宮城谷昌光作品のページ No.3



21.三国志・第5巻

22.三国志・第6巻

23.三国志・第7巻

24.三国志・第8巻

25.三国志・第9巻

26.三国志・第10巻

27.三国志・第11巻

28.三国志・第12巻

29.孔丘


【作家歴】、重耳、晏子、孟嘗君、楽毅、星雲はるかに、太公望、華栄の丘、子産、沙中の回廊

宮城谷昌光作品のページ №1


奇貨おくべし-春風篇・火雲篇・黄河篇・飛翔篇、管仲、香乱記、三国志(第1~4巻)

宮城谷昌光作品のページ №2

 
公孫龍(巻一)、公孫龍(巻二)、公孫龍(巻三)

宮城谷昌光作品のページ №4

  


        

21.

●「三国志・第5巻」● ★☆


三国志6画像

2006年09月
文芸春秋刊
(1619円+税)

2010年10月
文春文庫化



2006/11/01



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第五巻。本巻も引続き曹操が中心です。
孫策は本巻でちょっと出てきたと思ったらすぐ死んでしまい、ほんの顔見せ程度という登場。
劉備は度々登場しますが、攻められると逃げてばかり、恩を受けてもすぐ忘れてしまう人物という描き方で、北方版三国志とでは劉備の人物造形にかなり違いがあるようです。

宮城谷さんは単なる英雄像を描こうとした訳ではないのでそうなるのでしょうけれど、では何を描こうとしているのか。
本巻で強く印象づけられたのは、曹操や劉備、孫策、その他の群雄たちと同じくらい、いやそれ以上に彼ら群雄たちに仕えた多くの臣下たちの姿です。
能力を見出され献策を真摯に受け止めてくれる主もあれば、生死の運命を分かつような献策を好き嫌いの感情だけで却下してしまう主もある。前者の代表例は曹操ですし、後者の代表例は袁紹と言えるでしょう。

優れた能力をもち主に忠実であってもその主から正当に扱われるとは限らない。群雄が多数争う激動の時代だけに、その違いは臣下にとっても大きいのですが、だからといって自由に主を選択できた訳でもありません。
それなら人は、いったい何を頼りに自らの行動を決めたら良いのか。それこそ「天知る、地知る、子知る、我知る」ということだと思うのです。
曹操は、敵方だったからといって相手を卑しめることなく、優れた人物に対しては正当に評価し、時には自分の臣下として用いています。
常に相手をよく見、自分自身をも顧みる。だからこそ本書の主人公は必然的に曹操であるのでしょう。

孫策/素志/新都/張繍/僭号/高山/下邳/逐勝/密詔/対決/官渡/鄴県

  

22.

●「三国志・第6巻」● ★★


三国志7画像

2007年09月
文芸春秋刊

(1619円+税)

2010年10月
文春文庫化



2007/10/03



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群雄割拠していた状況が収斂していき、三国鼎立の時代に至る過渡期を描いた巻。
劉備が身を寄せていた劉表が没した後の荊州に曹操が侵攻し、それに対抗する孫権と2強が初めて激突します。孫権の片腕である
周瑜軍と曹操軍の水上戦「赤壁の戦い」
一方、諸葛孔明がいよいよ登場し、軍師として初めて劉備軍に目標と政略を与えます。そして孫権と曹操が江陵で対峙する隙をつくように荊州四郡をまとめ、劉備がついに立つ。

袁氏を滅ぼし曹操が勢力を拡大していく姿と並行して、様々な有為の人物たちの生き様が描かれます(高幹、田疇、甘寧、魯粛等)。まるで曹操、劉備、孫権の3人より、そうした人々の方が本巻の主役であるような印象さえ受けます。
こうした乱世で人はどう生きればいいのか。生き延びようとしても群雄たちに翻弄され、成功を願ってもそんな安定した時代ではない。そうであるならば、ひたすら天の声にしたがって生き、そして死んでいくしかない。歴史の中において人が生きるということはそれに尽きるのではないか、宮城谷版「三国志」が発しているのは、そんなメッセージではあるまいか。

その一方で民たちは何を思っていたのか、とふと考えました。
曹操、孫権、劉備の争いは所詮3人の勢力争いであり、勢力を増す曹操に対して孫権が恭順しないのは、何の為に孫堅・孫策が奮闘してきたのかという意地のためでしかない。
その中で、曹操に追われる度ずっと逃げ回ってきた劉備が
荊州の民の声によって漸く立とうとする姿は、曹操、孫権2人の自らのために覇権を目指す姿と異なるものとして目を惹き付けられます。
とはいっても曹操が支配した土地に善政を行い、劉備が諸葛孔明の策を入れてうまく民の上に乗っかったという面も現にある訳です
から、歴史とは一面だけで捉えることはできません。

北方版三国志のような英雄譚ではありません。それ故に、孔明が劉備に組したのは他の2人に組したくなかったという消極的な選択が初めにあり、関羽・張飛と諸葛との折り合いは余り良くないと描かれる辺りに、北方版三国志とは別の味わい、面白さがあります。

袁譚/高幹/田疇/三顧/甘寧/長阪/魯粛/水戦/赤壁/江陵/合肥/巡靖

    

23.

●「三国志・第7巻」● ★★


三国志8画像

2008年09月
文芸春秋刊

(1619円+税)

2011年10月
文春文庫化



2008/10/04



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本巻では、荊州四郡を支配下に置いたことにより劉備がいよいよ立ち、才ある人物らは曹操、孫権、劉備のいずれに付くか、という選択を迫られることになります。
その選択をどう行うか。そこではもはや誰が最も軍事的に優勢かというようなことではなく、人物の如何、そして偉業を達成するに足る人物か、ということが争点になったかのようです。
平たく言えば、好き嫌い、相性の問題。
ただそれを子供染みていると決して言う勿れ。人がどう生きるかを選ぶ時、それが最も重要な要素であるかもしれないのですから。

好き嫌いではなく、相性という面から見ると面白い。
どの人物にしろ所詮良い面、悪い面をもち、たまたま良い面を見たか、あるいは悪い面に出会ってしまったかによって左右される向きがあるのですから。
北方謙三版、この宮城谷版においても、曹操は皇位の簒奪者とされる所為かどちらかというと悪役的に描かれるのですが、私としては曹操、結構好きです。行政・軍事両面で傑出した人物であり、それ故の優勢と思います。
それに対して劉備は、得体の知れないところのある人物という面白さ。その点で曹操と劉備は好対照と言えます。
そしてそのどちらにも似ず、枠外の人物と言えるのが孫権。この孫権、どうも魅力は余り感じないし、面白いところもない、というのもまた北方版と共通するところ。

ところで本巻における肝心のストーリィはといえば、曹操においては馬超との争ってこれを追い払い、劉備においては益州へ進出し、配下の良将たちの支持を得てついに益州を得る。
そして孫権は、周瑜があっけなく病没したことにより、大きく覇を唱える機会を逸する、という展開。
劉備がいよいよ立ち、ついに三国が並立する、その間の過渡期を描いた巻と言えます。

四郡/養虎/寵統/潼関/雨矢/馬超/法正/劉璋/成都/天府/張遼/魏国

    

24.

●「三国志・第8巻」● 


三国志9画像

2009年09月
文芸春秋刊

(1619円+税)

2012年10月
文春文庫化



2009/10/15



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関羽、曹操、張飛、劉備が相次いで死し、「三国志」の大きな節目となる巻であると同時に、曹操・劉備の臣下にとって混乱尽きない巻。
つまり、曹操死去後に魏王を継いだ曹丕は、曹操と異なり臣下の諫言を嫌い、良臣が排斥されていく。
一方、その背後を突く形で関羽を戦死せしめた呉に憎悪を高まらせた劉備は、理に合わない呉への戦を仕掛けたために、戦地中に孤立させ或いは自らの死を引き寄せてしまったことで幾人かの良臣を失う。
これを逆に見れば、良臣にとって困難かつ混乱の時節と言って他なりません。
そうした状況を背景に、幾人もの人物の身の振り方、運不運が描かれますが、第8巻であれこれ新たな人物が登場しこれを理解するというのは、正直言ってかなりシンドイこと。

一方、曹丕は後漢の献帝から禅譲を受け魏帝となり、それに対抗して劉備も帝を名乗ったことから2帝+1王(呉)となる。これでまさしく三国時代となった、というのが宮城谷さんの弁。

三国志の英雄は疑いもなく、曹操・劉備・孫権の3人。
とかく帝位の簒奪者として悪役に描かれやすい曹操ですが、人物を見抜いて適材適所で活用することに長けていた曹操、私は結構好きです。
その一方で、善役として描かれがちな劉備、理ではなく情で動くところがあり、宮城谷さんは人を使いこなす力量の点で曹操に及ばず、漢中王を称したことで変節し関羽と疎遠になった、と描いています。
いずれにしても評判が悪いのは孫権で、本巻でもずるい人物、という印象が濃い。
曹操・劉備が死んで退場してしまい、これから後の巻はもう面白くなくなるかもしれないと思うのですが、それは諸葛孔明次第でしょうか。
というのは、諸葛孔明が活躍するのは、劉備死去後に政治・軍事・外交の権限を一手に握ったことから始まる、ということらしいので。

兄弟/霖雨/関羽/徐晃/曹操/新制/禅譲/報復/白帝/劉備/使者/南中

  

25.

●「三国志・第9巻」● ★☆


三国志10画像

2010年09月
文芸春秋刊

(1619円+税)

2013年10月
文春文庫化



2010/10/19



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前巻の感想の最後に、これからの巻が面白くなるかどうかは諸葛孔明次第と書いたのですが、まさしくその通り。そしてその結果はというと、期待外れ、でした。
ストーリィがということではなく、諸葛孔明という人物が、という意味で。

まずは。臣下の諫言を嫌う曹丕は、王位を継承して僅か7年で死去。その子である曹叡22歳が皇帝位を継承します。この曹叡がかなり英邁であった、ということらしく、魏は曹丕の頃よりむしろ安定、盤石ぶりを見せます。
一方の北方謙三「三国志・第13巻においては諸葛孔明、颯爽とした姿を見せますが、本書では軍才の無さを露呈という風。
機を見るところ
敏ではなく慎重に過ぎて優柔不断、戦術は常道で相手の意表を突くような柔軟性は一切なく、劉備のように良将を見出す才覚もない、と散々です(もっとも失敗を糧にその後持ち直しますが)。
劉備の股肱の臣でただ一人生き残っていた趙雲も、もう面白くなくなったと、本巻中で死去。
カリスマ性を備えた創業者たちが去ってしまうと、こうも面白くなくなるものか、という典型例のように感じます。

相変わらず数多くの人物が登場します。良臣・良将もいればそうでもない臣・将もいますし、赤心をもって主に諫言する臣もいれば、自分の身が第一という臣もいる。
また、帝・王にしても、臣の真価を見抜いて諫言を入れる主もいれば、諫言を嫌って良臣を遠ざける、という人物もいる。
その点は「三国志」の最初から変わらぬ処ですが、曹操・劉備の頃からすると、いかにも皆、小人物ばかりになったという印象です。

曹丕/猛達/箕谷/街亭/曹休/陳倉/三帝/曹真/天水/悪風/遼東/張昭

     

26.

●「三国志・第10巻」● ★☆


三国志第10巻画像

2011年09月
文芸春秋刊

(1619円+税)

2014年04月
文春文庫化



2011/10/12



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まず前半、蜀の重鎮である諸葛孔明が戦場にて病死します。
劉備を慕う豪傑たちによって成った
という国から、ついに最後の英傑が舞台を降りたという点で感慨深い巻です。
ただし、宮城谷さん、諸葛孔明の優れたところ(行政)、足りないところ(軍事)も合わせ描いており、いわゆる名宰相にして名軍師というイメージをもっていない読者でしたら、名のある人物が一人去っただけ、というだけのことかもしれません。

一方のでは、曹操-曹丕から帝位を継いだ曹叡が中々の戦略眼を備えた人物であり、その配下にあって司馬懿が魏の支柱として頭角を現し、ますます魏は興隆の途にあるといった様相です。
しかし、そんな魏であっても曹叡が34歳の若さで病死すると、幼い養子が帝位を継ぐこととなり、不穏な面が生じます。

残るでは、策を好むだけで軍事的才能がなく、臣下を育てることもなかった孫権が引き続きトップに坐り続けており、国の勢威は低調という感じ。

英雄たちが舞台を去った後の、小粒になった三国情勢を描いた巻という印象です。
に関しては、所詮劉備という存在があっての個人商店的国家であったかと感じます。劉備と彼を慕う豪傑たちが皆いなくなってしまえば、あとは衰えていくばかりなのは、当然なのでしょう。
それと対照的に
は、曹操という傑出した人物の下で人材を広く集め、育て、国家という組織をある程度整えていたからこそ、その後も盤石のように思えます。
本巻中では、魏の将軍、司馬懿が注目どころです。
については、孫権という人物に魅力がないことから、これまた当然のように低位安定という感じ。
豪傑たちの退場した後の景色というところが、それはそれで面白く感じられる巻です。

流馬/満寵/秋風/孔明/増築/燕王/長雨/曹叡/浮華/赤烏/蒋琬/駱谷

       

27.

●「三国志・第11巻」● ★☆


三国志11画像

2012年09月
文芸春秋刊

(1650円+税)

2014年10月
文春文庫化


2012/10/15


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第11巻はまず、老いた孫権が君臨するの様相から。
太子=孫和と自らが愛する子=孫霸を孫権が同列に処した結果として後継者争いが起こりかねないと忠臣達が幾度も孫権に上疏しますが、耄碌した孫権は彼らを次々と処刑、呉に良臣が絶えてしまうという事態に。
この孫権という建国の英雄三人の内の一人でありながら
、北方謙三「三国志でもそうだったのですが狷介な印象が強くておよそ好きになれるところがないのです。本巻での傍若無人ぶりはその本領発揮と感じるのですが、如何でしょうか。

一方魏では幼い養子が帝位を継いだことから、大将軍の曹爽が権力を握るや専横の傾向を露わにしていきます。それを周到な計略により司馬懿が曹爽を打倒しますが、その後の司馬懿の動きを見るに専横を振るう人物がただ入れ替わっただけという観を強くします。

本巻は呉と魏が主体で、については殆ど語られません。一応劉禅という皇位継承者がきちんと存在し、国の体制も一応安定しているからでしょう。
呉と魏の様相、英雄無き後(耄碌も含めて)の権力争いに端を発する混乱はもはや歴史上必然的なものなのか、という失望感が広がる巻です。

悶死/曹爽/非常/霹靂/王淩/老衰/交代/晩光/太傅/敗残/大政/掃除

         

28.

●「三国志・第12巻」● ★★


三国志・第12巻画像

2013年09月
文芸春秋刊

(1650円+税)

2015年04月
文春文庫化



2013/10/12



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毎年1巻ずつ、12年に亘って書き続けられてきた長大な宮城谷昌光版三国志の完結編。
単なる英雄物語ではなく、数限りない人々の運命をも翻弄してきた
魏・蜀・呉という3国の興亡を描いたという点では、塩野七生「ローマ人の物語」、ギボン「ローマ帝国衰亡史に比肩しても差し支えない労作と言って良いのではないでしょうか。

本巻では、魏において司馬懿の息子である司馬師~弟の司馬昭によって帝の実権は奪われ、呉においても孫峻~孫綝が実権を取り戻そうとした若い帝を排斥し殺害するに至るという下剋上の実態が描かれます。それでも魏の勢力が衰えるということには繋がらず。一方、諸葛孔明の後を担った将軍=姜維の人物不足と宦官の専横によって国力を低下させた蜀ではついに劉禅が魏に降伏し、三国時代は終わりを告げます。魏に対する同盟国を失った呉もやがて魏の軍門に下るだろうことは最早明白となり、魏もまたその後に司馬昭の子である司馬炎が魏最後の帝から禅譲を受けが建国されるという経緯が付されます。

ある意味、自身にも蜀という国についてもその現実を見極め、時を過たずさっさと魏への降伏を決めて無用に臣下・人民を死なせることはなかった劉禅の出処進退は、見事なものではなかったかと感じられます(三国の中で劉禅のみが二代皇帝、52歳と年配)。
魏の曹操、蜀の劉備、呉の孫権と各々“英雄”であったのに対し、その後継者らが彼らの英雄性まで引き継ぐことの難しさをこの長い物語は語っているように感じられます。
誰が、何の為に建国し、何の為に奮闘し続けるのか。一旦その甘味を味わってしまうといつしか建国の志は失われ、ただ権力の奪取、保守だけを考えるようになってしまう。
それはいつの世でも、どこの国にも通じる真理ではないかと思いますが、共に同時期に国を新たに打ち建て、互いに争った三国時代だからこそその姿が鮮明に浮かび上がってくるのかもしれません。三国志の魅力とは、そこにあるのでしょうか。

作者の宮城谷さんにお疲れ様でしたと言うのは勿論ですが、読者としてやっと12巻全てを読み終えホッとしている、というのもまた正直なところです。
 
廃位/寿春/傅嘏/蛇足/緩急/朱異/全氏/孫亮/孫綝/好戦/劉禅/滅亡/晋王

     

29.

「孔 丘(こうきゅう) ★☆


孔丘

2020年10月
文芸春秋

(2000円+税)



2020/11/05



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孔子と言えば“儒教”=「論語」、というのがすぐ思い浮かぶこと。逆に言えば、それしか思い浮かばない、というのが私の浅学なところでもあります。
釈迦、キリスト、ソクラテスと並んぶ<四聖人>の一人。

題名が、一般的な
「孔子」ではなく「孔丘」であるのは、孔子は尊称であって、本名は孔丘(名・諱)であるから。
即ち、神格化された<孔子>ではなく、生の人間としての<孔丘>を描く、というのが本作の狙いだからのようです。

母の葬儀から始まり、孔丘の歩んだ道のりが、宮城谷さんらしい恬淡とした口調で語られていきます。
当然ながら、弟子が増えようと雌伏の時が長く、ようやく評価されても陽虎の謀叛や、権力争いの煽りで亡命生活を送る、というようなことの繰り返し。
だからこそ歴史に名を残した、と言えないこともないような。

元々の趣向がそうだからと言えますが、読了後、孔丘とはどういう人物だったのかと振り返ると、偉人でもなく英雄でもない、ただ学ぶことと教えることが好きだった人、という印象です。
また、孔丘の言う“礼”とは何だったのかというと、“秩序”というところでしょうか。

孔丘を徹底して生身の人間として描いたせいか、いつも物足りなさばかり抱えていた人物のように思えて、あまり面白くない。
むしろ、弟子であった
漆雕啓(しつちょうけい)、仲由(仲季路)らの方が肉感的で面白いと感じられます。
ということで、宮城谷さんには申し訳ありませんが、★☆評価。

※なお、斉で
晏嬰が登場したと思ったら、どうも孔子とは反目し合ったようです。

盛り土/喪中の光明/陽虎/礼と法/郯君の来朝/詩と書/儒冠と儒服/水と舟/上卿の憂鬱/下の剣士/王子朝の乱/季孫氏の驕り/琴の音/魯国の苦難/成周へ/周都の老子/留学の日々/老子の教え/それぞれの帰国/去来する人々/兄弟問答/陽虎の乱/魯の実権/迫る牙爪/公山不狃の誘い/虎と苛政/天命を知る/中都の宰/司寇/兵術くらべ/道の興亡/衛国の事情/歳月の力/受難の旅/天に問う/大いなる休息

      

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