日本列島・全国郷土玩具の旅

----香川県篇・第1回----

----KAGAWA (1)----


香川県の郷土玩具ガイド(掲載されていないもの、廃絶品を含みます)
 高松:高松張り子。嫁入人形。つまみ人形。運動人形。讃岐の獅子頭。
    滝宮の念仏踊り。八栗のだるま。金比羅でこ。土人形

 坂出:讃岐のチョウサ。凧。

 丸亀:讃岐の花かご。張り子の虎。凧。

 善通寺:だんごの馬。

 滝宮:滝宮八幡のうそ。

 琴平:讃岐の一刀彫。

 観音寺:讃岐かがり。手まり。

 県西部・西讃(せいさん)地方:讃岐の獅子頭。だんごの馬。張り子の虎。

 (註)この他にも、まだ調査できていない作品があると思われます。

■施設■

 金刀比羅宮学芸参考館  香川県沖多度郡琴平892  TEL : 0877-75-2121

 郷土人形資料館     高松市通町3-5  TEl :  0878-51-2310

 讃岐習俗参考館     観音寺市八幡町1-9-34  TEL : 0875-25-1031

 香川県商工奨励館(県特産品売場あり)・讃岐民芸館(売店あり)
             高松市栗林町 栗林公園内  TEL : 0878-33-7411

 (参考)四国各地の郷土玩具を売っている店
    「ひさ六」 高松市片原町10-11 TEL : 0878-51-1563 

■参考情報リンクかがわネットホームページ・財団法人香川情報化推進機構





高松張り子
  高松張り子は、香川県というよりも、四国を代表する郷土玩具といえます。
 その種類も非常に多く、讃岐おもちゃの会機関誌「ふりつち」(昭和59年5月刊)によれば57種が上げられていますが、細かく分類すると大小合わせて300種以上はあると思われます。
 次にあげてある「ほうこうさん」や「嫁入人形」といわれる縁起ものをはじめ、振り槌、常盤御前、虎、など多彩です。
 高松で人形が作り始められたのは、藩政時代末期からといわれていますが、確証できるものがないので定かなことはわかっていません。しかし、京都の伏見人形(土人形)や大阪の張り子の技術が伝えられたものとされています。
 明治の頃は、鍛冶屋町には土人形を作る店が数軒あって、嫁入道具の家具屋と軒を並べて繁盛していました。この「嫁入人形」といわれる土人形は、昭和の中頃には、ほとんどが張り子製に変わっていきました。(嫁入人形のエピソードについては、次回に紹介の予定です)

ほうこうさん(高松張り子)■
 高松張り子の中でも有名なのが「ほうこうさん」です。「こけし」のように手足のない円筒形の張り子人形で、丸顔の少女の顔が描かれています。着物の模様は、金で松葉、胡粉で梅の花。緑青で竹、裾の黒い丸に金の線書きの宝珠が描かれています。(全部が描かれていないものもあります。)
「ほうこうさん」についての民話
御殿のお姫さまに仕えていたおくにという少女がいました。醜い顔でしたがとても賢い子供でした。あるとき、お姫さまが熱病にかかりどうしても治りません。おくにはお姫さまの病気を自分の身に移して、身代りとなって島へ流されました。
人々はこのおくにをほめて、「ほうこさん」と賞賛しました。
こうして、身代りとなって病気を引受てくれる「ほうこうさん」の人形が作られるようになりました。
 この地方では、昔から子供が熱病にかかると、「ほうこうさん」を子供に抱かせ、それを海に流すと、病気が不思議に治ると伝えられています。
ほうこうさんの赤い着物
日本各地にみられる、赤い色を塗った玩具類は、いわゆる「赤もの」といわれています。これは、赤色が病魔を払う呪術的な思想、(まじない)からと考えられます。ほうこうさんの着物の赤も、同じ意味をもっています。

土人形つまみ人形
 高松では、上記のように、土人形の歴史があり、張り子の制作者はまた「土人形」や「練りもの」の人形をも作っています。
 「つまみ人形」は宮内まさえさんが作っていますが、粘土を指でつまんで作る指先ほどの小さな人形です。いずれも張り子人形と同じ形ものを小型化したものです。
制作者(張り子・つまみ人形):
   宮内まさえ(明治43年生まれ):高松市栗林町2-12-33
..TEL:0878-34-4529
制作者(張り子):乃村タツ子「乃村玩具制作所」:高松市八坂町3-4..TEL:0878-21-8442
制作者(張り子・練り物・土人形):
   大崎豊五郎「大崎文仙堂」:高松市中野町30-10
..TEL:0878-31-8633

   
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(1999.3.14掲載)