「ラルゴ」という一般的な車両の半分程の長さしかないという車両が興味深い。 宮脇さんの、鉄道にかこつけてこれだけ世界の珍しい場所へと足を伸ばす、その恩典はとにもかくにも羨ましい限り。 アンデスの高原列車/人喰い鉄道・サバンナを行く/フィヨルドの白夜行列車/ジブラルタル海峡を渡る/ナイル河の永遠/オーストラリア大陸横断列車 |
●「中国火車旅行」● ★★ |
|
1991年
1990/09/04 |
「インド鉄道紀行」では、未知の国の路線に乗るという、まさに観光旅行者的な視点が多かったようだが、本書では共産国での外国人の旅行の様子、火車の仕組み、そうした点での違いに興味を覚えた。 10年以上前に読んだ本だが、ソ連およびその衛星国を旅した紀行文「フィールド・ノート」(泉靖一著・新潮選書)を思い出させられるのである。外国人には国営旅行社のガイドが張り付き、自由には行動させてもらえない。列車も外国人は特等席に押し込まれてしまう(もっとも留学生は対象外らしいが)。列車の食事も外国人はいくら分出すと決まっていて、量も皿数もおかまいなしに多数出てくるという。 日本の列車食堂のようにただ温めるのではなく、最初から調理するとのことであるが、ホテル同様大して美味しくないとのこと。むしろ豚肉のぶっかけ弁当や、町中の食堂の方が美味しそうであるとのこと。また、ビールは冷やして飲むという習慣がないとのこと。 それにしても、シベリア鉄道の1週間余は別としても、上海から西部の終点まで3泊4日。インド鉄道にしても1泊2日の旅だった。大陸鉄道の雄大さをつくづく思い知らされる。 ※その後カナダ旅行に行った時大陸横断鉄道にバンクーバーからカルガリまで車中1泊で乗り、ちょっと体験できました。 北京−広州/上海−烏魯木斉/大連−ハルピン/成都−昆明 |
●「終着駅へ行ってきます」● ★☆ |
|
1985/06/30 |
終着駅というのは、どことなく寂寥感があって良いものである。 本書はそんな地方ローカル線の終着駅を訪ねまわった書。 宮脇さんの著書には「ローカルバスの終点へ」という紀行本もあるが、やっぱり終点といえば鉄道。 私が行った終着駅というと、何処があるだろう。 根室(根室本線)/根室標津(標津線)/十勝三股(士幌線)/増毛(留萌本線)/瀬棚(瀬棚線)/比立内(阿仁合線)/女川(石巻線)/熱塩(日中線)/間藤(足尾線)/海芝浦(鶴見線)/東赤谷(赤谷線)/別所温泉(上田交通別所線)/氷見(氷見線)/三国港(京福電気鉄道三国芦原線)/井川(大井川鉄道井川線)/武豊(武豊線)/谷汲(名古屋鉄道谷汲線)/伊勢奥津(名松線)/片町(片町線)/海部(牟岐線)/境港(境線)/仙崎(山陰本線)/門司港(鹿児島本線)/杉安(妻線)/枕崎(指宿枕崎線) |
●「インド鉄道紀行」● ★☆ |
|
1993年 1990/07/23 |
それなりに楽しんで読みましたが、特に興奮は覚えませんでした。
確かにインドという大国のことは殆ど知らないし、訪れる可能性もまずない所である。その行けそうにない、ということが、感激を割り引いてしまったのかもしれない。 出発まで/エア・インディア/ニューデリーとデリー/ラジダーニ特急(カルカッタ行)/エアコン急行/聖地ヴァラナスィ/アグラ/世紀急行/ラジダーニ特急(ボンペイ行)/ボンペイ(1)/ボンベイ(2)/ウディヤン急行/デカン高原/バンガロール/ジョラペティ駅/ケララ州とコモリン岬/再訪、夏のインド/シムラ軽便鉄道 |
●「韓国・サハリン鉄道紀行」● ★ |
|
1994/08/16 |
以前のような面白さはあまり感じられなくなっている。 韓国紀行の本書があまり面白くないということもあるだろうが、マンネリ化と、私自身の関心の低下もあるだろう。 韓国よりはサハリンの方が面白い。著者自身の意気込みからして違うと思う。 途中半強制的に訪問させられて、町中あげてのダンス・パーティやら市民の大歓迎を受けたという、アレクサンドロフスク市のことだけは書き留めておかなければならない。 |