日本列島・全国郷土玩具の旅

----山口県篇(1)----

----YAMAGUCHI----


山口県の郷土玩具ガイド(掲載されていないもの、廃絶品を含みます)
 山口市:大内人形。古銭鈴。

 萩市:小萩人形。長門張り子。見島の鬼揚子(見島)。

 大島町:柳井の金魚堤灯。

 岩国市:岩国の石人形。

 豊浦郡豊浦付近:とへとへ馬(藁人形)

 岩国市周辺:とへの馬(藁人形)

■施設■

 烏山工芸館:   豊浦郡豊浦町川棚温泉入口  TEL:08377-2-0463

 山口ふるさと伝承センター: 山口市下堅小路12  TEL:0839-28-3333
 




大内雛(大内人形)■
  山口市には伝統の大内塗りの雛人形(大内人形)があります。この地の漆器の歴史は古いのですが、大内人形は大正時代から作り始められたものです。 また同じ方法で「姫だるま」などの大内人形が作られています。
 この人形は、多くの工程をへて完成します。木地師ー下地師ー磨き師ーそれから塗り師により漆がかけられ、絵師により顔や着物が描かれます。

大内塗り」:この制作工程は大内塗りの伝統的な手法によるもので、歴史はたいへん古くて、大内弘世が大内氏の基礎を作った正平年間(1346〜68)の頃で、当時、山口は日本の文化の中心といえるほどの繁栄ぶりでした。
 当時、大内氏と中国・朝鮮との交易では、大内塗りの漆器や蒔絵(まきえ)が有力商品でした。

 「山口ふるさと伝承総合センター」では、この制作工程を見せています。

山口ふるさと伝承センター:山口市下堅小路12..TEL:0839-28-3333
制作者: 桑原大内人形制作所。 谷口漆香堂。 (有)中村民芸社。
     牧野大内塗大内人形制作所。 橋本漆工芸。 富田漆工所。 大内塗工芸社。



小萩人形
 城下町・萩の衣裳人形。この人形は、昭和初期に人形研究家の松村そでさんにより創始され、土地の女性たちが趣味として作っていたものでした。戦後、その弟子の進藤さん夫妻により受け継がれ、萩の観光土産として制作されるようになりました。
 どれも針金を芯にして、金襴の織物の着物をきせた、華やかな衣裳人形です。
「藤娘」「七枚笠」「舞妓」「八重垣姫」「汐汲」などの舞踊が人形になっています。全長は、19センチ〜11センチまで3種類あります。

制作者:進藤浩。芳枝。「萩人形制作所」:萩市平安古562..TEL:08382-2-2120 


長門張り子
 長門張り子は、昭和59年から作り始められましたが、廃絶した熊本の「宇土張り子」を継ぐ本格的な張り子です。
 作者の田中勉さんは、喫茶店を開いて生活しながら、この張り子を制作しています。  田中さんは、新潟の郷土玩具「鯛車」をみたのがきっかけで、郷土玩具を収集しているうちに自分でも作りたくなり、「宇土張り子」の阪本カツさんを訪ね、晩年のカツさんのベッドの横で教えを乞い、宇土張り子の「相撲取り」を木型から作り上げたそうです。
 この作品のテーマは明治の風俗物が中心で型は20種ほどあり、昭和後期から作られたとは思えぬ、いずれも雅趣に富んだ張り子です。


制作者:田中 勉 :萩市瓦町20..TEL:08382-5-0065


古銭鈴(画像収録できていません)■
 山口市といっても小郡町に近い鋳線司(ちゅうせんし)で、寿泉庵の内田延子さんが、古銭型の古銭鈴を焼いています。
 鋳線司はわが国の最初の貨幣といわれてきた「和同開珎(わどうかいちん)」を鋳造した所でとされていて、それにちなんで古銭鈴は作られました。他に、大村益次郎をしのんだ「花神鈴」や、「代神楽獅子頭鈴」「さぎ舞鈴」など、地元の民俗芸能をもとにした土鈴があります。
(註)「和同開珎(わどうかいちん)」は、「富本銭」が発掘発見されるまでは、日本の最も古い貨幣といわれてきました。

制作者:内田延子「寿泉庵」:沼隈郡沼隈町常石421-2..TEL:0849-87-2181

「古銭鈴」や「寿泉庵」の作品画像は、
CPH【全国郷土玩具マップ】(リンク)の「山口県」でご覧いただけます。

 
 
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(1999.2.28掲載)