岩井圭也
(けいや)作品のページ


1987年生、大阪府出身、北海道大学大学院農学院修了。2018年「永遠についての証明」にて第9回野性時代フロンティア文学賞を受賞し作家デビュー。

  


       

「文 身 ★★


文身

2020年03月
祥伝社

(1600円+税)



2020/04/18



amazon.co.jp

普通の状況だったら多分、本作を読むことはなかったでしょう。
それくらい凄みのある、極めてダークな作品。
こうした類のダークさは、私の苦手なところです。

「最後の文士」と評された無頼作家の父親=
須賀庸一が死去。
父親とはずっと絶縁状態でしたが、大勢の人から頭を下げられて頼まれ、やむなく実娘の
山本明日美は喪主の座に。
その葬儀の後、山本明日美宛てに届いた宅配便、差出人は須賀庸一と記されていた。
その中身は 400枚にも及ぶ原稿用紙。そしてそこに書かれていたのは、須賀庸一と弟・
堅次という2人の驚くべき物語だった。

須賀庸一の私小説(主人公は
菅洋市)、執筆していたのは庸一ではなく堅次だったのか。半世紀も前に自殺したと伝えられていた須賀堅次は、実は生きていたのか・・・。

小説と言えば虚構のもの。一方、私小説と言えば、それは事実を土台にした虚構。
しかし、もし虚構と事実の順番が逆だったら・・・・・、恐ろしいことを考え付いたものだなぁと思いますよ、ホント。

自分が作ったシナリオどおりに人間を操る、それはもう神あるいは悪魔の仕業に他なりません。
最後の一文に戦慄。悪の連鎖は断ち切れないのでしょうか。


序幕/1.虹の骨/2.最北端/3.無響室より/4.深海の巣/5.巡礼/終幕

   


  

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