Last Up Date 1999.10.01

日記を物語る 99年09月INDEXホームに戻るピカチュウ語「日記を物語る」             

09月29日(水曜日) 18000カウント

夏休み最終日。放送大学の後期の講義は58名の履修者がある旨、通知がありました。あわてて前期レポートを添削して返却。明日の東京成徳の準備。夕方には水泳。ダイエー系列のため無料チケットをもらえました。週末は二日とも通えるぞ。ああ、夏休みが終わっちゃったよ。

09月30日(木曜日)

二ヶ月ぶりの東京成徳大学。国語科教育法の履修者のみなさんに、夏休みに得た教育関係の情報を質問したところ、生徒を妊娠させて結婚したのに解雇された先生の話題や、車の中に赤ん坊を置き去りにして死なせた母親の話、さらには君が代・国旗法のことなどがあがっていました。さて、今日は序の口、来週からエンジン全開とさせてください。

 今日で九月も終わり。そう言えば、例のオウム騒動で知ったこと。以前、池袋にあった高野書店のご主人は、今、豊島区長になっていたんですね。鉢巻きをして荒木広報副部長に抗議文を渡している姿を、さっきのニュースで懐かしく眺めていました。移転先の池袋本町と言えば、僕が昔下宿していたところのそばだもんなあ。ところで、高野書店での最大の買い物は久曾神昇『俊景本うつほ物語と研究』{ひたく書房、全三巻}と、原田芳起『宇津保物語』{角川文庫、全三巻}を一括十?万円で購入したことを思い出します。あの時は、まだお元気だった奥さんが、「どうしてこんな高い本が買えるのかしら」とため息をついていたことを思い出しますね。


09月01日(水曜日)

秋ですね。とは言っても今季二番目の34.7℃。それでも僕はせっせせっせと原稿書き。あまり進みませんでしたが。

09月02日(木曜日) 16000カウント

四℃も気温がさがったということで、すっかり涼しくなりました。そんな折、古代婚姻史研究の栗原弘さんから『平安時代の離婚の研究−古代から中世へ−』(弘文堂.1999.09.15/\5800)を頂戴しました。栗原さんの御本の「あとがき」は「これをもって、我々夫婦の高群逸枝・橋本憲三夫婦の研究の一応の完成と考えたい。弘 五三歳、葉子 五一歳。真夏の水俣から始まった、高群逸枝への旅も、人生の初秋にようやく目的地に到着ということになった」と結ばれています。この春から名古屋に研究の基盤を得た栗原さんの喜びが伝わってきました。萬謝。

09月03日(金曜日)

終日、教科書の指導書の原稿の校閲に時間を費やす。編集委員の中心的存在である小島孝之先生が前期にジュネーフ゛大学出張中だったため、僕は『徒然草』と本居宣長関係をチェック。中に、提供された電子テキストの原文に現代語訳を重ねる形で訳した人があり、格助詞「の」を「が」と訳すべきところなど、日本語のカナリおかしな原稿に遭遇、朱で真っ赤になる。う〜ん、ストレス充満。夕刻、青山学院短大の先生仲間三人で大泉学園に集結。例の如し。駅へ向かう途中で、あやしげな歩行を繰り返した某先生、今朝のご気分は如何ですか?

09月04日(土曜日)

第一土曜日は雨が多い気がします。所沢の松井公民館で、古典に親しむ会『源氏物語』「松風」の巻。久しぶりに人前で古典を話しました。今日の仕事はこれだけにして、栗原さんの本を読んで過ごしました。

09月05日(日曜日)

物語研究会例会通知の作文と明日の共同研究の準備など。夕方、水泳へ。そしたらなんと隣のコースで泳いでいたクロールのオヤジの手が僕の頭を直撃。なんてへたくそで無駄なフォームで泳いでいるんでしょう。その後、サウナでも一緒になったけれども一言もなし……。ストレスがまたまた、充満。こんな日もたまにはあるよね。

09月06日(月曜日)

国文学研究資料館で共同研究。『うつほ物語事典』の構想の輪郭が見えてきました。

09月07日(火曜日)

朝、コンタクトレンズを紛失。リビング・キッチンあたりを徹底捜索して、露と見間違えていたレンズを約一時間後に発見。おかげで部屋そのものもすっかりきれいになりました。学問の話は本日まったくありません。

09月08日(水曜日)

終日原稿書き。夜は火事の補償交渉の件で話し疲れる。家裁の調停に持ち込むことを入れ知恵された方の思いつきが発端になったことが徐々に判明。まったく法律や社会通念を無視した発想に呆れましたが、粘り強く説得しました。おやすみなさい。

09月09日(木曜日)

夏休み中の仕事の3/5が終わる。高田馬場での仕事の出掛けにメールでファィル送信。便利になったものですね。あとは事典原稿二つとレギュラーの辞典の項目執筆のみ。すこし羽根を伸ばしたい気もしますが、むこう一週間は毎日が日曜日状態{青山が17日から始まります}だから、明日も頑張りましょう。

09月10日(金曜日)

終日原稿書きのつもりが、机に向かう気力が起こらず、ごろごろと『枕草子』関連の文献を読む。夕方、水泳。これにておしまい。

09月11日(土曜日)

ひとつ仕事を終わらせたら、かなり時間的余裕があることに気づきました。しばらくのんびりペースで進めましょう。神野藤昭夫さんから「ゼミつうしん」が届きました。跡見の学生さんたちはみんな元気かな?

09月12日(日曜日)

日本文学協会事務所で『枕草子』を読む会。「七月ばかり、いと暑ければ」の段。充実した会になりました。夜は蒸し暑かったですね。

09月13日(月曜日)

金曜日から青山が始まります。ということは、金曜のみ夏休みは終わってしまったと言うこと。『枕草子事典』編集部からは督促状も届いたし、すこし気合を入れなおすとしますか。

09月14日(火曜日)

池袋の西武リブロに、昨年秋書いた『古典文学鑑賞辞典』(東京堂出版・09.15)が並んでおり、帰宅すると宅配でこの本が届いていました。僕は『竹取物語』『宇津保物語』『落窪物語』を担当しています。また、森野正弘さんから、学位請求論文の『源氏物語の表現構造の研究−音楽関連描写における主題の展開』(國學院大學大学院研究叢書・1999.03)も届きました。「あとがき」に「なかでも上原氏の研究は、四種ある絃楽器のうち、光源氏の携える琴{キン}の琴に注目されたものであり、これによって琴{キン}の琴に物語の主題を見出す読みは、なかば規範化されてしまったとも言えよう。しかし、そういった琴{キン}の琴をめぐる読解に比した時、和琴に物語の主題を見出していく読みは、まだほとんど提出されていないのに等しいのではあるまいか。そのような研究の現状を踏まえて本書では、いわば非−主題的な断片としての和琴が、物語の主題を担っていく新たな読みの視点を提示したつもりである。このささやかな試みによって、果たして琴{キン}の琴を頂点とする階層秩序は解体し得たであろうか」とありました。國學院初の課程博士論文のたたき台となれたことは、ほんとうに光栄なことと言えます。今日は文句なくよい日でしたね。

09月15日(水曜日)

『枕草子事典』を書き終えてメールでファィル送信。夕方、水泳をして、夜は講義の準備など。これでおしまい。

09月16日(木曜日)

明日の講義のための準備。テストも今ごろになって採点。m(!_!)m。平均点は七割を超えています。よく勉強していますが、誤った解釈を記したノートが流布しているためか、見当違いの解答と、おかしな誤字が出席番号順に連続するの発見しました。ノートは自分で作るべし。そして講義内容の再検討をじっくりと。さあ、明日だ。

09月17日(金曜日)

ついに長い金曜日の夏休みが終わる。青山の日本文学史・古代は必修のため学生さんたちも「元気だった?」なとど挨拶していました。昨日採点したテストを返却しながら、「就職決まったか?」とか「編入試験の勉強進んだか?」とか声をかけると、みなさん、小声やしぐさでこっそり答えていました{声をかけなかった人、他意はありませんよ。念の為}。最初の講義は、例によって、人生の大事な決断のときだなどと、やや説教めいた話。この夏の僕の関連出版物を紹介すると、きちんと「あとがき」やら執筆者一覧まで確認している人が居ました。信用がないようですね。古典演習は『源氏物語』「柏木」巻の研究史をじっくりと学ぶ。でもあと三つの大学はしばらく休みなんだから、何事もあわてずに。ではまた明日。

09月18日(土曜日)

小雨交じりで秋の気配が色濃くなってきた一日です。白百合女子大学で『浜松中納言物語』の会。僕は来週の物語研究会の発表準備が気がかりでしかたがありません。

09月19日(日曜日)

終日、『松浦宮物語』の発表準備。夕方、すこしだけ水泳。

09月20日(月曜日)

『元輔集』の注釈作業。清少納言と正暦二年{991}ごろ結婚して翌年一女・小馬の命婦をもうけた、藤原棟世の兄弟で、棟利なる人物の考証に時間を費やしました。ひさしぶりに脳の違う部分を使った感じ。充実した勉強会でした。

09月21日(火曜日) 17000カウント

終日外はひどい雨。僕は物語研究会例会のための原稿を書きました。夕方、立川の叔母の家へ。

09月22日(水曜日)

立川のホテルで親戚の結婚式。ホテルのティーラウンジに、大阪近鉄バッファローズの佐々木恭介監督が、渋い顔でコーチと打ち合わせ中。前日は西武にボロ負け。今日の試合は久しぶりに勝てたようですね。まあ、何事も何よりでした。

09月23日(木曜日)

古代文学会・物語研究会の合同シンポジューム準備会。神田龍身さんの『偽装の言説』を読んで話し合うもの。著者もお見えになり、テーマもいよいよコンセプトが固まってきている。本番への体制も整ってきました。

09月24日(金曜日)

台風接近の中、青山へ向かう。文学史は『うつほ物語』の世界。阿修羅が守る巨木を上品{じょうぼん}・中品{ちゅうぼん}・下品{げぼん}それぞれに施す天女の予言を解説するため、ビデオで『やさしい仏像の見方』を見る。かなりわかりやすいビデオですね。

09月25日(土曜日)

物語研究会例会。僕の『松浦宮』は課題がたくさん残りました。さて、一冊の本を創る者にとって、その批評ほど気になるものはありません。本日記の読者にも好意的な読者とこちらからアクセスをお断りしたい不愉快な読者も存在します。でも、これはテクストを発信しているのだから致し方ない部分もありますが。

09月26日(日曜日)

今日は完全オフ。ところが、このホームページのアクセスが、突如、一晩で六百を越えていました。どうなっているんでしょう。どこかの雑誌で紹介されたりしているんでしょうか。誰か教えてください。

09月27日(月曜日)

国文学研究資料館で共同研究。それぞれの進行状況を報告し、個別の発表が二本。メンバーみんなの『うつほ物語』への愛が伝わってくるような事典をつくりたいものです。

09月28日(火曜日)

國學院の『うつほ物語』の会が始まりました。やはりレポーターのレジュメがしっかりしたものだと安心して聞いていられますね。


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