恩田陸作品のページ No.



41.ドミノin上海

42.スキマワラシ


【作家歴】、六番目の小夜子、球形の季節、不安な童話、三月は深き紅の淵を、光の帝国、象と耳鳴り、木曜組曲、月の裏側、ネバーランド、麦の海に沈む果実

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上と外、puzzleパズル、ライオンハート、MAZE、ドミノ、黒と茶の幻想、図書室の海、劫尽童女、ロミオとロミオは永遠に、ねじの回転

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蛇行する川のほとり、まひるの月を追いかけて、Q&A、夜のピクニック、夏の名残りの薔薇、「恐怖の報酬」日記、小説以外、蒲公英草紙、エンド・ゲーム、チョコレートコスモス

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中庭の出来事、朝日のようにさわやかに、猫と針、不連続の世界、きのうの世界、ブラザー・サン シスター・ムーン、六月の夜と昼のあわいに、私と踊って、蜜蜂と遠雷、祝祭と予感

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41.
「ドミノin上海 ★☆


ドミノin上海

2020年02月
角川書店

(1700円+税)



2020/03/02



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パニック・コメディドミノの再現、上海編。

「ドミノ」で騒動を巻き起こした主要人物たちが、再び中国の上海に集結。5年ぶりにまたもや騒動を繰り広げます。

ことの発端は、盗難品である至珠「蝙蝠」の争奪戦。
そこにかつての関東生命保険の女子社員3名(
北条和美・田上優子・市橋えり子)が行き合わせると思えば、愛するペットのイグアナ=ダリオを料理にされて嘆き悲しむホラー監督のクレイヴンも顔を出し、成仏できないダリオの霊を中国人の風水師と神官の血筋である安倍久美子が追う中、至珠を手中にしようと追いかけるホテルの料理長と怪しい骨董商の追跡劇が交錯します。
その結果、骨董商を追う香港警察まで右往左往させられる始末。

舞台が中国らしい点と言えば、動物園から脱走した老練パンダの逃走劇、上海の交通渋滞がドタバタ劇に輪をかけ、美術品ビジネスが絡むというところでしょう。
ドタバタ劇を担う登場人物たちがまず集結するのは、最上階でアートフェアが開催されている、女子3人の宿泊先でもあるホテル=
上海飯店
 
要は25人と3匹が繰り広げるドタバタ劇ですから、難しく考えず、気軽に楽しく読んでいればそれで良い、というもの。
ただ、東京駅で繰り広げられた前作に比べると、折角再登場しながら活躍不足の人物もいるといった具合で、パワー不足という印象がぬぐえません。

                    

42.
「スキマワラシ ★☆


スキマワラシ

2020年08月
集英社

(1800円+税)



2020/09/10



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本書題名から、何となく感じますよね? 
「スキマワラシ」って、座敷童の縁類なのだろうか?と。

ビル解体現場に時々現れる、麦わら帽子に白いワンピース姿の少女。どうもこの世の存在ではないらしい。
座敷童は家に付くもの。それに対し、ふとした隙を付くように現れるから「スキマワラシ」と。

本作の主人公は、古道具屋を営む
太郎散多(さんた)という中年男兄弟。写真撮影するような記憶力をもつ太郎と違って記憶力は余り良くないものの、散多は特定の古いものに触れると過去の光景(2人曰く「アレ」)を目にするという特殊な能力を持つ。もっともその能力は、散多にとっては厄介なものなのですが。

スキマワラシは何故現れるの。また、散多が見る過去の光景は何なのか、そしてその光景を見る共通因子は何なのか。
それを兄弟2人が、あちこちの現場に足を運びながら突き止めようとするストーリィ。

ストーリィの骨子を記載するだけなら面白そうなのですが、ただ長い、長過ぎる、間延びしてしまうよぉという印象。
最後には、散多が子供の頃から抱えて疑問、スキマワラシが
「ハナちゃん」と呼ぶ人物の正体と、ひと通りの謎が明らかになるのですが、その先に何があるのかという点に手応えがない。

謎が明らかになればミステリとしては完成であるのかもしれませんが、釈然としない気持ちが残ってしまう。
私にとっては、それもまた恩田作品らしいところではあるのですが・・・。


※座敷童を題材にした小説は数多くあると思いますが、私が一番記憶に残っているのは、
荻原浩「愛しの座敷わらしですね。

1.兄のこと、名前のこと/2.壁の色のこと、茶碗の帰還のこと/3.ジローのこと、発見のこと/4.チーズケーキのこと、N町のこと/5.落語CDのこと、トンネルのこと/6.銭湯のこと、胴乱のこと/7.坂道の先のこと、黄色いテープのこと/8.風景印のこと、「ゆるさ」のこと/9.兄が遭遇すること、その反応のこと/10.「ダイゴ」のこと、「ハナコ」のこと/11.準備のこと、もう一匹のこと/12.ドアを探すこと、消防署のこと/13.ちょっとした寄り道のこと、世間での呼び名のこと/14.みんなのこと、僕らのこと

       

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