----香川県篇・第3回----
----KAGAWA (3)----
■こんぴらさんの諸玩具■
讃岐のこんぴらさんで親しまれている金刀比羅宮は、1368段の石段の 参道が有名ですが、参道の両側にはびっしりと土産店が並んでいます。 その土産品の中に県内の郷土玩具類が売られています。 ◇讃岐の一刀彫:郷土玩具といえるような素朴なものから、美術品的な高級品までいろいろとあります。土産物店にも並んでいますし、一刀彫専門店も多くあります。 琴平町には200人余りの彫り師がいるのではないかといわれています。したがいまして、ここでは、特定の店や製作者の紹介は省くことになりました。 (問い合わせは、第1回に紹介した「香川県商工奨励館」へ....) 「一刀彫の歴史」:天保8年(1837)に金刀比羅本宮の造営にあたって、全国から腕ききの宮大工を集めましたが、これらの宮大工が昼休みなどに廃材を利用してだるまなどを彫り、参詣人に進呈したのが始まりといわれています。 ◇金比羅でこ:金刀比羅宮の名物玩具で「金比羅人形、目返りでこ、獄門人形、びっくり泥子(でこ)」など、これほどいろいろな名前で呼ばれているのも珍しい玩具です。 この首人形はの目は、小さな穴の奥に目の玉が見えます。この目玉は顔の後ろについている桜の皮のひもを引くと、赤い目玉、白い目玉と変わる「からくり人形」です。 赤い顔が権太夫、白い顔が松太夫で、この二人は寛文7年(1667)に、金刀比羅宮の神職にありながら、金光院の賽銭をひとりじめしていたことが露見して、打ち首になりましたが、それがこの「首人形」という、いわく付きの人形です。 制作は、高松市内の「大崎文仙堂」:第1回の下欄で紹介してあります。 ◇讃岐の花かご:入れ物部分は経木製、取っ手は竹で作られいます。 かっては金刀比羅宮の参道で売られていましたが、現在は参道から姿を消しています。 昔は高松市の西の地帯(西讃地方)では、「嫁入人形」に代わる土産物として、この「花かご」の中においりと呼ぶ米菓子を入れて、花嫁が近所の子供に配ったものです。 いちじ、アメリカやヨーロッパへ、イースターの祭り用に輸出されたこともありました。昭和45年頃までは今津町集落では4、5軒が作っていたそうです。 制作者:秋山貞子(4代目):丸亀市今津町375...TEL:0877-22-3928 ■香川の張り子虎(2点)■ 県の西部、西讃地方うみでは、「虎」が盛んに作られています。この「虎」は江戸時代から作られいたようです。「首振り虎」「夫婦虎」「親子虎」「すぐみ虎」「にらみ虎」などの種類があります。 それぞれの制作者は、制作だけを行い、主に問屋を通して一般小売店で販売されるので、産地や製作者の名前はこのルートでは判らなくなります。愛好家は製作者から直接に求めるということです。 ◇西讃地方の節供飾りの風習 天正7年(1579)、細川土佐守頼之は長曽我部(ちょうそかべ)の軍勢に囲まれ、3月3日についに落城、城主・頼之は打ち死にします。それが仁尾町の史跡「仁保城跡」です。 それ以来、殿様と家来の死をいたんで、3月3日を忌日(いみび)とし、5月5日の男子の節供に女の子の雛人形も武者人形と一緒に飾る風習ができました。 その時の飾り物に「張り子の虎」が主役の座を占め、それが続いています。 制作者:香川敏明:丸亀市郡家町2297-1...TEL:0877-28-7975 制作者:田井清己:三豊郡三野町下高瀬431...TEL:0875-72-5682 制作者:真鍋佳則:三豊郡仁尾町仁尾丁境目868...TEL:0875-82-2178 |
■善通寺の八朔馬‥だんごの馬‥■
八朔の行事に飾られる米の粉でつくられる「団子」の馬ですが。掲載の画像は保存用に綿で作られたものです。 ◇旧丸亀藩領地の地域のみの八朔の行事 いまも、仲多度郡満濃(まんのう)町、三豊郡仁尾町や豊中町などで見られる風習ですが、この地域では、旧暦8月1日(現9月1日)にもう一度、張り子の虎をはじめ武者人形が飾られます。 この地方では八朔を「馬節供」とよびますが、寛永三馬術の名人の一人であった曲垣(まがき)平九郎が丸亀藩の出身であり、その馬術の神技をたたえて行った風習といわれています。 八朔の祝いには親類や親しい人が子供の成長を祝って「だんごの馬」を持ってきます。 長男が生まれた家では、座敷に武者人形を飾り、持ち寄られただんごの馬をならべて祝宴を開きます。 この「だんごの馬」は、八朔の翌日にこわして近所に配られます。 ■讃岐のチョウサ(太鼓台)■ 西讃地方の秋祭りの山車、太鼓台(布団太鼓台)を、地元の人は「チョウサ」と呼んでいます。また、「サシマショ」「ヨイヤショ」ともよばれます。 サシマショ:「差し上げる」と言う言葉からきていると考えられています。 ヨイヤショ:掛け声からきた呼び名.。 「チョウサ」:由来には二説があります。一つは、歌舞伎で団七九郎兵衛が舞台で神輿を担いでの「チョーサやチョーサ」と囃した囃子言葉からという説。 もう一つは、高松藩に亡命した中国の儒者・張子公が道路の整備と修理策に中国風の太鼓台を作り、祭りに用いて道の踏み固めに成功し、それ以後その功績を賛えて、太鼓台を「張さん」=「チョウサ」と呼ぶようになったという説があります。 制作者:篠原義夫「あづま玩具店」:坂出市元町4-2-4...TEL:0877-46-2434 制作者:土岐富子「とき」:愛媛県新居浜市萩生馬渕707...TEL:0897-43-9251 ■滝宮天満宮のうそ■ 滝宮天満宮の「うそ替えの神事」は毎年4月24日に行われ、氏子に「木うそ」が授与されます。 この「うそ替え」は昭和の初期から始められ、戦時中は中断しましたが、現在も続けられています。 全国一般的には1月25日に「うそ」の授与が行われのですが、ここは菅原道真が讃岐の国司として着任したのが仁和2年(886)4月であったということから、4月に行われているのです。 滝宮天満宮:綾歌郡綾南町滝宮1321....TEL :0878-76-0199 ■香川県の凧(いか)■ 香川県では凧(たこ)のことを「いか」といいます。色彩の上でも造形的にもすぐれたいろいろのいかがあります。 ◇いろいろの「いか」 猩々凧(しょうじょういか)。見信だるま凧。堤灯凧。セミ凧。 五つ輪凧。八角凧。ごんぼ凧(武者絵)。むかで凧。こうもり凧。 だるま凧。ます凧。人形凧。カルタ凧。ミニ凧。 制作者:行成文彰:丸亀市郡家町1148-1...TEL:0877-28-7909 制作者:藤本煕(浩武):坂出市川津町6343-4...TEL:0877-46-6284 制作者:磯崎ナツエ:三豊郡詫間町松崎679-2...TEL:0875-83-2538 ■讃岐かがり手まり■(作品画像未掲載) 観音寺市の「讃岐習俗参考館」で保存会会員の手により作られています。讃岐の手まりは、もみがらを和紙に包んで芯にして、草木染の木綿糸で模様をかがっています。 この「手まり」は、高松市の讃岐民芸館(第1回に紹回)の売店にも置かれています。 讃岐かがり手まり保存会:荒木八重子:観音寺市八幡町1-9-34...TEL:0875-25-1031 |
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