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風さわぎむら雲まがふ夕べにもわするるまなく忘られぬ君
『源氏物語』野分の巻より。
源氏物語はあまりにも神秘にして幽邃(ゆうすい)な森である。この森はどのやうな声にも反響する。どのやうな解釈も、どのやうな批評も黙々としてうけるであらうが、しかしそれらは必ずしもこの森の真意とはいへない。それらは多くは解釈者みづからの「解釈」であり、評者みづからの「批評」にすぎぬ。人々はこの森においてみづからの心のエコーを耳にしているにすぎない。それだけにこの森に立ち向かふわれわれの声は謙虚で、そして真剣でなくてはならぬ。恣意と饒舌はきびしくつつしまれなければならない。
池田亀鑑「源氏物語の構成とその技法」『望郷』1949.06
最終更新日 : 2010.03.07 Ver.2692
あなたはこの森への 人目の彷徨者(さまよいびと)
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