第3部 Klag - K'Ratak
Klag【クラグ】
バード・オブ・プレイパーグ号副長。士官交換制度によって乗船してきた連邦艦隊士官ウィリアム・ライカーを始めは認めなかったが、これに対してライカーは最もクリンゴン的な方法、すなわち力で相手をねじ伏せることで、彼に忠誠を誓わせた。実際のところ、クリンゴンの間では肉体的暴力がしばしば二者間の親交を深めるための潤滑剤になり得る。寝食を共にするうちに、ライカーと互いに理解・信頼し合う様になりつつあった。

また、彼の父親はロミュランの捕虜になり、その後故郷に生きて戻るが、一族の面汚しとしてただ死ぬのを待つだけの生活を送っている。


Konmel【コンメル】
コリスの紹介によれば大尉。コリスと行動を共にし、戦いを求め宇宙へ繰り出す。エンタープライズD号に収容され、拘禁されるが脱走し、逃走中に保安要員に射殺される。その死はコリスが目通ったが、戦闘中で余裕がなかったため、咆哮の儀式は行なわれなかった。
Kor【コル(クーア、クール)】qor
惑星オーガニア占領軍指揮官。西暦2267年、クリンゴン帝国と惑星連邦の和平交渉が決裂に終わり、両勢力間の緊張が高まり、ついには戦争になる。帝国は戦略的に要衝に位置する惑星オーガニアに侵攻する。しかし、身体を持たぬ(Non-corporal lifeform)オーガニア人の特殊な能力により、あらゆる暴力的行為を抑止され、退却を余技なくされる。この事件は、クリンゴン帝国と惑星連邦との和平(オーガニア平和条約)の成立へと繋がるが、その後のオーガニア人の沈黙により両国間の衝突は絶えず、真の和平は2293年のキトマー平和会議まで待つことになる。

また、2267年のシャーマン惑星における、いわゆるトリブル騒動(The Trouble with tribbles)では、宇宙基地K−7への派遣が予定されていたが、都合がつかず中止となる。


Korrd【コード】
将軍、ニムバスIII領事。かつては、銀河中に名の知れた名将であり、彼の戦略理論は宇宙艦隊アカデミーでも講義される程であった。しかし晩年は、中央との意見の対立があり、辺境の植民惑星ニムバスIII領事として、左遷される。その意見の対立がどの様なものであったかは不明であるが、どうやら長年の戦争体験の後に、彼は戦闘や勝利、あるいはまた名誉の戦死等による栄光よりも、平和に生き延びることの大切さを主張する様になった様である。これは、もちろん伝統的なクリンゴン精神に反する考えである。左遷後は、自暴自棄になり毎日酒びたりの生活を続ける様になる。

彼の絶望に満ちた生活が変わるのは、西暦2287年に銀河光明軍事件で人質になってからである。感情的なヴァルカン人として知られる銀河光明軍の指導者サイボックのヴァルカン人の持つ超能力を利用した精神解放処置によって、それまで抱き続けてきた、絶望や自暴自棄から解放された様である。その後、サイボックに従って、銀河光明軍が乗っ取った連邦宇宙艦エンタープライズ号で、銀河大障壁へと向かう。同艦が、これを追跡してきたクラー船長に攻撃された際には、それまで、自分はもう年老いたと自信を失っていた彼も、同艦副長スポックの要請と励ましにより再び活力を取り戻し、クラーを叱りとばす。

また、定かではないが、ゴルコン宰相の和平使節団に同行していたという話もあり、それによれば、その際の暗殺団の襲撃により重傷を負ったということである。


Korris【コリス】
自称クリンゴン防衛軍隊長。惑星連邦との平和共存関係によってもたらされた平和な状況に耐えられず、同志2名と共にタラリアの貨物船バトリス号を奪取し、栄光に満ちた戦いの日々を求めて宇宙へ飛び出す。追撃船と交戦しこれを撃墜するが、多大な損害を受ける。バトリスの崩壊寸前に、連邦航宙艦エンタープライズD号に救助・収容される。同艦乗員のクリンゴン人ウォーフ中尉に出会い、彼にクリンゴン精神を説き、艦を乗っ取るべく共に行動をおこす様に誘う。しかし、彼が逃亡者であることを知ったピカード船長により拘禁される。その後、脱走し機関室を占拠するが、ウォーフに射殺され死亡する。

保安要員に囲まれた際に、子供を人質に取らなかった点は、正々堂々としており、いかにも名誉を重んずるクリンゴン戦士らしいところである。また、彼がウォーフの体内に眠るクリンゴンの血に火をつけたことも重要である。


Kruge【クルーグ】Qugh
バード・オブ・プレイ船長。その性格は興奮しやすく、疑心暗鬼。その場の機嫌で部下を殺すこともある。一時代前のクリンゴンのイメージの典型である。

西暦2285年、惑星連邦のジェネシス計画の情報を入手、これを新兵器と認識し、奪取すべく、連邦領域内に侵入。惑星ジェネシス軌道上で J. T. エステバン船長の U.S.S. グリソム号を砲撃し、これを破壊。惑星上にいた生存者三名を人質にして、宇宙艦隊の J. T. カーク(当時提督)とのジェネシス装置の取り引きに利用し、内一名を殺害させる。その後、カークの作戦により、部下の大半を失い、自らも惑星上でカークと決闘中に崖から転落して死亡する。


Kunivas【クニヴァス】
コリスと行動を共にし、戦いを求め宇宙へ繰り出す。戦闘中に負傷し、U.S.S. エンタープライズD号に収容されるが、手当が間に合わず死亡する。
K'Ehleyr【ケーラー】
惑星連邦特使。クリンゴン人の父と地球人の母を持つ。(クリンゴン人と地球人の交配は遺伝子的には可能だそうである。)彼女の言葉を借りれば、母からはユーモアのセンス、父からは激しい情熱を受け継いでいる。クリンゴンの世界ではユーモアは役に立たず、地球では感情の爆発が問題になるため苦労をした様である。

トング号の帰還の際に、事態の収拾のためにU.S.S.エンタープライズD号に派遣される。同艦の乗員でかつての恋人ウォーフと再会し、昔の愛を再燃させる。


K'nera【クネーラ】
中将。トゥアコグ号船長。逃亡者コリスコンメルクニヴァスの三名を追跡する。彼らを収容したU.S.S.エンタープライズD号に引き渡しを要求すが、三名とも死亡し、引き取ることは出来なかった。しかし、彼らが名誉ある死に方(戦って死ぬこと)をしたことを確かめ、納得する。実際のところ、彼自身も平和に退屈し戦いを熱望しているらしく、コリスたちには少なからず同情と理解をしていた様である。また、エンタープライズ号にクリンゴン人ウォーフが乗務していることを知り、彼に興味を持ち、同艦での任務終了後には帝国へ仕官するように誘う。
K'Ratak【クラタク】
作家。古典作品「炎の夢」(The Dream of the Fire)の作者。物語の内容は不詳。

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更新日 1997.1.4
東京都板橋区
コウブチ